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漫画に会う前の人生を覚えてない

最初に読んだのはてんとう虫コミックスのドラえもんだったと思う。

巻数バラバラでなぜか三冊あった。

小学校に入るよりもずっと前、今思えばよく字が読めたものだ。


たぶん三歳くらいの頃、自分の描いたドラえもんと三つ上の兄の描いたドラえもんが違うことに気づいた。なんか、兄のほうがドラえもんぽい。絵描き歌通り描いたはずなのに。

俗にいう「ドラえもんのひたい」だ。

本来ドラえもんの目の上は青い。目を境界に顔の下、内側は白い。

だが絵描き歌どおりにうえきばち、うえきばちを描くと、目の上が白いドラえもんが出来上がる。

もし絵心のある人とない人の判定基準があるとすれば、それは「いつドラえもんのひたいに気づいたか?」によって決まると思う。


小学校に入ると同時にテレビアニメでDr.スランプが始まり、兄の影響もあってすぐに少年ジャンプを読み始め、キン肉マンに夢中になった。ノートに超人を描きまくった。二年生の頃にはもう学校に単行本を隠して持って行っていた。アラレちゃんとキン肉マンは兄と交互に買った。

やがてドラゴンボールが始まった。この頃から小遣いで毎月一冊単行本が買えるようになった。役割分担が作品ごとに分かれドラゴンボールは僕のものとなった。野球をしていた兄はなぜかキャプテン翼を揃え始めた。

この頃から父もジャンプを読むようになった。月曜日は父が会社の帰りにジャンプを買ってきてくれるのが楽しみだった。兄と同盟を結び、お互いの誕生日には指名された漫画三冊を買うことになっていた。

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