平和な世に生きてたことを知った舞台好きの備忘録


こんにちは。
しばらく、希望だけを頼りにやってきたけど、少し記しておく必要があると思って戻って来ました。
数年後、こんなこともあったねと思えるように。


2020年、昨年までも大好きだった舞台の記録を綴っていくことで、
今まで舞台が好きだった人、舞台に興味がある人が1作品でも舞台作品に触れられる機会になったら……とこのノートを始めました。
でも、その記録は今年の2月分で止まっている。
それは舞台を見られていないから。
役者さんたちの輝き、舞台を作る沢山の人の熱気を肌で感じられていないから。
こう言うと語弊があるのだけど、私がかつて中毒のように一幕一幕追いかけた存在は今の世界にはない。
正しくは燻っているのかもしれない。
でもこの火は簡単に消えてしまう、頼りない一刻を争うものに変わってしまった。

うーん、これだと足りないかな。
きっと関わっていた沢山の人が、今は別の形で頑張ってらっしゃるのだと思う。
私たちの知らない沢山の人が、私たちの知らない形で、舞台文化というものの存続、そして彼らの暮らしのために頑張ってらっしゃる。
中には変わってしまった新しい世界で花開くために、この一瞬さえも無駄にしないように。
私たち一人一人が今、生活のため、生きるためにしているのと同じように。
もしくはそれ以上に。

でもさぁ〜……沢山の舞台がなくなってしまった。
今はもう先が見えなくて、なくなってしまった舞台が「もう一度仕切り直される」のか「もう二度と日の目を浴びない」のかもわからない。
私はよくTwitterを見ているのだけど、
観客である一人一人が「できること」をしようとしているのは感じる。
グッズを買ったりだとか、Blu-rayやDVDを買ったりだとか。
それらは私たちにできる最善のものであることに変わりない。
客席に座る私たちが唯一できることと言っても過言ではないだろう。
でもね、多分、足りないですよね。
本当に今日まで数えてみたって、いくつの公演が中止になり、いくつの配信がなくなり、いくつのイベントがなくなり、いくつの発売予定だったもの、公演予定だったものが消えたんだろう。

このコロナの事件が炎を大きくし始めた頃、ある一つの劇団が公演を何度かしようとリトライしてたのを思い出す。
誰が悪いというわけではない、これだけは断じて違うのだが、
そのリトライは潰えてしまった。
仕方がないよね、他もそうだから。
病が蔓延らないために、これ以上の尊い犠牲をださないために。
どの公演も、中止や延期を決めたのは正しい行為に違いない。
でも、それだけ、あの大きな劇団がなんとしてでも中止しないように、止まらないようにしていたのは、このことだったんだな。
と、小さくなってしまった火種を見て、思いだす。
利益とか損とかね、そう言いだすと善悪とか正義とかそうじゃないとか○とか×とかの話になって話の主軸がずれるのでしません。

そして、この話はただ「舞台」だけの一つにとどまらないことだとも思っています。

でも、このコロナがいつかあけて、恐怖を抱きながらも一つの幕をあげる世界は、
もう今までの世界とは違う。
そんな気がする。
平和に舞台が上演されていた、全通とか遠征とか言っていた時代とはもう違う形になってしまっている。
見た目は同じかもしれないけど、新しく灯った火の影にあの時消えてしまった火の灰が積もっていることは忘れてはいけない。
私は、ただそのことが寂しく、悲しいなと思っています。
今、一つでも中止になってしまったり、
延期になってしまったりして、
舞台が見られなかった舞台好きは、
上演されたら、形が違くなっても(違くなったことに気づけないこともあるけど)
見にいこうね。

いつか、どこかの会場でみんなで感動できますように。

できることしかできない。
ためてた円盤を見たら、また感想を書きにきます。

夏耶乃

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