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ニュージーランド最終日

パイヒアからバスに乗り、オークランドに15時頃到着。
真っ先にキウイバンク支店に向かいました。
そこで明日出国すること、詐欺の調査結果をずっと待っていることを伝えました。
スタッフの方が、詐欺チームに連絡を取ってくれることに。
しばらく待っていると、男性の支店長らしき風格の方が私を呼びに来ました。
半分個室になっているところで、パソコンの画面を見せてくれました。
「えっ!!返金してくれたってことですか?」
残高が一気に増えていたのです、詐欺で獲られた金額分。
「詐欺チームのボスに、君が明日出国だと話したんだ。本当なら色んな手続きが挟まるんだけど、もう直ですぐさま返金することにしてくれたよ」
「ありがとうございます!!!」
「嬉しい?」
「本当に嬉しいです!!ありがとうございます!!」
何度もお礼を言い、退店後ようやく実感が沸き、うっかり泣きそうになりました。
これで心置きなくニュージーランドから飛び立てる!!
かなりの額だったのと、これから3ヵ国回って帰国するので、返金されて本当に有難かったです。

ブリトマート駅へ向かい、ピアノを弾きました。
ここでたくさん弾いたな~、これが最後か、と感慨深い気持ちでした。
弾き終わると、女性がベーグルの引換券を渡しに来てくれました。
「あなたの演奏、すごく素敵だったわ!」
「ありがとうございます!!」

語学学校に通っていた頃、線路の工事中で電車に乗れなかったのですが、もう工事が完了していたので電車を使ってみることに。
無事に最寄り駅まで到着、今度はバスに乗り換えてホストマザーの自宅へ向かいます。
何とお宅に泊めてくれて、翌朝も空港まで送ると申し出てくれました、何て優しさ!!!
滞在中も本当に優しくて、めちゃくちゃ気にかけてくれましたが、まさか最後の最後まで!!!
断ろうか迷いましたが、会えるのも当面これで最後なので、ご厚意に甘えさせてもらうことにしました。

今度は以前のバスステーションが工事中で、臨時のバス停まで少し歩き待っていましたが、待てど暮らせどバスが来ず。
ホストマザーが「電車の遅延情報を見たわ、もしかしてまだ電車待ってる?」とメッセージをくれました。
「電車は大丈夫で、バスを待ってるところです!」
「迎えいこうか?」
グーグルで調べたところ、次のバスがもうすぐ出発予定でした。
「もうすぐ来るっぽいので大丈夫です!」
何て優しいんだ!!
ホストマザーの優しさがいちいち身に染みます。

男性が私の横で待っていた男性に、「747番のバスを待ってますか?」と尋ねました。
「私、待ってますよ!」
「僕は違うバスを待ってるんだけど、バスのアプリで見てみるね。もうすぐ来るみたいだよ」
「僕の彼女が、バス停は図書館の方だって言ってるな」
彼はそのまま電話しながら歩き出し、アプリで調べてくれた男性が「バスがぐるっと回ってるから、彼の言うとおり図書館の方かも」
「ありがとうございます!行ってみます」
彼を慌てて追いかけると、私の方をちらちら見て、着いてきてるか確認してくれていました。
図書館の前に着くと彼女さんが立っており、ちょうどバスも到着!
奇跡のようでした。
彼らの方が早く降り、私を振り返って手を振ってくれました。
私も手を振り替えし、心がほっこりするのを感じながら、すぐに私のバス停に到着。

いよいよホストマザーと10ヶ月ぶりの再会です!!
ドキドキしながらドアをノックし開けると、記憶のままのホストマザーが現れました。
私の口から再会の嬉しさで、珍しく高い声が出ました。
「わー!!」
「わー、久しぶりね!また会えて嬉しいわ」
暖かいハグをしてくれました。
「今日どこから来たの?あら、パイヒアにいたのね!そして未だにスーツケース1個で旅してるのね」
「実はウェリントンで買ったんですけど、1つ日本にもう送ったんです」
全てを今ここで話したかったですが、とりあえず荷物を2階の部屋に置きに行きました。
部屋はハンガーなどが新調されており、元々すごく居心地のよかった部屋が、さらにパワーアップしていました。
2ヶ月過ごした懐かしの部屋にまた来れて、嬉しかったし、自分の家のようにほっとしました。

今晩必要なものだけパパッと取り出し、すぐに下へ降りました。
ホストマザーは料理しながらワインを注いでくれ、蒸し焼きするだけになったので2人でテーブルに座った瞬間、10ヶ月間の全てを話し始めました。
メッセージのやりとりは節目で数回あったのですが、詳しいところまでなかなか書けないので、もう話すことがあり過ぎました!
話ながら料理が出来上がり、今度は食べながら話しました。
チキンと野菜のソテー、サラダと、野菜不足だったので超嬉しい最高のディナーでした!!

ウェリントンで仕事ゲットまで苦労した期間、最初の仕事ゲット、フランツジョセフへの旅立ち。
フランツジョセフでレストランで働いたのがすごく楽しかったし、英語の会話の良い特訓になったこと。
南島を3週間かけてぐるっと旅行しつつ仕事ゲットし、テカポで働き、イギリス出身のルームメートと友達になれたこと。
ラスト2週間ちょいで北島を旅行し、1年かけて本当にニュージーランドを大満喫したこと。
これからフィジー、サモア、ブリスベンを周り、帰国すること。
来年、またワーホリに挑戦したいこと。

ホストマザーも、私の後にもう3人受け入れ終わっていて、その子たちの話や、数日後に受け入れる子の話。
ドイツ旅行の話、ご家族やご近所さんの話。
教会の集まりで、得意なお菓子を振る舞った話。
聞いた感じ、全く変わらず忙しい毎日を送っていました!
「私はやっぱりここで、こうやっているのが好きだし、それが出来ていることに本当に感謝しているわ!」
相変わらずパワフルで、暖かくて、優しくて、大好きなホストマザーでした。

食べながら話している序盤で、ホストマザーが笑いながら「あなた、とても早く話せるようになったわね」と言ってくれ、本当に嬉しかったです!

「本当は、今週土曜まで受け入れて、翌日の日曜に新しい子が来る予定だったの。でも直近の子がオークランドで住み込みのハウスキーパーの仕事を見つけて、月曜から来て欲しいと言われたから、早めに退去したのよ。私は数日間、フリーになったの!それで今日、あなたを泊めてあげられるってわけ!」
このように間隔無しで生徒さんが手配されるのがほぼ毎回らしいので、私は本当にラッキーだなあ、何て幸せ者なんだ、奇跡だ!!
とにかく感謝しかありませんでした。

夜ご飯の後、娘さんのお家に植木を届けに行くというので、ついて行くことに。
その道中車内で、詐欺に遭ってようやく今日返金されたことを話しました。
心底驚き、心配した顔をしながら聞いてくれました。
「えっ、今日?!やったわね!」
喜びのハイタッチをしました。

娘さんとそのパートナーさんも、犬ちゃんたちも私を覚えていてくれました。
ホストマザーと娘さんが会うのが久しぶりだったようで、しばらく彼女たちが会話しているのを聞いていました。
そのうち娘さんが私にも話を聞いてくれました。
別れ際、娘さんが言ってくれました。
「あなたの英語、本当に良いよ!!それに私は、あなたが言葉以上に物事を分かってるのを知ってるからね」
ホストマザーの娘さんも本当に優しくて、ユーモアたっぷりな素敵な方です。
2人と2匹とお別れし、帰宅。

シャワーを浴びてから、ボードゲームを2人でしました。
温かい紅茶を淹れてくれました。
数回遊んだことのある数字遊びのゲームで、頭の体操になります。
三角形のピースに3つ数字が書かれており、それぞれ同じ数字のピースの横にくっつけて並べていき、持ちピースが早く無くなった人の勝ちです。
以前はボロ負けでしたが、この日はコツを掴んだのか調子よく、3戦し3勝!
すっかり夜遅くなってしまったので、終了、就寝。

ニュージーランド最終の夜は、何とも奇跡的な、そして、ホストマザーのおかげで最高の日になりました!!


翌日、空港へホストマザーに車で送迎してもらいます。
「私は家に泊めたり、空港までの送り迎えが好きよ!そして私が旅行した時には、相手が同じ事をしてくれるのよ」

ホストマザーに教えてもらった木を見る度、ホストマザーを思い出していたことを伝えると、嬉しそうにしてくれました。

この木

空港に着く間際、空に虹がかかりました!
「あら、幸運の印よ!本当にラッキーね!ほら、ここならいい写真が撮れそうよ」
本当にラッキーすぎる、というか、贅沢すぎる。
濃いきれいな虹でした。

空港に到着し、前日に書いた手紙を渡しました。
「あら、ありがとう!今ここで読んでほしい?後で?」
「後で読んでください!これが唯一出来ることでした」

ウェリントンに飛び立つ時は車内で終始号泣してしまい、ロクに話せませんでしたが、今回は泣かずにずっと話せて、成長を感じました。
最後にまたハグをしてくれ、お別れしました。
ホストマザーとのお別れは、もちろん寂しさもありましたが、この先の将来への希望が大きく感じられる、明るい晴れ晴れとした別れでした。
それはきっと、ホストマザーから受けた無償の優しさのおかげでしょう。
その受けた分だけ、もっと自分も大きくなりたい、もっと人にも優しくなりたい、そういった形でホストマザーに恩返しがしたい。

この先にワクワクが待ってる!

無条件にそう信じられる、最高の旅立ち。
この1年間は、間違いなく私の宝物です。



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