鉄板焼肉で飲む
私の鉄板焼肉ルーティーンを紹介します。
まずはオーバー気味にのれんを揺らしながら入店。
店内が賑やかで気づかれないことがあるから。
カウンター席に通されたら、すかさず焼酎のロックと焼肉1人前を注文。
日によってはキムチも頼んじゃうかな。
この時点では、まだご飯は頼まないで。
先にセルフの水を注いできてから、壁の変な格言を読みながら焼酎をチビチビやるの。
そんな風にしてたら鉄板焼肉がくるって寸法ね。
よくある焼肉を想像するとちょっとイメージが違うかもしれない。
ここは地元で有名な鉄板焼肉の店。電車沿いに何店舗かやってる。
焼肉といっても1種類だけ。
豚サガリとキャベツを炒めたものがアツアツの鉄板にのったものだ。
おもしろ格言にツッコミをいれるツイートをしようかしまいか迷っているうちに焼肉が到着。鉄板がじゅわじゅわ言ってて脂がぶしゃぶしゃ飛んでくる。これをカウンター越しに店員さんから受け取る時には落としやしないか、火傷しちゃわないか、ちょっと緊張する。
無事に受け取って、さぁ食べるかというところだが、この店ではもうひと手間かけると幸せになれる。テーブルに置いてある爪切りくらいのサイズのちっこいひょうし木、これを手元に寄せて期待感を高めておくのだ。これにどんな意味があるかの答え合わせはあとでするので、もうちょっとだけつきあってほしい。いろんなことに意味があるものなのだなぁ。すみもと
まずはそのままいただこう。
最初に飛び込んでくるのは強烈なにおい。ニンニクがガッツリきいている。「あれ? スミモトさんあの店いってきました?」って言われるくらい。こんなこと言われるのはこの店か、久留米ラーメンのあの店くらいである。
角切りのキャベツはアツアツのしゃきしゃき。しっかり味がついており、これだけで芋ロックが飲める。豚サガリはゴロゴロにカットしてあり、ざくざくした触感。ガッツリ塩味で芋ロックがいくらでも飲める。
さぁここであのひょうし木が活躍するときである。
ちょっと食べて減った焼肉を片側に寄せ、ひょうし木を鉄板の肉側にすべりこませ、ナナメにしておくのだ。
そうすると鉄板下側にだんだんと脂だまりができていく。
そこに卓上の辛味噌を投入。
脂とまぜて辛味噌ダレのできあがりだ。
焼酎を一口飲んで口の中をリセットしたら、今度は辛みそ焼肉を口に運ぶ。
ここからが本番である。
うまい。からい。焼酎をもっとくれ。
本題とはズレるが(本題とは?)味変ができるのはすばらしい。ラーメンなら、まずスープをそのまま飲んで麺を一口。ゴマをふってスープ。そんで麺。替え玉をしたらゴマと辛子高菜でシメ。ぜんぶの味をぜんぶ楽しめる。これが最高の食べ方に違いないと確信してんだけど、違うの? 最初から高菜いれちゃったら「もったいない!」って思っちゃうね。そんなこと毎日見続けちゃったら元気いっぱいじゃいられないよ。
さて、ここからがルーティーンの続きですよ~。
焼肉が半分手前くらいになったら、めし(中・味噌汁付き)を注文。
ここの焼肉はけっこう濃い味なのである。普通にご飯と一緒に食べ始めたらコメ不足の肉余りが起きてしまう。そこで半分はツマミに、半分はオカズに、というのがこのルーティーンのミソなのである。
さらに、みなさん懸念しているところかと思いますが「焼酎ロックでメシは食いづらい」問題も解決しております。ここの焼酎ロックはセルフサービス水カップなみなみに注いでいるため、半分飲んだらここに水をそそぐことで水割りが作れるのです。
これにより試合終盤には焼肉定食+焼酎水割りという布陣となるのです。もうこれで勝利が約束されている。対戦ありがとうございました。
ここの辛味噌はいつも綺麗に平らにならしてあるなぁ。
腕のいい左官職人がいるんだなぁ。
すみもと
※このお話は事実をもとにしたフィクションですが、だいたい事実です。