一人の世界の集合体の世界
一人相撲
そう見えている
そう見えてしまうと
可哀想に思ってしまう
申し訳ないけれど……
きっと誰も伝えてはくれないだろう
いや、きっと、
今までにも幾度も
伝えてきてくれた人はいただろう
だけど、きっと、
いつも同じように、
一人相撲をとっていたのだろう
一人相撲でいるから
どれも受け取れない
一人相撲の世界だけを全てとして
見え方も考え方も一人相撲
何を伝えても 受け取ることもせず
一人相撲の世界は、
一人相撲の言葉で書き換えられ
一人相撲の取組で捻じ曲がっていく
外からのフィードバックを
そのままに受け取れず
違う空間へ移動する際に
歪み変形する
外からのものを受け付けない
受け取れない、受け取らない
伝わらない
受け取れないから いつも変わらない世界
受け取らないから いつも変わらない世界
世界が変わらないのではなく
自分が変わっていかない
自分が変わってないから いつも変わらない世界
一人相撲が全てで
一人相撲をとっている限り
これまでもそうやって生きてきた
それを全てにしないと
やってこれない世界があったのだろう
それでバランスをとっているのだから
仕方がないと言えば仕方がない
そうやって生きてきたから
受け取ることも、変わることも
苦しくて、難しくて
とても大変なことで
自分の認めたくないものを
受け入れられない、認められない
傷ついた感情は
自分の否を認められない
感情だけの思考となって 抵抗し続ける
その痛みも知っている
受け取ろうとしても
一人相撲が起こる
受け取ろうにも、上手く受け取れない
見える世界も歪んだまま 悪循環
悪循環となっても
染みついたクセは手放せない
そうして自分を保たせてきたから
それにしがみついていなければ
奈落の底に落とされるような
生きた心地のしない怖さを感じ
安心感の持てない感覚
周りは意外と冷静に見ている
渦中で感情に巻かれている者は
その自分の姿を外から見ることは難しい
何を伝えても、見えないまま
何を伝えても 否定
自分中心の中
歪がめてしまうから
伝えても 伝わらない
だから、皆、言えなくなる
何も言いたくなくなる
わかってもらえなさは
両者同じに
本人も辛いだろうが
周りも辛い
周りも苦しいことに
気づくはずもない
自分のことだけで精一杯だから
自分のことしか見えていないから
そうあることをそのままに
受け止め、許され、
支えられているにも関わらず
罵倒され傷つけられ痛めつけられ
支える周りの人は疲弊する、衰弱する
やるせなさを感じ
苦しみも悲しみも深くなるから
距離を取るしかなくなっていく
距離を取れば、
また見放されたように感じるものだから
また、感情のままに暴れる
感情の中にいるままで
周りが見えなくなる人の
難しさ……
伝わらない苦しさは互いに
同じに抱えている
献身的であるほどに
無力感に苛まれる
どちらの立場も体験した
どちらの苦しみも味わった
精神をすり減らしてしまうほどに
母との関係がそうだった
複雑なあの辛さや苦しさは
今も薄ら肌に残る
仕事の中にいても
日常生活の中ででも
これまでの間にも
そういうものと出逢ってきた
こういうものと関わってきた
当事者の苦しさも
その周りにいる人たちの苦しさも
この目で見て、この耳で聞いた
いつも悩ましい
距離感が難しく
境界線を守らないと潰される
境界線がわからない相手といるのは
とてもとても大変なこと
介護はいい例
子育ても恋人関係も夫婦関係も
密着度が高くあると共倒れになり
境界線がわからなくなるほど
横暴にわがままに傷つけあって
受け取る力がつけられるといいが
気づきと振り返り、前向きな解釈を
どこまでできるだろうか
自分で自分を縛り付けている鎖は
解くのは本人しかおらず
解けば 許しが身体中にひろがり
自分が自分に受容された感覚に溢れるけれど
少しでもゆるまって
QOLが上がることを目指す
時間をかけて
何か変化が生まれることを願いながら
それは皆、同じ目標
世界はずっとずっと広い
世界の人の数だけ
一人一人の世界があって
皆、自分の考えと同じ人は
誰ひとりとしていない
自分の顔と
同じ顔の人がいないように
皆、一人きり、一人相撲
一人一人の世界を受け取り共存させ
自分の作る世界を
大きくしながら生きている
「集合体」とは、独立した個体が、強固な結合ではなく、群として集まっているもの、を意味する表現である。要するに個体の集まりのことである。
2025年1月9日
・・お読みいただきありがとうございます・・
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