Coupe du Japon MTB 2022 一里野 観戦記 その2
一里野はいつも車中泊。一里野温泉スキー場の駐車場でも何台かキャンピングしているのですが、翌朝、Day 2の昼分の食料買い出しなどで麓に降りる行程を考えて、道の駅しらやまさんをベースにする事が多いです。ここまで降りないとコンビニがぬぁいのです(笑)
XCOの朝。菖蒲谷、朽木、八幡浜とここまでの3会場は開場時間が有ります。菖蒲谷は公園までの山道が夜間通行止なので、朝、鍵を持っている小野さんが来ないと麓のゲートが開きませんし、朽木は有料駐車場なのでもぎりスタッフがこないと入れませんし、八幡浜も誘導無しには駐車場までたどり着けないので早朝会場入りはスタッフ待ちになります。
その点、一里野はそこで駐車場泊OKなので、スタッフが居ないような時間に現地入りしても問題ありません。なので、早めに現着して、山の空気いっぱいに吸ってコースを散歩なんて言うのもオツだったりします。(早朝の森の中は蜘蛛の巣いっぱいです。二人以上で行くなら先頭で歩くのはやめましょう(笑))
なので、目覚まし代わりに試走が始まる前のコースを一周カメラを持って歩きます。八幡浜ではこれが出来ず第1レースで大ポカしたので、その反省もありました。一里野は、ゲレンデを正面に見ると横に長いコースで、その横長の両端は選手以外、観客の人がほとんど訪れることの無いエリアになります。写真はスタート方向側のエリア。こちらはほとんど居ないですね(笑)。
わかりにくいですが坂の頂点から見下ろしています。選手は向こうからこっちに登ってきます。更に、真ん中のところから左にシングルがあって、一度消えて1分くらいして戻ってくる構図。以前も此処で撮ったことがありますが、選手とここに来た人しか知らない光景なのと、草の丈が低くて見通しが良いので今回は此処で撮ると決めます、というようなプランを練りながら一周します。(試走時間だけでは一周には時間が足りません)
第1レース Men Challenge / Women Youth / Challenge
第1レースのプランは、八幡浜の反省もあって奇をてらわない、です。なので、今回の目玉である、まるで朽木のような「ガレ」登りに陣取ってそこからスタートを撮ります。全てのレース此処でスタートを撮ると決めていました。Men ChallengeとWomen Youthが2周、Women Challengeが一周なので、 スタートループ後の一周目は坂の上から。そこからフィード付近から移動しつつトラバースを撮り、Wome Challengeの一周目の最後の下りを捕まえる。その後、ゴール側の森に入って二周目。
Men Challenge
1位 黒田拓杜 2位 菊地壮太郎 3位 片岡武
あの、シマノの看板背負って?参加しているシマノドリンキングチーム。MTBであまり見掛けない名前でも、その看板持っているだけで速く見えます。という、偏見を覆さずに黒田が余裕の独走勝利。アドバンスに貯まってエリートがいないので早く更なる上にあがっちゃいましょう。
ループ後の激坂をトップで登り、そのまま行くかと思われたAIBE菊地は失速したものの落ちきらずまとめて昇格切符をゲット。
Women Youth
1位 日吉彩華 2位 石川七海 3位 綱島凛々音
個人的にはエリートと同時走でいいと思うクラス。なぜなら、彩華のペースはエリートのトップと同レベルにいるからです。周回数は違いますが、どちらにとっても刺激になるはずですので。
彩華vs.七海は彩華の2連勝。凛々音はDNS続きでしたがやっと撮れました。
Women Challenge
1位 竹村舞葉 2位 川崎麻美
久々に元気娘?の登場。どの絵を見ても楽しそうに走ってます。次はエリートですかね。
2022 一里野 女子 ←レース写真です
2022 一里野 男子チャレンジ ←レース写真です
第二レース Men Youth / Men Advance
一番熱いクラス、ユース。それと、全日本延期で全日本でエリートを走る昇格シートの数が増えてしまい、ちょっとトーンダウン気味のアドバンス。双方4周なので、プランはユースのトップを捕まえることを優先に考えます。ループは激坂下、一周目激坂上+フィードまわりは変えずに。二周目トラバース。三周目、真ん中の激坂で登りと下り。四周目、森の中。
Men Youth
1位 野嵜然新 2位 松井颯良 3位 垣原弘明
然新おめでとう。いや〜、やっときたね。ほっとしました。
(私の時間の流れでは)ほんの少し前まで、会場で見掛けると必ず明るく挨拶してくる前座レースを賑わせるやんちゃな男の子でした。その彼がいつの間にか成長してユースを走るようになっています。たくましくなった彼にレース前に調子を聞けば、毎回勝ちますと元気に宣言。でも、表彰台にも絡めないレースが続きます。このままだと狼少年になるぞと思っていたら、なんとCXで白赤ジャージをゲットします。これで流れが変わると思いました。
でも、今シーズン初戦菖蒲谷でも失速、気持ちが空回りする姿は昨シーズンと変わらずです。こうなると、期待の言葉をかけるのも本人の負担にならないかという不安がよぎります。まるで、数年前のお○ょうを見ているようでした。それが前戦八幡浜で中盤でトップに出るような走りを見せて力強く3位表彰台をゲット。おっ、流れが変わったか?と思ったら、此処一里野で初勝利。やっと真ん中ゲットです。
一方で常勝の流れを掴んだかと思われたQshu内野友太は6位完敗。菖蒲谷の覇者、音速颯良は最後まで競り合うも然新に気合い負けの2位。然新チームメイトの弘明は今シーズン安定の成績、4位、5位、2位と来て3位。次は……。自分のスピードを上手くまとめられない澤井千洋は4位。赤ヘル音速松山海司はキャラを育てつつ(←これ実は大事)の5位。
ユースが熱い!!
Men Advance
1位 山田誉史輝 2位 澤渡弘茂 3位 山崎雅典
おかえりなさい。ですね。誉史輝というネームバリューを裏切らず?にしっかりエリート昇格を決めました。これでPAXは何人エリートになるのでしょうね(笑)。
昇格枠のもう一つは、朽木で飛び出すもレース巧者に飲み込まれた澤渡がゲットです。一里野昇格を目論んでいた山崎とパックで走っていたものの、山崎のメカトラ脱落によりそのまま2位となりました。
本来なら、これが全日本をエリートで走る最後の1シートだったはずなんですが、6席も追加されてしまいました。なんとなく希少価値が薄れてしまいましたね(笑)。
第三レース Women Elite / Masters / Men Masters
第三レースはWomen EliteとMen Mastersが4周、Women Mastersが2周。朝のコース散歩で決めたスタート側の奥に行くか最後まで迷って、2周ではまともな絵が撮れないと判断し、第二レースと同じプランにします。
Women Elite
1位 矢吹優夏 2位 橋口陽子 3位 川崎路子
うらら、あか里のライバル不在のレースは今シーズン二度目。トラブル無しで勝つミッションを淡々とこなして優夏が優勝。ただ、同じ踏み踏み系のコースの朽木に比べて、おじさん狩りがあまり進まなかったよう(今シーズンはマスターズの小林義典とだいたい同じペースになるのですが、4%、周30秒程度遅い)。不完全燃焼っぽいですね。
陽子、路子は事前予測通りに2位3位。陽子はこのレースで最後と言っていたチャンピオンジャージ着用レースが四レース増えて、延期喜んだ組でしょうか(笑)。
Women Masters
1位 近藤民子 2位 小林真清 3位 綾野桂子
朽木では一旦は前に出るも真清に追いつかれて苦杯をなめた民子が、今回は後半差を詰められるも逃げ切りました。前戦八幡浜もですが、メンツは変わるものの毎レース熱い戦いが繰り広げられています。
Men Masters
総合 1位 岡本紘幸 2位 多賀良成 3位 酒居良和
30 1位岡本紘幸
本来ならワールドマスターズに向けて心と身体を作っていく段階のはずなのに、未だ日程決まらず。岡本のモチベーションはいずこへ。だってペースはエリート余裕で完走、10位前後なのです。
40 1位 小林義典 2位 荒川大介 3位 海口秀幸
トップ10を50代が8人占拠する形になる中、40代で一人気を吐くのが小林。彼が2011年以前にエリートで走っていた過去を以前の記事で書きましたが、その私のMacのエクセルに入っている情報はどうやったらみなさんと共有できるのでしょうね。SEさんいらしたらご助言ください(笑)
50 1位 多賀良成 2位 酒居良和 3位 大橋尚哉
有持真人という好敵手を60代に見送り、二年間は安泰かと思われていた酒居の牙城が多賀によって崩されました。ってこの写真見ると多賀の筋肉半端ないっすね。
前にも書きましたが総合トップ10のうち8人が50代。恐るべし50代ですね。こんな現状を見て、いや、俺もまだやれるんじゃねぇかってリターンする50代ライダーいるのではなかろうか。
60 1位 有持真人 2位 橋本寛二
60代はひたひたと差を縮めつつある増田謙一がパスで、有持が安定の優勝。総合では11位。昨年までの年代別だと7位になるので、ちょっと暑さにやられましたかね。
第四レース Men Elite / Junior
Men Elite 6周 Junior 4周 ということで、スタート側のコースの端に行くことにします。ループ坂下、一周目坂上+フィード、二周目戻るルートの森の中のガレ登り、三周目試歩の時に決めた坂上、四周目端のシングルのドロップ、五、六周目戻りながら出会い頭でゴール。逆進で進むと、レース後半でスタートに近づくので80%ルールの恩恵で動きやすいというのがあるものの、切られなかった最後の人を見誤ると動けないのです。「あの人の次この人だよな……が来ない」が切られたということになります。
Men Junior
1位 江越柾也 2位 遠藤紘介
マチャ おめでとう。
展望では順当に紘介としていたレース。それを覆して柾也ことマチャが、初優勝を決めました。二人だけの戦いで、たんに紘介の調子が悪かったんでしょ、というなかれ。確かに紘介はトラプルを抱えてはいたものの、マチャはエリート同時走最後方スタートで、エリート完走組と渡り合って走っての堂々の勝利なのです。かっちょよかったです。
Men Elite
1位 平林安里 2位 宮津旭 3位 副島達海
安里がいつもの様に飛び出します。ガシガシ登るコースに強く、後半の落ち込みが少ない旭が追い上げ、何処かで安里が垂れて、旭が交わしていく展開(朽木のような)、、、かなと思っていたのですが、周回を重ねていっても二人の差は縮まりません。それどころか急激では無いものの次第に離れていくのです。三周目、この登りを淡々と登っていく様を見て、ここで安里の勝ちを確信しました。
安里のエリートでの勝利は久方ぶりです。なんと、四年前のこの一里野がラストでした。ずっと優勝候補にいて、ずっと目立つ記憶に残る走りをしていましたが、こんなにも勝っていなかったんだなぁと。おめでとう。
2位は追い切れなかった旭。2017年にCJ-1初勝利を飾ったコースであり、勝てるはずの得意コースだった、が、実は安里が最後に勝ったのが翌年2018年の此処一里野。その時も安里が最初から飛び出し、公平や旭が安里を追いかけるものの取り逃がしてしまう展開。旭も得意としていたが、安里も得意としていたということですね。
3位は不動のTop 5に食い込む勢いを見せるエリート一年生のタツウミ。一時ペースを落とすものの、最後はしっかりペースを上げてフィニッシュ。
トピックはこの人、4位に入った戸谷亮司。土曜日のXCCも最後までタツウミと張り合って、翌日曜ののXCOでも表彰台まであと一歩なんて、パフォーマンス上がりすぎです。アラフォーでもパフォーマンスが上げられるってある意味凄い競技ですね。XCって。
そしてもう1人。22位。長見真左哉。競技本格開始は二年前。そして、ちょうど二年前から彼奴の蔓延で競技がほとんど行われず、競技に慣れることさえ出来ませんでした。そして、結局ジュニア時代の二年間にトップと競えるレベルを示すことも出来ないまま、今シーズンからエリート。そして、努力が実ってこの一里野で初のエリートフルラップ完走を果たしました。
現在のTop5のうち旭以外の四人、トキ、お遼、安里、リッキーを輩出したプロライド所属。競技開始3シーズン目。監督の熱い指導の下でまだまだ進化するはず。期待のエリート一年生です。
終了後はそそくさと帰路につきます。データをSDからHDDに移動をしながら高速道路の手前で給油しつつ、HDDへの移動完了を確認して「写真」に取り込みを開始。北陸道小矢部川SAへ移動。お土産を買いつつデータを確認するもまだもう少し。で有磯海SAに移動して、そこで振り分け開始。建屋に入らないとWiFiが繋がらないSAが多い中、ここは駐車場でもビンビンに繋がるので、PCからスマホテザリング無しで直にUP。女子が22:30。チャレンジ22:45。マスターズ23:00。そこで睡魔に負けて仮眠。エリート26:00。再度睡魔に負けて、アドバンス28:30。そのまま、出発。夜が明けてしまえば人間は不思議と睡魔を撲滅できてしまいます。11:30栃木着。お疲れ様でした。