BeatsXのCMに感じる、強烈な違和感。
BeatsXというイヤホンの「ワタシたちが、新色。」というCM。
「私たち、慰めあいませんか。」という吐息交じりのセリフで始まるのを聞くたびに、正直「キモっ」「メンへラ臭し過ぎでしょ…」という感想を抱いていたのですが、このCMに感じる違和感の正体はそれだけではない気がしてきました。
(ちなみに、DAOKOさん自体を嫌いというわけではありません。)
1.「慰めあいませんか」
どうやらこの言葉は、このCM用のものではなく、元々DAOKOさんの曲の中に、このセリフから始まる曲があるようです。
ある曲の中でなら、その曲の世界観の一部として分かるんですけど、抜粋して、このCMをリードするワードに持ってくるのはどうなんでしょう…。
beatsXはイヤホンであり、語りかけているDAOKOさんはシンガーなので、「歌を聴くことで慰めあおう」的なメッセージに感じるんですけど、個人的には、そんなふうに音楽聴きたくないな、と思ってしまいました。
音楽で励まされたり、共感したり、勇気づけられたりはしますし、慰められることもあると思いますけど、「慰めあう」ってのはなあ…。
2.「誰でもいい、同じ気持ちの人はいませんか」
「私たち、慰めあいませんか。」の後、「誰でもいい、私と同じ気持ちの人はいませんか。」と続くんですけど、これに呼応するのが、ことごとく女性。
…誰でもいいんじゃないのかよ!
何を「慰めあう」ことを想定しているんだろう…。暗に、慰めあう原因は女性特有の「気持ち」ということなんでしょうか。
3.「第一線で活躍している女性たち」ありきの企画、はわかった。
ではなぜ冒頭のセリフはあれなのか。
「第一線で活躍している女性たち」をテーマにした企画なんだろうな、ということはさすがに分かります。また、そういうCMもありだと思います。(beatsXでそれをやる理由はイマイチ分からないですけど)
…で、上記の1、2に戻るんですが、なんで冒頭のセリフが
「私たち、慰めあいませんか。」なんだろう…。
この流れだとどうしても「私たち」=「女性たち」になりますよね…。
なんかモヤっとするなあ…。
「第一線で活躍している女性たち」をテーマにするなら、何か他の言葉を冒頭に持ってきた方が良かった気がするし、(違うと思うけど)もし冒頭の言葉を活かしたいのであれば、コンセプト自体、女性のみから変えた方が良い気がする。
…と、違和感を書いてみましたが、世の中的にはそんなことは気にならないものなのでしょうかね。
以前流れていたbeatsのCMで、ピノキオの曲に合わせて、いろんな人たち(職業、人種、男女問わず)が歌いながら歩いていたCMが好きだったので、余計に違和感を感じたのかもしれません。
※調べてみると、ピノキオの時のCMのタグラインは「Got No Strings」で、 ワイヤレスイヤホンのCMだったみたいですね。なるほど、だからピノキ オなのか!オシャレ。で、案の定海外で作られたCMだったようです。
今回のは日本人のみの出演だし、日本の代理店なんだろうな。
※ちなみに今炎上真っ最中のお方も出演されてますけど、「女性アーティス トは見た目で売らなきゃ売れない」「女性は業界のお偉いさんに美貌で取 り入らないと成功できない」とかそういうことへの「慰めあい」みたいに もとれちゃって微妙ですね。このタイミングでの炎上は、beatsXの企業も 被害者でしょうけど。