暑い熱い夏
選抜高校野球の地方大会が始まっている。
甥っ子は高校3年生、最後の夏を迎えた。
甥っ子は、兄の長男。
ろくでなしの兄。等しく、ろくでなしの兄嫁。
その崩壊した家庭に育った、甥っ子姪っ子たちと関わることもできず、
陰ながら無事を、成長を、活躍を見守ってきたワタクシ。
もちろん何かあれば全力で助けるが、
なんというか、、、崩壊している家庭、険悪な夫婦間に、他人は入り込めないものなのだ。
家族であれば、なおさら。
というわけで兄嫁とは何年も、
兄とも3年近く会っていない。
ときどきLINEでやりとりする程度だ。
もともと歳の離れた兄と私。
仲の良し悪しではなく、接点がないのが当たり前だった。
その兄が、ここ最近やたらと写真や動画を送ってくるのだ。
高校野球の開会式や、甥っ子が紹介されている記事や、学校の紹介など。
ああ、どんな親でもやっぱり息子がかわいいんだな、と変な感想を抱く。
息子たちの高校野球を経験した私だけれど、球場に応援に行く気力はない。
暑すぎる。
幸い、本日テレビ中継をする球場での試合だ。
エアコンガンガンつけて、おいしいものたくさん買い込んで、ビールも並べて、極楽野球観戦だ。
…テレビの向こうにいる甥っ子は、ずいぶん大人になっていた。
中学生のときに会ったっきり、だっけ?
高校生って、あどけなくて可愛いなーと思うのだけど、
それでも青年の一歩手前の、
少年の終わりかけの、
そんな独特な時期特有の、アゴや肩のライン。
ホルモンにブンブン振り回されまくる、不安定で危うい世代。
小学生のころから親のゴタゴタに巻き込まれ、心のあちこちが歪んだかも知れない、
その甥っ子が、笑顔でがんばっていた。
ちょっと、ウルッときた。
そして思うのだ。
夫婦も家族も相性がある。
まちがえることもある。
憎しみ合うこともある。
でも、それはそれ。
子供は一時、【かわいそう】だし【被害者】にもなるけれど、だからって将来【不幸】になるわけじゃないのだ。
細くて弱々しい甥っ子だが、ひとまず高校野球を最後までやり遂げる体力と継続力が育ったじゃないか。すごいじゃないか。
(一方で姪っ子は高校中退。図太そうに見えた姪っ子のほうが、実は繊細なんだな。)
年々暑くなる夏。
どんどん暑くなる夏。
それでもがんばる球児たちがいて、
それが大好きな高校野球ファンがいる。
この暑さの中で野球って、頭がおかしくなきゃできないこと。(ごめんあそばせ)
でも、そんな経験も、いいんじゃないかなぁ。
どうせ夏は暑いんだから。
熱中症に気を付けて!