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エヴァ完結

ネタバレを目にする前にエヴァを見てきました。ネタバレはなしです。


というほど大ファンでもなく、でも世代的に空気は知ってるというか。作り手的にも避けては通れぬなという感じで。


もともと大学時代の本放送の時仲のいい友人に勧められて一緒に見たのがアスカと共同生活してシンクロする回で、エヴァの売りである影や意味深なとこも特になくよく動くなあということ以外はなんの感想もなかったんですよ。そもそも当時はアニメ自体に不勉強で子供のころ見ただけのガンダム一期を見直したりAKIRAやZを借りたりしてた時期で。ナディアやオネアミスの記憶はあったものの熱心な友人にあらためてガイナックスというブランドと共に説明されてる最中でした。

ただ世間の絵柄が一斉に貞本絵になりフォントが全て極太明朝に変わり女キャラが全員アスカか綾波レイになって眼帯や包帯を巻かれていく、今の炭治郎柄のような時代と一体化してく空気は感じてました。

その頃ARMS始まって主人公のもみあげが長いので、背景描くときまだ人物の絵が入ってないので人型を開けて背景を描くんだけどそれを全部綾波レイにしたり、今考えたら信じられないくらいクソアシスタントでしたね。本当あの頃皆川さんちって仕事じゃなくて遊びに行ってる感覚だったから。半分くらいゲームしてたし。
それで仕事しながら深夜の再放送でみんなんで全話見て、すでに一部では話題になってた伝説のおめでとうエンドを見て「なんじゃこらー」ってなりました。僕にとってはそれがエヴァ現象でした。在学中に劇場版あったけど見たっけな、覚えてない。当時はだいたい友達の家でレンタルビデオ見てたからそれかな。

会社入ったけどゲーム会社なんでエヴァは一般教養で、先輩が同人誌とかやってたんで絵の練習ついでに寄稿してましたね、あれどこやったかな。その人がアスカファンだったんで絵の練習がてらファッションモデルとかの写真をアスカで描いて、案外女の子かわいくかけるなーって思ってましたね。

で、時が流れて僕は漫画家になり、新劇場版ということで序に誘われて行ったんですよ、会社時代の先輩と漫画家の友達がもともと友達でその集団と。その時一緒にいた人がのちにサイコミに入社してねこの漫画描かない?という僕の人生史上一番楽な仕事をくれることになるんでエヴァで人生変わったとしたらこのときです。

二十世紀の終わりにエヴァが示した新しい概念は、その影響力の大きさゆえにすでに標準化してしまっていました。巨大ロボならぬ生命体の共喰いも神話性も、それぞれの解釈を自作に取り込んだ後続のクリエイター達の手によって消費されつくされていました。

なんだかんだで一般教養として破は一人で見に行った気がします。あー今回はそういうとこでその歌使うんだーみたいな感じで、時の流れない第三東京は箱庭のようだし、当初は斬新だった無機質で幾何学的な使徒はもう怪物のトレンドが進撃の巨人以降のいびつな人体(これ呪術もそうだからまだ進行形なんだけど)に変わってきたし、幾何学だからこそCGに相性が良すぎてのっぺりと動く恐怖もなく、もう次はいいやってなってました。

シンやることになってQをTVで初めてみたけどなんだこれというか、相変わらず話はわかんないけどデザインや動きはガイナックスブランド、そしてまだ結論ないんかーい(だからシンがあるんだけど)という感じでした。

で、自分もトレンドの完結を見届けて来たんですけど、評価については大ファンではないので語る資格もないことを承知の上で、ものを作るというのは呪いだなと。作るほうもファンも呪われる。そして呪いは熱量。熱量には賞味期限がある。賞味期限が切れてから呪いを解くというのは本当に大変だったろうなと思います。


生み出した監督自身の手で絞めたエヴァと一番のファンに引き渡して絞めさせたスター・ウォーズは対照的でした。どちらも何ができても必ず批判する人は批判する。そういうもんだ。

思えば僕の呪いはトガリだったんだけど、最初は老後完結編を描くとか思ってたけど、熱量の賞味期限である十年という最後の炎で描き切れたのは本当に幸運でした。もう少し遅かったら描けなかったと思う。

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