人間は、純で生まれて純に還ってゆくのだと思う。
ふと。思ったのです。
人間って、「純粋」「シンプル」の状態で生まれてきて、
成人に向かうにつれて、徐々に「多様」「複雑」になっていって、
老成して熟成していくにつれて「純粋」「シンプル」に向かってゆく、
そんな、大きなアーチというか、螺旋を描くような形で
魂が変化してゆくのが、
もしかしたら理想なのかもしれない。
って。
理想、というと、それが良い、という
ニュアンスが入ってきてしまうけれど、
そうではなくて、
色々な価値観があって、
色々な生き方があって、
どんな生き方をしても、どんな死に方をしても、
その人の自由なのだと思うのだけど、
原型(アーキタイプ)としての「人間」って、
そういうものなのじゃないかなぁ、って。
もしかしたら、それが「人間」なんじゃないか、って。
1から10を目指すのか。10から1に向かうのか。
現在、毎週末にタロット小アルカナのオンライン連続講座を開催しているのですが、小アルカナって、大アルカナ以上に味わい深くて、
毎日、新しい気づきをもらっています。
そんな、小アルカナの研究の中で、最近とても強く思うことが、
この、タロットカードというものは、
本当に、「人間」を生々しく描いているなぁ、
ということなのですが、
この、小アルカナというカードは、
トランプの数札のように、
数字の1から10までの数札で構成されているんです。
で、もちろん、その一枚一枚に、
意味する雰囲気やエネルギーがあるのですが、
その意味やエネルギーについて、深く考察すればするほど、
個々のカードが示すのは「吉」や「凶」では言い尽くせない、
「生きざま」や「在りよう」だなぁ。
ということを感じて仕方ないです。
タロットカードがとても特徴的なのは、
78枚のカードデッキ全体を通して、
非常にシンプルかつ完成された構成を持っていることなのですが、
私は、いつ、誰が作ったのかも謎なこのカード群は、
その美しい構成を通して、
どんなことを人類に伝えたくて生まれたものなのか、
という、
彼方からの手紙を読み解くような気持ちで、
タロットと向き合っています。
1のカードは素晴らしい。
でも、10のカードも素晴らしい。
かと思えば、5のカードも負けじと素敵で。
1から10への連なりは、進化のようにも見えるし、
劣化のようにも見える。
同じように、10から1への連なりは、
精錬のようにも見えるし、退化のようにも見える。
良いカード、悪いカードがあるのではなく、
そのカードが、人生のどんな場面で、どんな状況で出るのか、
によって、いかようにも発揮されうるエネルギーが、
描かれているんだと思うのだけど、
タロットを、人生の指針やマニュアルとして見たときに、
1から10を目指すのか、10から1を目指すのか、
という疑問がふと浮かんだのです。
純で生まれて融を目指し、そして純に還る
その疑問が生まれるのとほぼ同時に、
「純で生まれて純に還る」
というイメージが降りてきて。
各スートの1のカードは、
産まれたての赤ん坊のように純粋無垢であるようにも、
全てを理解し俯瞰して手放した、悟りの境地のようにも見える。
1から数を追って10に向かうにつれて、
複雑さや多様性を増していっている様は、
若木がすくすくと伸びていっているようにも、
幼子が機微をどんどん身につけていっているようにも、
賢者が内省を深めていっているようにも、見える。
私自身は、まだ、
自分がしっかりと「成人」できたのだろうか、
と、未だに思うこともあるのだけれど、
(成人式2回分は年取ってるけどね(爆))
「人に成る」
ということは、
そんな風に、
自分以外の何も認識しない、純粋体で産まれたものが、
他人を知り、社会を知り、世界を知り、
影響されたり学んだり、
融合したり吸収したりしながら、
自分なりの「ひと」として、「成って行く」
のではないかな、と、
思うのです。
それは、良いとか悪いとかではなく、
そういうもので、
その過程には、良いことも悪いことも、
嬉しいことも苦しいこともあって。
そうやって「ひと」に「成る」を経て、
今度は「魂」や「霊」を目指して行く。
スピリチュアルではない言葉でいうと、
「生き方」や「哲学」を考え、
如何に生き、如何に死ぬか。
というフェーズに入ると、
人は、
身につけてきたものの中で、
不必要なものや、役割が終わったものを、
1つ1つ、物理的にも精神的にも手放して
シンプルになってゆく行程に入るのではないかと思う。
もしかしたら、
それが「老成」という言葉で表現されるような、
尊く美しい生き方なんじゃないか、
なんて、
ふと、思ったのです。
だから、
1から10に向かうことが良いのでも、
10から1に向かうことが良いのでもない。
人間は、全ての道を、全ての方向から、一通り通ってゆく。
それが、人生であり、人間なのではないか。
タロットが描いている人間像は、
そんな姿なのではないか。
と、ふと、思ったのでした。
あなたの人生を1から10の数字に例えると、
今、何番くらいですか?
それではまた明日。
すみぃ でした。
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