人見知りは直らない
地元の小さなクリニックで働いていると、どうしても知り合いが来院してしまう。
知り合いならまだしも、「知り合いだった」くらいの関係だと、どうにも困る。
検査室の仕事に逃げたり、壁のほうを向いてみたり。マスクをしているから、面と向かって話さない限り気づかれないのだけど、ついつい知らんぷりしてしまう。
私は人見知りだ。
子供たちには【挨拶は何より大事】なんて言って育てたけれど、私自身は、挨拶が大の苦手な子供だった。
成長するにつれ、そんなことはなくなったが。
それでも、人間関係において自分からグイグイいくタイプではない。
なんでもペラペラしゃべる人が苦手だし、飲み屋でやたら店員さんと話すひとも好きじゃない。美容院で話すのも面倒だ。
知り合いに会ったからといって立ち話するなんて、所在無さすぎる。
というわけで、
今日も、検診にきた40代の女性が『10年前一緒に働いていた』人だと気づいた時点で、
透明人間になった。
その元同僚は、クリニックのナースの知り合いでもあったようで(地元あるある)、
『久しぶり~っ!!』キャキャキャッ!!
と偽りの喜びに盛り上がっていた。
そこで私は思い知ったのだ。
盛り上がれない私は、やっぱり人見知りなんだな、と。
偽りでいいじゃないか。
その場だけテキトーに流しておけば。
元気?いま何してるの?へー!そーなんだ!
で、いいじゃないか。
…必要?
興味ないのに、しゃべらなきゃいけない?
帰り道もしばらく、モヤモヤとしていた。
キャッキャと盛り上がるナースに、尊敬と、同じくらい嫌悪感を持った自分にモヤモヤしたのだろうか。
うわべだけの関係が、心底キライなんだな。
子供なんだな、私。
本来【人見知り】とは【子供が知らない人を見て恥ずかしがったり不安を感じたりすること】らしい。
知らない人どころか、知ってる人も苦手だ。
きっと一生、直らない。
ところで衆議院選挙、
日本保守党なる新しい政治団体に注目していたのだけど。
なんだか内輪揉めのゴタゴタが見えてしまい、白ける。
政治家を志すひとなんて当然【自分】がいちばんだし、【党】【仲間】といっても、それこそうわべだけなのは分かっている。
揉め事だってたくさんあるだろう。
反旗を翻すひともいるだろう。
汚い部分もあるだろう。
でも、それを見せるのはルール違反だと思う。
人間模様なんてどうだっていいのだ。
…そ、だからやっぱり、
人見知りでいい。
知り合いだったひと無視でいい。
仲良しごっこも、うわべの関係もいらないし、
オトナになれなくていい。
と、思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?