サモア旅行記
さて、アピア空港に到着!!
飛行機を降りた瞬間、熱気が押し寄せて汗が吹き出し始めました。
ベンチに男性が2人座って、ウクレレ片手に南国風の音楽を演奏していました。
手続きを終え、ホテルを予約した際に情報をもらって予約しておいた送迎サービスの方が、私の名前が書かれたプラカードを持って待っていました。
車内で他のお客さんを待ちます。
空港から30分ほど走ると、彼らのホテルに到着。
そこまでの道のりはとてもユニークで、興味深いものばかりでした。
柱と屋根だけで壁の無い建物。
家長が「何日何時にそこで集まろう」と一族に号令をかけ、その時間は問題について話し合ったり、一緒に時間を過ごすのだ
道端には、タイヤを再利用して作ったプランターがずらっと並んでいます。
フィジーよりもぱっと見、きれいだと感じました。
ホテルに到着し、チェックイン。
私はサモアの伝統的な様式の「ファレ」と呼ばれる部屋を4泊予約していました。
しかし、チェックインして実際に部屋を見てみると、、うーん、無理かも。
ホテルの敷地内、プールの横に4つ並んだファレ。
1番プール側のファレが、私の滞在する場所でした。
植物を編んで重ねた壁はかなり隙間があり、屋根はトタンで鳥が歩く度にかなり響き、それが怖かったです。
とりあえず荷物をほどき、「4日だけだ、大丈夫、大丈夫」と言い聞かせたのですが、「やっぱり無理かも」と思い、再びフロントへ。
「虫や小動物が入ってきそうで怖いです。他の部屋は空いてませんか?」
室内の部屋は1番高価な部屋以外、全て満室。
値段を聞き、さすがにそれは出せないな、と思いました。
当日なので、キャンセル料も100%かかります。
途方に暮れる私を見て、フロントの女性が優しく言ってくれました。
「とりあえず今日一晩だけ、やってみたら?フロントは24時間営業だしね」
「そうですね、とりあえず今日やってみて、無理だったら、明日から高価な部屋に変えてもいいですか?」
「ええ、明日の朝早めに言ってね。ファレには動物は入ってこないし、毒のある虫もいないから大丈夫よ。寝るときはしっかり蚊帳をマットレスに差し込んでね」
「わかりました、やってみます!大きな虫が来たら、すぐにフロントに来ますからね!お願いしますね!!!」
「オーケーよ」
もう既に夕方だったので、とりあえず最寄りのスーパーで水と軽めの食料をゲットし、帰宅。
シャワーを浴びて、夜ご飯を食べようと思ったのですが、湿気と強烈な太陽にやられてしまい、食欲がありませんでした。
フロント前の共用スペースで日記を書いたり、スマホで明日の予定を立てたりしました。
フロントの女性が話しかけてくれ、おすすめの観光スポットなどを教えてくれました。
そろそろ寝る時間になり、ドキドキしながらファレに戻りました。
虫除けスプレーを部屋と自分に吹きつけ、しっかり蚊帳をセットしてベッドに入りました。
その瞬間、心が浮き立ちました。
蚊帳からの景色が、驚くほど美しかったのです。
庭の街灯の光が、ファレの隙間から複雑な模様を描きながら蚊帳を照らしていました。
ゆらゆら揺れて、とても幻想的で、心が震えました。
また、蚊帳の中にいると虫から守られている感があり、心から安心できる空間でした。
「蚊帳って素敵!!」
初めての蚊帳に感激。
将来家を持ったら、室内でも蚊帳をつけて寝よう、と心に決めました。
その後、しばらく木々のガサガサ言う音や、鳥がトタン屋根を歩く音などでドキドキしていましたが、何とか寝ることに成功。
翌朝になり、「ああ、寝れてよかった」と心から思いました笑
このままあと3日いけそうだな、ということで、そのままファレにステイすることを選びました。
朝食つきだったので、プールの前の朝食スペースへ。
何組か朝ご飯を食べているところでした。
初日はシステムが分からなかったので、とりあえずキッチンに出向いてスタッフさんたちに挨拶。
コーヒーかティーか聞かれたので、紅茶を選択し、席につきました。
紅茶が運ばれてくると、すぐに盛りだくさんの朝食プレートも到着。
まだ若干夏バテっぽく、食欲があまり無かったため少し残してしまいました。
特にココナッツミルクで煮たおかゆが独特な味がして、一口だけで止めてしまいました。
あとココナッツ自体も囓ってみたのですが、苦手な味でした。
でもフルーツが食べれるのは本当に有難かったです!
まずは町の中心部へ向かって、20分程歩きます。
最初に向かったのは、大聖堂。
青いカラー使いとデザインがとてもキレイな大きい建物でした。
残念ながら中には入れませんでした。
次はサモアのショーや文化を紹介してくれる、サモアンカルチャービレッジへ向かいました。
行くと既に歓迎の歌が始まっており、ギリギリ滑り込めました。
オーストラリアからのツアー団体らしい、老齢のお客さんが大半を占めており、それに混じってカップルが数組、1人参加がほんの少しだけで、アジア系は私のみでした。
受付と同時にココナッツの葉を渡され、それでお皿を作りました。
先に来た皆さんはほぼ完成しており、何人か苦戦している様子でした。
遅れて来たのでやり方が全く分からず、ちょうど近くにスタッフの女性が来たので、お喋りしながら教えてもらいました。
歓迎のゆったりした歌の演奏が終わると、カヴァの儀式になり、ランダムに選ばれたお客さんが次々と手渡されたカヴァを飲んでいきました。
次に場所を移動し、伝統的な蒸し料理「ウム」の実際の作り方を見せてもらいながら、解説を聞きました。
窪みに葉っぱや木、焼き石、ココナッツ、タロイモ、バナナなどを入れ、最後にバナナの葉でカバーし、蒸します。
ニュージーランド、マオリの「ハンギ」とほぼ同じ、名前や具材が少し違うだけで、やはり同じ先祖だなあと実感。
ウムの出来上がりを待つ間、古くから使われている植物オイルの解説や、手作業で衣服にペイントするやり方、タトゥー入れの現場などを見学。
特にタトゥーは昔ながらの、ノミを軽く叩いて溝を作り色をつける方法で、見ているこちらも痛くなってくるようでした。
このやり方も、ニュージーランドのマオリ族が昔やっていた方法と全く同じです。
ハンギの途中から参加した、フィンランド出身、1人で旅行中の女性と話し、仲良くなりました。
ウムが出来たので、最初の場所に戻り、1人ずつ始めに作った葉っぱのプレートで出来たてのウムをいただきました。
バナナは普段のバナナの味ではなく、甘みが薄く変な感じでしたが、とても美味しかったです。
ココナッツも、生やココナッツミルクは苦手でしたが、ウムにすると美味しく食べれてびっくりしました!
他にもツナやほうれん草のちょっとしたおかずもついており、ユニークなご飯を食べれて貴重な体験でした!
ラストはやはり、パフォーマンスでしめます。
男性だけ、女性だけのダンス。
全員でのダンス。
ゆったりした曲調のものから、太鼓の拍子が入る軽快で力強いものまで、音楽はマオリとけっこう違いがあり、とても興味深く楽しみました!
皆さん終始温かい笑顔を浮かべてパフォーマンスしていて、南国特有のリズム感などもよかったです。
マオリは顔にタトゥーを入れますが、サモアの方は胴体のタトゥーが印象的でした。
パフォーマンスが終了し、フィンランドの彼女と町をぶらぶらすることにしました。
お土産屋さんや、服屋さん、スーパーなどを覗きました。
彼女はおばあちゃん宛てに書くポストカードを探していたのですが、どこにも売っておらず。
私は服屋さんで腰に巻く用の布をゲット!
フィジーにいる時から欲しいと思っていたのですが、ピンと来るものに出会えず、ようやく良い物を買えました!
ワンピースも迷ったのですが、とりあえず今はやめておきました。
彼女はフットサルの時に着る用の、スポーツウェアを同じお店でゲットしました。
海沿いを歩いたり、スーパーで買った炭酸ジュースで一休みしたりしました。
ジュースは「サモア製品」と書かれているのでこれにしたのですが、飲んでいる時に「ニュージーランドから輸入」という表記を発見し、2人で「えっ、どうゆうこと?!」と笑いました。
彼女は何と、私の最寄りのスーパー近くに滞在中でした!
ということで、その近くのピザ屋さんで夜ご飯も一緒に食べることにしました。
ピザ1枚を一緒にシェアして、お互いの話をしました。
彼女は彼氏さんと同棲しているのですが、彼氏さんは飛行機が嫌いなため、1人で旅行中でした。
無理して合わせない、とても素敵だと思いました。
いろんな話をして、記念にツーショットを撮ってお別れしました。
一緒に過ごしてくれたこと、感謝です。
翌日、島を巡るツアーを予約してあります。
国際運転免許証の期限が切れていたので、レンタカーなしでサモアの観光地を回るのは難しく、またタクシーは高額です。
どうしても「オーシャントレンチ」という場所に行きたかったので、それが含まれている少人数ツアーを選択しました。
私の他に、オーストラリアからのご年配夫婦が1組みでした。
女性ガイドさんが運転しながら解説してくれ、いろんなスポットを巡ることができました。
まずは学校の近くにある、洞窟で天然の湧き水の中を泳げるスポットへ。
端から見てもとにかくきれいで透き通っていて、大きな魚が見えました。
さっそく水着になって入水、冷たくてびっくりしましたがすぐに慣れ、気持ち良く泳ぎました。
参加者の旦那さんが途中でシュノーケルマスクを貸してくれました。
有難く使わせてもらうと、本当に透明で、そしてめちゃくちゃ魚がいて驚きました。
ほとんどが黒っぽい魚たちでしたが、とにかく数も多いし大きい魚が多くて、見ていて楽しかったです。
続いて今度は滝を見に行きました。
周りが緑で、ただただ美しく、見入ってしまいました。
次は私が1番行きたかった、オーシャントレンチへ!
着いた瞬間、あまりの美しさに感激しました!
すぐ奥がビーチになっていて、海水が洞窟に流れ込んでいる状態らしいです。
小雨が降っていたのですが、急なハシゴを一歩一歩降りて、中で泳ぎました。
潮の満ち引きがあるにで、安全のためにロープが十字に張られていました。
泳ぎ疲れたらロープに腰掛けて休めて便利でした。
ただただきれいな水の中を泳げて最高でした!
次はビーチサイドのレストランでランチをいただきました。
みんなフィッシュアンドチップスをチョイス。
青魚が捕れないそうで、黄色い魚だとガイドの方が教えてくれました。
確かに、ニュージーランドで食べたフィッシュアンドチップスとは違う味がして、これまた美味しかったです!
目の前のキレイな海を眺めながらいただくランチは、最高でした!
その後、ビーチに繰り出して泳ぎました。
浅瀬をただぷかぷかしていただけですが、とても楽しくリラックスしました。
サモアの海の色は、当たり前かもですが、フィジーともニュージーランドとも違い、独特な色に感じました。
本当にとってもキレイでした!!
最後の水泳ポイント、自然の湧き水の滝です。
ここでは入った途端、滝の水流が強くて流されました笑
なので限られた場所でゆっくり泳いでいました。
しばらくすると子供たちが現れ、横の崖から飛び降り始めました!
怖がって降りれない子を皆で激励していて、最後には低めの所から飛び込んでいました。
ラストはサモアで1番長い滝を見に行きました。
100メートル近くあるそうです。
遠くからでしたが、周りの緑も素晴らしい、美しい滝でした。
1日ツアーでサモアを満喫できました!
10月半ばにサミットがあり、イギリスのキングが来訪するということで、どの村が1番きれいかコンテストがあるそうです。
1番になると賞金が出るから、どこもきれいに見せるために頑張っているのだとか。
世界中の国旗を立てている村、タイヤのプランターがカラフルな村、壁をペンキで塗り直したての村。
それぞれ特色があり、見ていて楽しかったです。
翌日、実質的に最後の日です!
美味しいオムレツの朝食をいただき、初日に布を買ったお店へまた向かいました。
ワンピースがまだ気になっていたので、試着をしてみようと思ったのです。
また、色んなバリエーションのアロハシャツが売られていたので、アロハ好きの両親へのお土産として購入しようと思いました。
ニュージーランドでこれぞというお土産に出会えなかったので、少し奮発したお土産でもいいかなあと思ったのです。
試着してみるとやはり気に入り、ワンピース購入を決意!
次は両親へのアロハシャツ選び。
柄が何十種類もあり、店員さんにサイズがあるか確認してもらったり、吟味して選びました。
父親へは水色で海っぽいもの、母親へは自分用のワンピースと同じ柄の、緑色にしました。
海外のサイズ感は大きいので、2人の大きさをイメージしながらサイズを決定しました。
結果、2人ともサイズもぴったりでしたし、柄もよく似合っていて、とてもいいお土産選びが出来ました!
良い買い物が出来て、大満足!
近くのカフェでランチ休憩。
徒歩で30分ほどの、ビーチへ向かいました。
シュノーケリングセットがレンタル出来る場所で、マスクをレンタルしてビーチへ。
1人&波が大きめ、救命胴衣なしだったので、足が届く範囲までにしました。
フィジーに比べるとサンゴの美しさは劣りますが、それでも大きめ特徴ある魚やカラフルなシマダイなどを見れて、充分楽しめました。
たまに上がってベンチで休憩を挟みつつ、3,4回泳ぎました。
すっかりシュノーケリングにハマってしまいました!
ゆっくり歩いてホテルに戻りました。
実はこの最終夜が、最難関の夜となりました笑
まず夕方帰った時、大きく鋭い目をした野犬が、私のファレの目の前にいて、じっとこちらを見ていたのです。
しばらくプールの周りをうろついて、塀の穴から外へ出て行きましたが、目が合った時は流石にぞっとしました。
かわいい小さな猫ちゃんも迷い込んでしまったようで、敷地内を散歩していました。
夜ベッドに入ってしばらくすると、外で子猫の鳴き声が。
鳥に狙われているのか、戦う音、鳴き声が聞こえます。
体感にして20分くらい争いは続きました。
静かになったと思ったら、なんとまた猫の鳴き声がして、ハンターも攻撃したようで、猫の抵抗する鳴き声が聞こえました。
そして何と、私の屋根に何かが突撃し、大きな音が(恐らく鳥が屋根に着地、そこから猫がベランダ部分に落下)!
一応スマホのライトをつけて室内を確認しましたが、中には何も異常はありませんでした。
しばらくして隣のファレの方で争う物音が続き、ようやく静寂が訪れました。
猫がやられてしまったのか、逃げ切れたのか分かりませんが、争い中、特にファレに衝突した時は心臓バクバクで、本気で怖かったです!
最後がこんな恐怖の夜になるとは思いませんでした笑
とりあえず呼吸を整え、何とか意識を落とし、朝まで眠ることに成功しました。
朝ご飯を食べ、空港に向かいます。
行きと同じ送迎サービスを、往復で予約していました。
ブリスベンに出発です!!
サモアでは、大体フィジーと似たゆっくりした雰囲気でしたが、やはり違いがありました。
フィジーでは観光客でもフィジー語で挨拶されましたが、サモアでは「Hi!」または、私が日本人だと瞬時に見抜き、「こんにちは」と言ってくれた男の子がいました。
どちらの国も、歩いてすれ違うときに挨拶してくれて、本当に嬉しかった!
フィジーではとにかくやたらめったら話しかけられましたが、サモアでは話しかけられたのは数回のみでした。
サモアよりフィジーの方がザ・観光地なので、フィジーの皆さんは観光客慣れしているのかもしれません。
また、フィジーではニコニコ笑っている方が多い印象でしたが、サモアではあまり笑わない方が多いように感じました。
私なりの考えは、サモアの方が湿気ていて暑く、太陽もより刺すように強いので、笑う気力が削がれるんだと思います。
でもなぜか、肌の色はフィジーの方がより黒かったです。
フィジーにはインド系の移民の方も多いからでしょうか。
サモアでは危険な虫はいないとされていますが、とにかく野犬に気をつけろと言われました。
まあ気をつけようもないのでは?と思うのですが笑
ツアー中や、1人で町へ向けて歩いている時など、たくさんの怖そうな野犬たちを見かけました。
1人で歩くのが少し怖かったです。
でもきれいな海、透明な湧き水、滝、緑など、手つかずの自然がそのまま残されており、自然好きにはたまらない国でした!
最初は怖かったファレも、蚊帳の良さに気付けたり、4泊何とか夜を越せたり、またさらに私を強くしてくれました。
伝統的な家に実際に宿泊でき、貴重な体験だったと思います。
植物から作られた高床式のファレ、中に入ると不思議と涼しく、快適でした。
外は本当に暑かったので、朝食の後いつも1回ファレに戻り、ゴロゴロしてから出掛けていました。
その時にふと、「フィジーの伝統的な家で見た、寝っ転がっていた大人たちに、私今なってる!」と感じ、なぜかとても嬉しかったです。
サモアの方の英語も少し独特でしたが、すぐに慣れました。
やっぱり英語はかなり強みになる、海外旅行するなら話せた方が絶対楽しい、と再確認しました。
このタイミングでサモアに来れて、心の底から満足しています。
サモアに感謝!!