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香りは記憶。心地よさのカギ

「お母さん、いいにおいがする。」そう言われると、なんだかうれしい。お家に遊びに来た友人が玄関で「いいにおい!」と言ってくれると、内心ほっとする。

香りを褒められるのは、もしかすると一番うれしいことかもしれない。

香りは記憶と密接につながっている。実家に帰ると「ああ、帰ってきたな」と感じるのは、きっとその香りのせいだろう。

日々の暮らしが折りかさなって、家の香りがつくられる。だからこそ、子どもたちにも「家のにおい=落ち着くもの」として記憶に残ってほしいと思う。

わたしが好きな香りはクチナシ。だから庭で育ててもいれるけれど、いつも食害にあってすぐに葉っぱが丸坊主。花をつけたことが一度もない…。

記憶に残る香り、残したくない香り

香りの記憶は、いいものばかりではない。

私が小さい頃に通っていた保育園のニオイは好きじゃなかった。玄関を入った瞬間に感じるあの独特なにおい。決して不潔や不快というわけではなく、反射的に息を止めてしまうような匂いがするわけでもなかった。

でも、どうしても好きになれなかった。

もしかしたらそれは香りの問題ではなく、ただ寂しかったのかもしれない。下駄箱に靴をしまいながら、なんとなく気持ちが沈んでしまった。もうあのにおいを嗅ぐことはないけれど、もし今どこかで嗅いだら一瞬であの頃の気分に戻ってしまう気がする。

そもそも家の香りって、何からできているのだろう?

「家の香り」をつくるもの

芳香剤、ハンドクリーム、シャンプー…それに料理や家族それぞれのにおい。

いろいろなものが合わさって、家の香りになる。

たとえ家庭で同じアロマを使っていたとしても、家の中の香りはそれぞれ違ってくるはず。

家の中で大きな部分を占めているのは、多分、洗濯物の香り。タオルや衣類からふわっと漂う香りは、暮らしのなかで大きな存在になっている。

だからこそ香りを大切にしたくて柔軟剤を使う。フワフワなタオルやソフトな肌触りの服になるように、というのはわたしにとって二の次でよくて。

でも、その使い方に少し疑問をもつようになった。強めの香りよりも、ほのかに香るくらいが心地よいし、柔軟剤を使う手間やコストも減らしたい。

そこで、洗濯洗剤を見直してみることにした。選んだのは、無添加の洗剤。自然な香りのよさに惹かれて、これまで使っていた洗剤をやめて、久しぶりに新しい選択をした。

ちょっとした決め事を「変えてみる」ことで、思いがけない心地よさに出会える。いつも頼む定番メニューもを変えて、たまには違うものを試したときに思いがけない出会いがあるように。

心地いい香りも、日々の積み重ねによって作られていくのかもしれない。

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