つづき:サードプレイス
サードプレイスをどう作るか
サードプレイスをどう作るか、それは公共建築が担うのか、また、サードプレイスをどういう単位でつくるのか、どこに作るのか、本当に上手くいくのか、、、
などなど、まだまだ考えないといけないこと、調べないといけないことが山積み。
そもそもサードプレイスとは
「サードプレイス」"third place"はアメリカ人都市社会学者のRay Oldenburgという方がThe Great Good Place(1989)(『サードプレイス コミュニティの核になる「とびきり居心地よい場所」』という本で紹介した概念であり、言葉だ。
今はその本の読み途中だが、その本で出てくるサードプレイスの特徴をざっくりまとめたい。
サードプレイスの特徴
1、人を平等にする、どんな人でも受け入れる
2、会話が中心
3、家から近く、アクセスがよい
4、長時間営業(オープン)
5、常連がいて、その人がキーパーソンとしてその場の雰囲気をよいものにする
6、居心地のよい家のような感覚
オルデンバーグはサードプレイスの成功例として、フランスやドイツのカフェ、イギリスのパブなどを挙げている。
ここで、オルデンバーグはアメリカの状況を元に提唱していること、そして上記のようにヨーロッパを中心に成功例を挙げていることを頭に入れておかないといけない。つまり、このまま日本に導入するのは難しいかもしれないし、どのくらいその街で人が住んでいるかとか、そういうことも大事だと思う。
武蔵野プレイスを分析してみると
上記のサードプレイスの特徴を全て満たしてはいないけれども、同じ路線でそういう場を提供しているなと思うものはある。
例えば、私の好きなJR中央線の武蔵境駅近くの「武蔵野プレイス」
武蔵野プレイスは、主なプログラムは図書館。だが、それにカフェ、会議室、自由に使える机が並ぶ空間とか、あと、確か地下に卓球台があったりする。
開館時間も割と長くて、9:30-22:00。
ここで、建築家が「プレイス」という名前をつけたのはやはり意図的だったんだろうと思う。
武蔵野プレイスを先ほどの1−6の特徴と照らし合わせると、
1、公共建築であるため、どんな人でも出入り自由で、入るのにお金はいらない
2、図書館なので、会話は中心ではない。けど、普通の図書館よりは話すことができる空間がたくさんある。
3、駅から近いため、家に帰る途中とか買い物に行く前にとか、そういうことができる。
4、割と、長時間営業。だが、飲み屋さんのように夜遅くまで空いている訳ではない。
5、キーパーソンはいない。けど、その雰囲気を作ることができるのは建築の力なのかなと思う。建物の配置とか、街の既存の導線にどう絡むか、とか。居心地のよい空間が作れているか、とか。
6、これも建築の設計が大事な役割を果たす。設計と計画。あと、プログラムの融合も大事だと思う。今は、前よりも図書館+カフェといった複数のプログラムが一つの空間を共有する(付随する)建築が増えてきた。が、私はそのタイプは武蔵野プレイスが初めてだったので、とても斬新で画期的なものに感じた。
つまり、サードプレイスの本で紹介される特徴のうち、どういうことが重要で(核となるか)、どういうことが今の日本の社会に必要で導入できそうなのかということをもっと考えないといけない。
あと、日本のどこでできそうとか、(これは卒業設計につながると思う)
さらに、すでにある事例を調べたり、実際こういうことをすでに調べている人がいると思うので、そういう人の研究や設計や論文などを探していきたい。
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