ドラえもん、
大山のぶ代さんが亡くなったという。
ドラえもんの声優さんが代わって久しく、
いつの頃からだろう、
認知症なのだと、介護が必要な状態なのだと聞いていた。
それも淋しいなあと思っていた。
まるで、我らがドラえもんが要介護状態になったかのように。
ドラえもんの声を退かれて何年も経ったころ。
ラジオか何かだったか?
聞こえてきたのだ。
大山のぶ代さんの声で、
『ぼくドラえもんでした。』
その過去形のひとことに、のどの奥がギュッとした。言葉で言い表せない感情がこみあげたっけ。
とうとう亡くなったんだなあ。
また淋しいキモチになる。
私の中で、ドラえもんが死んじゃったみたいだ。
藤子不二雄マンガはたくさん見た。
中でもドラえもんは大好きだった。
映画もほとんど観たと思う。
いまでも何かの拍子に【どこでもドアがあったらなあ】とか、【テストに暗記パンあったらなあ】とか思ったりする。
…とはいえ【ソノウソホント】という道具さえあれば、すべてが叶うのだが。
…この世の一切は変化し続けるのだと身をもって感じているし、頭では理解しているし、流されていく準備もできているけれど。
さまざまな栄枯盛衰を見届ける、このなんとも言えない切なさったら、なんだろう。
ところで、ドラえもんが嫌いだという人もいる。うちの旦那だ。
のび太くんが嫌いなんだそうだ。
『いっつも泣いてドラえもんに頼って助けてもらって。情けない。嫌いや。』
体育会系、がんばり屋、負けず嫌いの旦那は、他人に厳しい。のび太くんに厳しい。
(のび太くんがしっかり者だったらドラえもんは存在しないというのに。)
だから、ひとりでこっそり、追悼する。
ドラえもんありがとう。
ドラえもんさようなら。
大変、大変、お世話になりました。