京大11月祭とタイカレーラーメン店
久々に過去に自分が投稿した『食べログ』の記事を読み返していたら、かなり長文のレビューを見つけたので、ここに転記してみることにした。『食べログ』は、テキストと写真の配置が分かれており、文中に写真を挟み込むことが出来ない。短いレビューであれば問題ないが、私のように無駄に長い文章の場合、写真を見ながら文を読むことが出来ずに、分かりにくいこともあったりする。(単に文章力がないという話かもだが)
タイカレーラーメン シャム(京都:四条大宮)
2017/11/25 訪問
個人的評価:3.7 / 5.0
最高のスパイス (4000字)
〜プロローグ〜
京大近くのパティスリーで”プルースト効果”の実証実験(謎)を行なったあと、私はこちらの店に行く前に、パティスリーに向かう途中で見かけた京都大学の11月祭に寄ることにしました。学祭本来の各グループの展示内容も気になりましたが、今日の私は”花より団子”モードだったので、”展示より出店”になっていました。
(この店のレビューは第5章からですので、お手数ですが、必要に応じて読み飛ばしてください)
第1章 京都大学11月祭
京大の吉田キャンパスは、道路を挟んで大きく4つのブロック(構内)に分かれており、それぞれ「本部」「吉田南」「北部」および「西部」となっています。パティスリーからは北部構内が一番近いので、まずはそこに向かいました。
北部構内の門からに入ると、銀杏並木沿いにいくつかの出店が並んでいました。ちょっと地味でしたが、独自の企画(実際、北部内では「北部祭典」という呼称で、本部などとは独立している雰囲気で運営している)で頑張っているようでした。そんな中で、更に地味なブース(?)を見つけて近寄って行きました。
第2章 地味で楽しい北部祭典
その1◇甘酒・パンプキン売り(正式名称不明)
他の出店はちゃんとテントを張ってますが、この”ブース”はリヤカーです。実際、メンバー(2人)のうちの一人に聞いたところ、『まさにゲリラ販売しているのです』とのことで、好きな場所に移動しては、甘酒やスープを売っているようで、私の雑談に付き合ったあと、彼らは別の場所に移動して行きました。男性二人でやっていましたが、一人は(おそらく)理学部の学生で、パンプキンスープの製造担当でした。当初、彼しかいなく、私は「甘酒」のハーフ(150円)を注文しました。その後、もう一人のメンバーがパンダの被り物の頭を取りながら戻ってきました。彼は学生ではなく(おそらく)OBで、甘酒の製造担当だとのことでした。彼らとは、甘酒について、製造方法やその効用などについて意見や情報を交換しました。私も彼らの若者IQに負けじと、オヤジの経験値(OBA-Q)で対抗しました。結構、彼らも知らないことが多く、その点をチクチク突くのが楽しかったです。甘酒担当の彼は、将来オーストラリアで甘酒を始めとした麹食品を広めるのが夢で、そのための麹の研究中だとのことだったので、私はオヤジギャグで「それじゃあ、麹中=工事中、under constructionだね」と言ったら、かなりウケていました。オヤジの勝利ですな。対して、ピンクの熊の格好をしたスープ担当の彼はさすが理系の学生、『酒造りは統計学だ』と言い切っていました。その話を詳しく聞いてみると頷ける点もあって、また新たなトリビアを仕入れられました。
その2◇どんぐりクッキー売り
かなり真面目そうな売り子が、テントの下で一人寂しそうに立っていました。どう考えても、出店の中でも指折りの地味さです。"どんぐりクッキー"、どういう発想でこんなブースを出すことにしたのか不明ですが、とにかく"甘酒売り"の方で、暇そうな学生と雑談するのが趣味になった私は、次なるターゲットを彼にしたのです(ちなみにこの時点ではシラフです)。彼に軽く話しかけてみても、見かけと違わずに真面目な受け応えで、ここではオヤジギャグは使えないな、と思いました。京都丹波の山奥などで拾い集めたどんぐりのうち、美味しく食べられる種類だけを選別して、手間暇かけてクッキーを作ったとの事で、いわゆる”どんぐり”についてのトリビアが聞けて、地味に興味深かったです。哺乳類は木の実をなんでも食べるが、鳥、特にカラスは美味しいやつしか食べないので、雑木林などで採取していると、カラスと競合した、などといった話を、意外に流暢な感じで話してくれました。しばらく雑談をして最後に、来週末のオフ会で配ろうかと思い、どんぐりクッキーを5個買いました。
第3章 人はたくさんいた本部構内
さらには本部構内の方にも行きましたが、確かに規模が全く違って人が多く活気は段違いだったのですが、だからこそ暇なオヤジの相手になってくれそうな学生は見当たりませんでした。出店もどこかで見たような内容の、一般受けしそうなものばかりで、リスク回避しているように思いました。いや、それがどうのというわけでなく、ひねたオヤジには興味が湧かなかったというだけです。
途中、キャンパス内に紅葉がきれいな場所があったので、いわゆる"紅葉狩り"をそこで軽く済ませ、次なる目的地、つまりこの店を目指すことにしました。
第4章 京都のバスとGoogleMap
今度こそバスに乗るぞ、と堅く決意したのですが、やっぱりバス停があちこちにあって、どこから乗れば目的地まで行けるのか、そのことを解決するためにそれなりのロスタイムが必要でした。
結論 : GoogleMapだけでは、京都のバスには乗れない
電車移動やローカルバスならいざ知らず、複雑な京都市内のバスには、GoogleMapでは歯が立たないのです。何しろ地図上で示されるバス停の場所がアバウトすぎて意味がないのです。「交差点のど真ん中にはバス停はありませんから。」そのことを大きな声で言いたい気分でした。
第5章 貸切状態のカレーハウス
なんとか移動でき、店の扉を開けました。時刻は14:00を過ぎています。15:00からの中休みに入るまでに約1時間あります。バスに乗るのにロスタイムがなければ、もう少しゆっくり出来たとは思いますが、ランチタイムで1時間弱あれば十分でしょう。先客は1名、後客1名でしたが、先客がすぐに帰った後、後客が私より早く食べて出て行ったので、シャッターを降ろすまでの30分ほどは、私の貸切状態となりました。なので、店のスタッフともそれなりに会話できて良かったです。
「まず、ビールとアテが欲しいんだけど、このビールもタイのやつ?」
『はい、シンハービールは昔からの定番ですが、チャーンビールの方は、最近タイで人気が出ているビールなんですよ』
キュートな女性スタッフは、私の問いかけに適切に回答してくれます。いい感じです。
「じゃあ、そのチャーンビールとトートマンプラーをください」
■チャーンビール (タイのビール、小瓶)
■トートマンプラー (タイ風お魚のさつま揚げ)
トートマンプラーはピリ辛とのことで、今回は辛めのコースにしようと決めていたので、それを最初のアテに選びました。スピードメニューっぽいし(メニューには時間がかかる料理には、その旨が明記されていた)、実際にビールの後にすぐに配膳されてきました。
「これって面白いね」
ビールは、いわゆるボトルホルダーに入れられて目の前に置かれます。あまりこういう形で瓶ビールが配膳されたことがなかったので、つい反応したのです。
『それは、いかにも純正グッズのように見えますが、実は現地で売られている(非公認の)お土産品なんですよ』
「へぇ、面白いねぇ。これって…(長くなるので以下略)」
などなど、いちいち雑談を持ちかけるオヤジでした。異国の情報はなかなか生では得られないので、先日の沖縄料理の店(現時点で未アップ)でのオカーサンの話もそうですが、聞いていて好奇心が最大限に満たされるのです。そして、それがオヤジのトリビア情報、いわゆるウンチクとなって記憶されるのです。いつか使えるかも、というネタとして蓄積されて行くのです。
第6章 デファクトスタンダード
「トイレはどこ?」
『奥にあります』
ということで、象の飾りが並んでいたトイレに行って用を足すと、それをネタにしてまた雑談です。「この前行ったインドカレーのっ店でもたくさん象が飾ってあったけど……(以下略)」何でもネタにして、スタッフに話しかけるオヤジですが、もちろん他の客に対応している時や作業で忙しい時には配慮します。でも、アルコールが入ってくると、多少フライング気味になるのも確かです。
「そろそろカオソーイ、行きますわ」
『レッドかグリーン、麺の量などはいかがしますか?』
「今日は辛いのが食べたいんだけど、それぞれどのくらい辛いの?」
『個人差があるので難しいですが、例えばレッドスープの方で、ココイチの2辛ほどです。他店を引き合いにして申し訳無いのですが』
「いえいえ、なかなかナイスな表現ですよ。カレー屋さんの中には、ココイチで食べたことがないのか、表現できないって言うところもあって、結局辛さを説明できない場合も多いんですよ。ココイチを例にとってくれるのが、一番分かりやすいと思います。」
『そうなんですか、安心しました。追加料金で激辛にもできますが、ご自身で辛さを調整する場合は、前に置いてあるタイのラー油を入れて頂ければいいと思います。ニンニクなども入っていますので、単に辛くなるだけでなく、風味も増すと思います』
本気モードのスタッフの説明は的確で、この辺りがバイト君とは違うところです。結局、追加オーダーは下記のようになりました。
■カオソーイ レッドスープ ポーク
■煮玉子(タイの調味料で味付け)
■パクチーのサラダ
■シンハービール
『今回のオーダーですと、ランチセットの方が、ライスも付いてお得になりますが、どうしましょうか?』
「小ライスですか?」
『はい。食べた後のカレースープに入れると美味しいですよ』
「じゃあお願いします」
〜エピローグ〜
と言うようなお得な提案もしてくれて、さらに印象が良くなりました。結局、昼のラストオーダーまで店にいて、アーダコーダスタッフと話しながら、出てきた料理やビールを、全て美味しく頂きました。スタッフの辛さの説明もほぼほぼ当たっていたし、普段ココイチで3辛を食べている私は、カオソーイへ卓上に置いてあるタイのラー油を適量投入し、自分の好みに調整して食べました。最後に、小ライスをカレーライスに"変身"させ、それも胃の中に美味しく収めました。
最高のスパイス、それは、その料理を提供してくれる"心"だと思いました。
ごちそうさまでした。
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