ペット達の大切な写真を保存する為に
ペットと暮らした日々を記録した写真は何にも代えがたく、そして決して失いたくないもの。
しかし、つい対策を怠ったばかりに掛けがえのないデータを失うという話は残念ながら耳にする。
データを復旧させるために数十万という高額な支払いを余儀なくされたり、かわいいわが子の大切なデータが二度と戻ってこないという悲しい事態にならない様に日ごろから対策をしておきたい。
もはやスナネズミとは関係がなくなってきた感があるが、写真を失った時の喪失感は半端ないので記載することにした。
はじめに
みなさんが予想している通り、データを守るためにはバックアップをしっかり取るという事に尽きる。
しかし、単にバックアップを取るといってもいくつか考える事がある。
バックアップの信頼性を重視すればデータを失う可能性は低くなるがコストは高くなるし、逆にコストを重視してバックアップをすれば相対的にバックアップの信頼性は低下しデータを失う可能性は高くなるからだ。
自身にあったバランスは人それぞれであり、誰にも当てはまる様な万能な方法はない。以下を読んだ上で各自に適した方法を選択してほしい。
ちなみに後述するNASはそれ自体ではバックアップとはならない事に注意して欲しい。
あくまでHDDが故障してもシステムを止めずに運用・復旧ができるというもの。
本来のバックアップはバックアップの時だけ繋げ、それ以外は物理的・距離的に隔離されているのが正しい。
結論
それでもあえて一般化した、おそらく大多数の人にとって適するであろう方法を考えると
短期バックアップは外付HDDに取る。
ここでは新しく増えた写真だけをHDDにいれていく長期バックアップはDVDやM-DISCに焼く
その時点のすべてのデータをバックアップするフルバックアップを取る。
というのが最もバランスが良いと思う。
外付HDDへバックアップ:数日~数週間に1度程度
DVDやM-DISCへバックアップ:数か月に1度程度
この方法であれば、例え元データが消失したとしてもせいぜい数日~数週間程度のダメージで済むし、万が一、元データと(短期バックアップの)外付HDD自体が故障したとしても最悪数か月程度のデータ消失で済む。
下記の例では1週間に1度HDDに増えた分だけバックアップを取り、2か月に1回DVDまたはM-DISCにフルバックアップを取っている。
ちなみにM-DISCとは通常よりも保存性を高めたDVDやBlu-rayで、価格は高いが「理論的には」100年以上データを保持するとされている。
また、外付HDDに関してはバックアップ時にのみPCに接続するようにすれば、ウィルスやランサムウェアに感染したとしてもデータが助かる可能性がある点にも注意したい。
そしてUSBは3.1以上がおすすめ。
USB2.0だと転送速度が遅すぎてバックアップの待ち時間が苦痛である。
もちろんPC側も対応している必要がある。
ここからは、数日レベルのデータ消失も避けたいという方やバックアップ自体をルーチン化したい人向けとして記載していく。
データ保存について特に興味がなく、目的だけを果たせれば良い大半の人はここまで読めば十分だと思う。
考えるべきいくつかの事
この先はもう少し突っ込んだ内容について記載をしていく。
繰り返しになるが、単にバックアップといっても重視する項目によって選択肢は変わってくる。
ここから先はとにかくデータを失わない事を最重視した方法で、コストなどはある程度二の次になっている。
重視すべきいくつかの代表的な内容を列記した。
スマホとの親和性
保存性
コスト
手軽さ
1.スマホとの親和性
僕も含めて、最近はiPhoneやAndroidなどのスマホで写真撮影をする事が増えたと思う。
このことから、スマホで撮影したデータをいかに簡便にバックアップできるかが大きなポイントになると考えている。
すなわち、PCなどを使わずにスマホだけで完結し、毎日決まった時間に自動的にバックアップを行ってくれるのが理想である。
USBフラッシュメモリ系は本来×なのだが、下記の様に充電しながらバックアップを行ってくれる製品もあるため△も記載してある。
それ以外のアイテムは一番下にまとめて記載した。
2.保存性(信頼性)
ここでいう保存性とはメディアとしての信頼性の事で、バックアップしたは良いが気づいたらデータが壊れていたり消えていたりするものは「メディアとしての保存性が低い=信頼性が低い」と表現する。それを前提として読み進めてほしい。
バックアップをするためのメディア(HDDやDVDなど)には色々な特性がある。
例えばUSBフラッシュメモリは安価で手軽に持ち運べるが、PCがないとバックアップはできず、他のメディアと比較するとデータが壊れたり消えたりする可能性が高いため長期間の保存には向かない。
下記の様に充電のたびにバックアップを取ってくれる製品もあるが、この手の製品だけではバックアップは万全とは言えない。
なお、僕は下記製品は使っていないので、実際の使い勝手については言及しない。
M-DISCは先述した通り「理論的には」100年以上データを保持するとされているが、あくまで理論値であることと何かの間違いで物理的に破損してしまう可能性もあるので〇/◎とした。
また、NASについてもRAIDを前提として〇/◎としている。
RAIDは簡単にいうと複数のHDDを組み合わせてHDD故障時のデータ保存の信頼性向上や運用を止めない為の技術である。
3.コスト
バックアップは日常的に行い、それも今後ずっと続いていくためコスト面もしっかりと考慮する必要がある。
ざっとAmazonをみただけだが、各種メディアと容量あたりのコストを比較したところ以下の様になった。
上記の表から、まずは外付HDDに毎日または数日に1度バックアップを行い、その後にDVD(保存期間を重視するならM-DISC)を選択するのが良いと考えている。
ちなみに、何を重視するかによって選択肢は変わってくるので、僕は上記とは異なる選択をしている。
4.手軽さ
バックアップ方法を選ぶ際、どれだけ手軽に導入できるかも重要である。
NASやクラウドは一般的には十分認識されているとは言えず、コンビニでも買えるUSBフラッシュメモリやDVD、Amazonや家電量販店で買える外付HDDはやはり強い。
我が家の環境
さんざん外付HDDとDVDまたはM-DISCの事を書いておいてなんだが、我が家ではどちらの方法も採用していない。
今まではNASとiCloudにバックアップをしていたが、奥さんと合わせて200GのiCloudストレージでは足りなくなってしまったので、写真をiCloudにバックアップする事をやめた。
我が家の場合、以下の通りバックアップをしている。
iPhoneで撮影した写真や動画はWi-Fiを使い深夜2時にNAS①へ自動バックアップ。同時に別のNAS②と③にもバックアップ
NASはRAID5が2台、RAID0が1台で構築。
RAID5の機種はHDDが1個故障してもデータ破損や、システム停止を伴わずに復旧が可能。バージョン管理により、間違ってファイルを削除しても復旧可能
外出先からでも過去写真全てにアクセス可能
上記以外にOneDrive(クラウド)にもリアルタイムバックアップ
NASのアプリを使って歴代のスナごとに下記の様なアルバムを作り、命日に見返す
お気に入りの写真にタグをつけて一括抽出が可能
しかし、以下の理由から他人におすすめできない。
そもそもここまでする必要がない
繰り返しになるが、一般的には外付HDDとDVDなどへの定期バックアップが最もトータルバランスが良い。高価/維持費がかかる
NAS3台とクラウドにバックアップしているので、初期導入費用を含めて非常にコストがかかる
なぜ上記のシステムを組んでいるのか
外付HDDとDVDなどへの定期バックアップだと写真としてはバックアップができてもアルバムやタグなどは引き継がれず、再仕分けが非常に面倒
歴代の子をアルバム単位で管理したい
バックアップを忘れた時に限っていい写真が撮れているので、後悔したくない。
命日にはその子の写真をみるが、寝る前なのでスマホからすぐにみたい
思い立った際にいろいろな写真を見たい
まとめ
各メディアのまとめ。
メリットとデメリットも併せて記載した。
クラウド(DropBox)が最もバランスが取れている様にも見えるが、原因不明のアカウントBAN報告(すべてのデータがみられなくなる)もあるので、データを他人任せにするクラウド「のみ」へのバックアップはおすすめしない。
上記で紹介したもの
フラッシュメモリ
DVDメディア
外付HDD
SSD
NAS
以下のNASはHDDが2台までのタイプなので組めるRAIDは0または1です。
先述のRAID5を組む場合は4ベイタイプを選択してください。
NAS用HDD
クラウド(DropBox)
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