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IU Concert : The Winning ライブビューイングレビュー vol.1

IUちゃんを好きになって、IUちゃんのファンになって、もう14年も経つ。

前回のIUちゃんのコンサート「The Golden Hour」もライブビューイングを観に行ったけれど、当時それを集大成だと思った。これまで色んなIUちゃんのライブを見てきたけれど、(2013年~2019年ごろは特にIUちゃんのライブDVDを日本で入手することがとても難しくて、当時日本よりもっとIUちゃん人気が高かった中国に住んでる友達にわざわざお願いして送ってもらったりしていたのに、日本の映画館で見られるようになるなんて。なんて感慨深くて、幸せなんだろう)一番良い、一番すごいとおもった。

なのに

今回のこのThe Winning、個人的にもうこれ以上はない!最高領域だと思っていたThe Golden Hourより、もっと良かった。
本当にすごい。こんな歌手が他にいるかなと思う。
14年もの期間、私にとってIUちゃんは「今回が一番いい!」を必ず更新してくれる稀有な歌手だ。


ENCORE CONCERT : The Winning


The Golden Hourが内省的なセットリスト、自伝的な物語をつづったコンサートだった(The Golden HourはIUちゃんが自身の20代の振り返り、そしてお別れを行ったLILACというアルバムを中心に組み立てたものだった)としたら、今回のThe Winningは対照的に、IUちゃんが大衆へ伝えたいメッセージを中心に組み立てられたコンサートだったように思う。矢印の向き先が、内から外へ向いたような印象。

まるで一本の映画の様に一つのテーマに沿ってまとめあげられたセットリストは、一朝一夕では絶対に組み立てられない。16年という長い間、IUちゃんが歌手としてプロデューサーとして、作品を作る事に真摯に取り組み続けてきたからこそできたコンサートだ。

あと、The Winningのワールドツアー、横浜公演に私も参加したけどやっぱり母国で大規模な会場でふんだんにお金もつかった演出でやると全然違うね。(横浜も横浜で、もちろん大切ないい思い出なんだけれどね!)(Beautiful Dancerも聞けたしね!)

ちょっとセットリストに沿って、1曲1曲記したい。

あ、あとね、今回IMAX(音響と映像がリッチなやつ)と普通のスクリーンとで2回鑑賞したけど、圧倒的にIMAXがよかったよ。

オープニング

1.Holssi
今回のThe Winningのはじまりであり、終わりでもあるこのHolssi。インタビューでIUちゃん、「もし花として咲かない選択肢があるのならHolssi(胞子)としての勝利は何だろう?」と考えたとこからこのアルバムは始まったと言ってたけど、最初に言っちゃうけど、IUちゃんがこのコンサートで一貫して伝えたかったテーマっていうのが「(お金をたくさん稼ぐとか有名になってみんなに羨ましがられるとかじゃない)、あなただけの勝利を見つけて欲しい」ということなんだと私は解釈している。(-The Winnig インタビューより)
で、IUちゃんのなにがすごいって、そういったメッセージを「キービジュアル」化するのがめちゃくちゃ上手なんですね。

今回のThe Winningの上記のテーマから、Holssiでは「たんぽぽの種」、後半で出てくるShopperでは「望遠鏡」というアイコンをつくって、何事もメッセージ性があまりに高いと大衆受けしなくなる傾向にあると思うんだけど、それを誰もが知ってるアイテムに変換して歌う事で広く響きやすいポップミュージックに仕立て上げてるんですよ。

秋元康氏が昔、「ヒットする曲はスタジオセットが作りやすい事に気づいた」=ヒットすることは聴く人が共通で思い浮かべる視覚的なアイテム・情景がある、と言ってたんですが、IUチームはそれをみつけるのが超うまいんです。

ターザンコーラスから始まるこの曲は、本当一曲目にふさわしい。はじまりからアドレナリン爆上げしてくれる演出がさすが。

(一曲目からこの量の文章大丈夫かな?)

2.Jam Jam
第4集収録、ジェムジェム。
今回のセトリにJamJamが入ったのが個人的にすごく意外で嬉しかったんだけど、HolssiからのJamJamは曲のトーンが同じだから凄く合うしいいよね。(音楽詳しくないから抽象的な言葉になっちゃうけど)。サラン!サラン!サラン!の掛け声知ってる人(横浜の会場で私が座った席の周りでは)結構少なくて、なんか気恥ずかしくて叫べなかったけど本国の鼓膜ぶちわれんばかりのサラン!サラン!サラン!、IUちゃんも嬉しそうでやっぱりすごくいい。

3.Ah puh
LILACで収録されてTheGoldenHourでも歌って盛り上がって、今回もセトリ入りしたAh puh。活動15年目?くらいで発表したアルバムで新たにライブ定番曲がうまれるのって凄いよね。個人的には歌詞の「吐いたとしても負ける事に耐えられない」「一番高い波に乗るよ、怖いわけないよ面白いでしょ」という箇所が今回のThe Winningのテーマにもリンクしてるからセトリに入ったのかなーとも思う。ここでも勝負すること、戦う事をサーフィンになぞらえるのがIUちゃんらしく、サーフボードに見立てた空中ブランコにのって、波に見立てた観客の上を進む演出が可愛いし見事。🌊

4.BBIBBI
発表してから必ずセットリストから落ちないBBIBBI。掛け声も楽しいし、Ah puhくらい曲調もかわいいし盛り上がるよね。歌詞は「失礼なコメントしてこないでバカなIDのアカウント」みたいな内容だけど。
それと、もうかなり歌い慣れてる曲だからか余裕が違う気がする。唯一このコンサートでめちゃくちゃアレンジしてた。
I'm sure you're gonna say my goshの箇所のアドリブ、これまで聴いたことなかったやつしてたよ。
IUちゃんは前、私はコンサート中、これこう練習したよね?とか、ここはこれを間違えちゃいけない!とか頭使ってばっかりだから泣けないって言ってたけど、この曲はリラックスして歌ってるように見えた。

5.Oliviate
これも、今回から急にセトリに入って超意外!初期IU、第3集「Modern Times」から採用された「Oliviate」。IUちゃん、元から歌美味かったけどやっぱりもっとうまくなってるよね。昔の曲をLiveで今歌われると本当に実感する。

6.Celebrity
ここのさ。。。演出がさ。。本当に涙涙。変わっている人を「あなたはまるで、左手で書いた星。すこしいびつに見えてもそれこそが素敵な個性なんだよ」というテーマのこの曲なんだけれど、この「左手で書いたような歪な星」がキーアイテムとしてまた会場に映像・演出として登場するわけなんですよ。本当に、テーマを可視化、アイコニックに例えるのが天才的だってCelebrityで一番思った。感動的な演出の中登場したIUちゃんが、こちらの滝涙な心情とは裏腹に「あんにょ~ん」って気の抜けた挨拶したから笑っちゃった。最高だよ本当に。

7.Blueming
これも発売してから一度もセトリ落ちしたことがないライブ定番曲。掛け声がIUちゃんの曲の中で一番楽しいとファンの間でささやかれてるほどだから覚えて参戦してみるべし。好きな人とのメッセージのやり取りを(iphoneの初期機能のメッセージアプリの画面でやりとりしているモチーフ)連想した歌だからBulueming(当アプリ内で、こちらから送るメッセージの吹き出しは青だから)なんだけど、これもこのモチーフがあるからライブの演出を携帯の画面になぞらえたりすることができるわけで。

8.LILAC
今回のワールドツアーのセトリに入ってなかったけど、発売した当初より愛されてる気がするからと言って特別に歌ってくれたLILAC。
IUちゃんは本当にファンのことをよく見ていて、その時に流行ったりムーブメントになった曲を必ず歌ってくれる。(超何年ぶりかに夢色パティシエールが流行り出した時もlive clip出してくれたし、hold my handが時を経て注目された時もライブで歌ってくれた)
これって当たり前じゃないよね。わたしたちはなんて幸せなんだろう。

LILAC、確かに横浜公演の時もアンコールで歌ってくれた。


9.I stan U
2023年に行われたファンミーティングでIUちゃんは、いつもならIUちゃんが歌い観客が掛け声をする曲を観客に歌ってもらい、IUちゃんが掛け声をするというイベントをした。
いつもユエナ(IUちゃんのファンの名称)からもらってる応援の掛け声を、私がユエナにかえしたいという趣旨のものだったそうです。


そこから生まれた曲がこの「I stan U」韓国語のタイトルで「観客になるよ」という歌です。

MCでも言ってくれましたね。
「私も皆さんのファンなので」

あなたのすべての日々の
ひとりの熱烈な観客になるよ


10.Bye summer
「ピオネ?(雨降ってきたね?)」
この一言で始まった、突然の新曲披露。


前曲のI stan Uから特別なmcもなく、何の前触れもなく、突然ギターを担ぎ出したIUちゃん。これがかっこいいところ。
あまりに真剣な表情にドギマギして映像を見てたけど、後日談がありましたね。
「こんなに準備して頑張ってきたのに雨が降ってきて、本当に悔しくて腹が立っていた」と。

真剣な表情というか、怒ってたんだね。

「雨降ってきたね?」というIUちゃんの呟きに、「ケンチャナ(大丈夫だよ)アイユー!!!」と叫んで答えるユエナにちょっと涙ぐんでしまった。

いい曲だったねええ。。
もう何年も前から変わらないバンドのメンバーとアイコンタクトして演奏が始まるの、ぐっときてしまった。

前半戦はここまでにします。
後半はもう、胸熱すぎて書く手が止まらない気がする。


(vol.2へつづく)

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