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「ぼくのお日さま」が頭から離れない。(ネタバレなし!)

9月13日公開。「ぼくのお日さま」観てきました。
観てきたと言っても実はもう2回、劇場で観ています笑
まだまだ足りないくらい本当に素晴らしい映画で、観るたびにその時の状況によって自分自身の感じ方が違うのではないかなと思います。

本作は吃音を持った少年とその少年が憧れるフィギュアスケートを習う少女、その少女のコーチ。3人の雪が降ってから溶けるまでの物語です。

うまく感想をまとめるのが難しいのですが、まず多くの人が思うのは映像美なのではないかなと思います。雪に反射する光の感じとか、スケートリンクに差し込む光とか。とにかく綺麗なんです。その綺麗な世界に存在する登場人物たちは言葉は少なくても、そこに生きる一人ひとりの人間として映って見えるのが良くて。
この映画はとにかく観る人へ任せているというか、それは決して丸投げ的なことではなくて言わなくてもわかると思ってもらえているみたいな感じ。
この”余白”的なところが多いからこそ繰り返し観たくなるのかなと思います。

ここではネタバレをしませんが、一つだけ好きなシーンを紹介します。
観た人はみんな好きなんじゃないかなという中盤の山場的なシーン。そこがとにかく素晴らしい。それこそこの場面にはセリフはなくてゾンビーズのGoing Out Of My Head が3分ほど流れるのですが(映画を観た日から毎日聴いてます笑)3人の積み上げてきたもの、心情がまるで自分がその場にいるかのように伝わってくるこのシーン。これを観るために何度も映画館に足を運んでいると言っても過言ではないくらいに素晴らしいんです。
監督の奥山大史さんはミュージックビデオなども手掛けている方でそれも作用していたりするのかなと勝手に思ったりしています。

そしてこの映画は音もとにかく良い!!
意外なところで無音だったり、スケート靴と氷の噛み合う音だったり。

音の感じからも実際に生きている人の生活を覗き見させてもらっているような感覚になります。
そしてラストも登場人物たちの生活はきっと続いていってそれを想像できるラストで映画館を出てもなお続く幸福感と胸の中に残るちくっとしたものは私たちの地続きの生活を少し明るくしてくれるような気がします。


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