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夏川
2021年10月20日 02:05
僕らはいつも背中合わせの関係だった。 何処かの物語みたいに、背中を預けられるくらいに互いの力を信じていたわけではなく、或いは、背中を預けられるくらいに親密だったわけでもなく。もっと悲観的な理由なのだと、僕らだけが知っている。 また、それは決して二人だけの秘密のような甘美な響きを持つわけでもなく。ただ、知る者が僕ら二人だけだったと言うだけの、寂しい話だ。夕暮れ、灯り始めた街灯の横で独り躓き歩く