酸素供給の際に注意する事 後編
ここでは、酸素を供給する2つの方法(酸素缶・酸素発生器)についてもう少し詳しくみていきます。
各々のメリット・デメリットは以下のページに記載してあります。
①酸素缶を使用する場合
Amazonやドラッグストアで酸素缶を購入します。
酸素缶に標準付属しているアタッチメント(人間が口に当てる部分)だと、スナネズミなどの小動物には大きすぎるので、適した大きさの簡易マスクを作成する必要があります。
簡易マスクですが、動物の口の大きさにあう様に紙などで漏斗状のものを作ってあげると良いと思います。
②酸素ジェネレーターを使用する場合
まず酸素部屋を準備する必要があります。
酸素ジェネレーターのレンタル業者であれば以下の2パターンを選択できます。ここでは実際に僕が使用した業者さんを例に記載します。
パターン1:アクリルボックスタイプ
【メリット】
・アクリルの箱なので、密閉度が高い
・透明性が高く、中が見やすい
・ジェネレーターと併せて箱のレンタルも可能であり、支出を分散できる
・片手が入る程度の小窓があり、解放時も酸素濃度低下を防げる
【デメリット】
・アクリルボックスの在庫がないとレンタルが出来ない
・中に両手を入れる場合だと大きく窓を開放する必要があり、一気に酸素濃が低下する
・手を中に入れる場合、都度留め具を外す必要があり手間。
・緊急時に焦ってしまい、うまく小窓を開けられない
・箱の入り口から中に置いたスナネズミの部屋までが遠くなり、女性だと手が届かない事がある
・密閉されており、外からケーブルを引き込める場所が決まっているので、電源ケーブルの長さによってはホットカーペットを入れられずボックス中の温度が下がりすぎる。
・臭いがこもりやすく換気がしにくい
注意点
・酸素吹き出し口は温度が下がるため、直接スナネズミに当たらないように毛布などでガードする必要がありました。
パターン2:組み立てタイプ
【メリット】
・レンタルではなく購入なので、一度買ってしまえば在庫状況に左右されない (酸素ジェネレーターはレンタル)
・シート状になっているので、開閉が迅速に行える
・シートを外してしまえば一気に換気が行え、シートの開け具合によって微妙な調整が可能
・密閉されていないのでホットカーペットの電源ケーブルを下からいれる事ができる(=温度低下をある程度防げる)
【デメリット】
・アクリルボックスと比べると透明性が低く、中の様子が若干見づらい
・レンタルではなく購入なので、保管場所をとる
・レンタルではなく購入なので、支出が集中する
・アクリルタイプと比較すると密閉性は低い
・ビニール特有の臭いがあり、何度か洗ってからでないと使用する気に
ならない
注意点
・酸素吹き出し口は温度が下がるため、直接スナネズミに当たらないようにガードする必要がありました。
実際の運用例
僕の運用方法ですが、以下の通りです。
撮影の為カバーを外していますが、実際はカバーをつけて運用していました。
何かするごとに酸素缶を使用していたので、段ボール単位でストックをしていました(左奥)。
温度計①~③
組み立て式が初めてだったので、ボックス内の温度分布を見るために多点で設置しています。もう1つの温度計は外に置いていました。
ログ付き温度計
夜中など温度変化を記録するために設置。以下の写真は当時のノートから抜粋した温度変化。27℃平均を心がけた。(2018年9月2日、雨天のデータ)
・基本的には酸素ジェネレーターを使用
・組み立てタイプの酸素ボックスを使用
・通院時や給餌など、一時的に酸素濃度が大幅に低下した際に酸素缶を補助的に使用する事で、素早く酸素濃度を戻す
・換気が必要な場合は、予め酸素濃度を高めておいた虫かごにスナネズミを一時退避させ、短時間で換気を実施
・換気を完了した後は、予め酸素濃度を高めた組み立て式酸素ボックスにスナネズミを戻す。
・下から酸素が抜けないように毛布を敷く
まとめ
酸素ボックスというものを知っているのと知らないのではスナネズミの病後のQOL(Quality Of Life;快適さ)が大きく異なる可能性があります。もちろん全ての場面において必要という訳ではなく、必要な場面で適切にその選択を取れる事が重要だと考えています。
歳を取ったスナネズミが、かじり技を噛んだあとやご飯を食べた後、水を飲んだあとにじっと止まることがあるなら呼吸が苦しい可能性があります。
長々と記載しましたが、まとめです。
・酸素ボックスというものがあります。
・酸素供給により、スナネズミの呼吸が楽になる可能性があります。
・レンタルが出来るので、買い取る必要はありません。
・ボックス内は想像以上に温度が下がっています。
・温度が下がると動物の体力を奪うので、適切な温度管理が必要です。
・温度計を準備しましょう。
・酸素濃度計を準備しましょう。
小さな変化を見逃さず、すぐに病院に連れて行くことによりあなたの大切なスナネズミはより幸せに暮らせるはずです。
これらはスナネズミだけではなく他の動物にも使えると思いますので、適宜読み替えてください。
ペットは人生の伴侶です。
伴侶と共に幸せな日々を。
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