「早く結婚しなさい」という父の想いとは。
「まだ、結婚しないのか?」
と、父は会う度に言ってくる。
「いや、まだしないよ」
その度に私はそう答える。
'まだ'しないよ、というかそもそも恋人もいないし。
そもそもまだ23歳だし。
「結婚は早いに越したことはないから、早くした方がいいよ」
決まってそう言われる。
なぜ、私の父はそこまでして結婚を急かしてくるのだろう。
シンプルに子どもが好きだから、孫の面倒を見たいのだろうか。
「どうしてそんなに、早く結婚して欲しいの?」
つい先日、父に問うてみた。
「老後のためだよ。」
どういうこと。結婚と老後がイマイチ結びつかない。
さらに問うて見ると、父の考えが明らかになった。
仮に、30歳で結婚して子供が生まれたとして、
何人か子供生まれて、その子達が全員独り立ちする頃自分は55歳くらいか。
そこから人生100年時代の老後の為の生活の資金を貯めるとなると時間が無い。
だからこそ、早く子育てから手を引いて、夫婦のためにお金を貯めるべきだ、と。
この超高齢化社会を自分の子供の手を借りずに生き抜く為に早く結婚すべきだ、と私の父は言っていたのだ。
そのために父自身も実はかなり貯蓄をしているようだ。
自分の子供に早く結婚してほしいのは、子供に苦労をさせたくない、親心からだった。