見出し画像

育ちが出てしまう結婚式

次男坊の結婚式が終わった。
家を出て数年経つ次男からは、なにひとつ聞いていなかったものの、気がかりなことがいくつかあった。

①長男の子どもたちの体調
②次男の飼い犬が式に出るらしい件
③昔からの友達がバカすぎる件

チビッ子は肝心な時に熱を出すものだ。
どうか無事に出席できますように。
リングボーイという大役も果たせますように。
…そう願っていたものの、
3歳の孫は当日きっちり体調を崩し、車の中で吐きまくり、かわいいスーツをゲロまみれにして到着した。

はい、出ました。お約束ですね。

式が迫る中、嫁ちゃんとすったもんだし、医務室で寝かせることにした。
リングボーイは1歳の孫と、犬でやることになった。(いや、できないだろ。)

そもそも何故、犬が参加するのだ?
お犬様を人間扱いする昨今、「家族だから」ってキモチはよーく分かるが、分かるが…。
そのために何万もかけペットシッターさんを頼むのだ。
リングボーイだかリング犬だか、その一瞬のために。
(いらんやろ。)
と、思うけれども、そこはもちろん黙っとく。
(あの、かわいいバカ犬に、式場をまっすぐ歩けるわけがない。)
それも黙っとく。

言っとくが、私の動物好きはムツゴロウさんを凌駕する。
坂上忍?相手にならん。
だからこそ思う。犬は犬だ。
(でも、人間にとって犬は犬以上なのだ。
それも、よく分かる。)


まあ結果として、
具合の悪い3歳児、1歳児、ワンコで、グダグダに、バラバラに、可愛く、めちゃくちゃに、笑いあふれるリングボーイを果たしたのだった。
おつかれ。


さて、式には息子の友人が数多く参加してくれていた。
幼稚園から大学まで、懐かしい顔ぶれ。
成長を見守ってきたみんなが大人になった。
その姿は非常に感慨深い。
ただ、ちょっと私が心配だったのは、小中学校時代の仲間たち(13人)。
大丈夫かな?ちゃんとした格好で来れるかな?
そんな心配をしていた。

…ほとんどみんな、ちゃんとスーツだった。
うん、かっこいいぞ。ホストみたいだけど。

ノージャケットがふたり、
ボーリングシャツみたいのがひとり、
黒いサングラスがひとり、
オラオラ感出してるのがひとり。

ん、ん、んもうっ!!!!


カジュアルな会場だから、まあ、いいけれど…(よくない)。新婦のご両親から見たら…ガラ悪すぎる… …。恥ずかしい…。

悪い子たちじゃないのだ。
ちょっと子どもで、ちょっとバカなだけなのだ。
育った環境だし、家庭の事情だし、みんなそれぞれ、いろいろあるのだ。
かと言って、親がダメダメだったわけでもない。親もみんな、いろいろあったし、その中でがんばっていた。
離婚して昼も夜も働いていたママ友を見てきた。
子どもを気にしつつも恋愛をくりかえす親、そんな親の幸せを願う子どもを見てきた。
良し悪しではなく、みんな必死だった。
冠婚葬祭のイロハを知らないからって、それがなんだろう。

私がごくごく普通の常識を、常識だと認識しているのは、親にうるさく育てられたからだ。
要するに家庭だし、環境だ。
たまたまに過ぎない。
親の親もフツーにしっかりしていたのだろう。
そして、そのまた親も。
それは貧困とは別の意味で、
恵まれていたに過ぎないのだと思う。

恥ずかしいと思った自分が恥ずかしくなり、
みんなに声をかける。イカツイ格好をしていても、ほら、みんな良い子だ。
話を聞いたら、みんな、自分の働いたお金で、ちゃんと生活している。
えらすぎる。それでいいのだ。
人間、それだけでいいのだ。

高校の仲間たちは、全員でミニスカートを履いて余興をしてくれた。さすが野球部。
これまた幼馴染みたちとはひと味違う、一緒に何かがんばった仲間というのは格別なんだな。
感謝しかない。

みんながみんな、仲良しこよしのわけもなく、男同士いろいろあっての関係だろうと想像するも、
こうして式に出てくれたことが嬉しい。
新婦のご両親はもとより、新婦さんも引いてしまうであろうパワフルおバカ友人たちだが、
それが息子の財産なのだ。

このたび結婚式にことよせて、
関わってきたすべての子どもたち(みんなもう大人だけど)の、健やかなる成長を祈りたい。
恥をかけることを強みとして。
恥をかきながら生きていける人間は、それだけで立派なのだから。
そして私は、息子とその仲間たちを、陰ながら見守っていたいと思う。


#結婚式
#息子
#友人関係













いいなと思ったら応援しよう!