見出し画像

「はじまりのキャンプーゼロー」福島県を横断する10泊11日の教育サマーキャンプ

はじめに ーキャンプに込めた思いー


 2011年3月11日、日本を襲った大震災がありました。
東日本大震災と名付けられ、「3.11(サンテンイチイチ、サンイチイチ)」と俗に呼ばれるこの震災は、地震と津波によって多くの地域に被害をもたらしました。
福島県もその被災地の一つです。
一方で、「ふくしま」は他の被災地とは異なる被害も受けました。
原発事故です。
地震・津波による自然災害と、原発という技術がもたらした災害は、11年を経た今でもこの地にその爪痕を残し、それは人々の記憶や社会にも刻まれています。
 豊かな恵みや生きる糧を生み出してくれる自然は、時に恐ろしい牙を剥くことがあります。また、私たちの暮らしを豊かに、そして便利にするための技術も一度コントロールを失うことで取り返しのつかない事態をもたらすことがあります。
 今、世界中が「持続可能な社会」の実現に向けて動いている時代の中で、自然と技術のそれぞれが持つ「恵み」と「脅威」を身体感覚をもって知ることは、この先の未来を生き抜き、形作っていくために欠かせない、とても重要なことではないでしょうか。
 「ふくしま」が歩んできたこの11年間は、「恵み」と「脅威」との付き合い方を実践・体現してきたものです。「ふくしま」と聞くと、被災地、原発災害、復興、というようなイメージがまず思い浮かぶかもしれません。そのイメージは確かに「ふくしま」が味わってきたものです。しかし、そこにはこの地が過去「脅威」を乗り越えてきた歴史と、今「3.11」を越えて未来へ歩み続ける人がいます。
 そんな「ふくしま」だからこそリアリティをもって感じられる「恵み」と「脅威」の学びを通して、みらいの担い手である子どもたちが自分たちのみらいを考え行動するきっかけを得る場が「はじまりのキャンプーゼロー」です。

本キャンプのミッション

この「はじまりのキャンプーゼロー」は3つの教育要素から構成されています。
その3つの要素とは環境教育、冒険教育、災害復興教育です。

①環境教育
自然の中に入り、生態系がどのように循環しているのかやその地域の生態系を成り立たせる動植物などを自身の目と肌で体感することで、普段は見落としがちな自然に対する気づきと責任ある行動を自ら考えて取れるようなることを目指します。
このパートは磐梯山麓エリアでのプログラムになります。とても豊かで偉大な自然環境に、普段はできない体験を通して触れることで子どもたちも自然の懐深さや面白さにワクワクさせられるでしょう。

②冒険教育
雄大なフィールドの中で、ひとの思い通りにはいかない自然を相手に、仲間たちと協力し自分たちの力でゴールを達成することで、レジリエンスやコミュニケーション力を身につけ、達成感とそれに伴う自信を持てるようになることを目指します。
このパートは南会津エリアでのプログラムになります。自然がすぐそばにある環境での野営を通して、環境教育で身につけた知識・スキルを仲間のために亜違い協力して実践していきます。ひとつひとつのチャレンジを乗り越えていくことで育まれる絆や達成感はかけがえのない宝物になるでしょう。

③災害復興教育
自然と技術の脅威の生々しい爪痕を体感することとそれを乗り越え歩む強さに触れることで、自分たちが自然や技術との関わり合いの中で持たなければいけない責任感とこれからのみらいを自身の手で作っていく実感を持ってもらうことを目指します。
このパートは浜通りエリアでのプログラムになります。環境教育と冒険教育を経た上で体感する自然と技術の脅威は、ただ被災地を見るのとは違う気づきや感情をもたらしてくれるでしょう。また、今まさにみらいへ向かっている歩みに触れることで自分の「明日」への考え方も変わってくることでしょう。

これらのプログラムを通して、子どもたちに感じてもらいたい「きっかけ」が3つあります。
「生/活きる身体感覚を得るきっかけ」
「自然に対する感性がひらくきっかけ」
「自分ごとの未来を考えるきっかけ」
です。
生きるってどういうことなのか、そのために必要な技術や知識はなんなのか、予測不可能な時代が加速するにつれ、これらを感覚的に判断できることの重要性は増していると感じています。また、同様に自然と共生する持続可能性をいかに実現するかにおいて、尊大にならず、自然に対しリスペクトを持ち接する感性を原体験を通して磨くことも重要と考えています。
こういった感覚と感性を養うきっかけを提供すること、そして同時に未来は用意してもらうものではなく、自分たちで作っていくものだという気づきと行動に繋げていくきっかけとすることをこのキャンプを通じて実践することがこのキャンプのミッションだと考えています。
そして、自然と技術の光と影を体感した子どもたちは、ただ被災地を見るのとは違う気づきや感情を持つことでしょう。また、今まさにみらいへ向かっている歩みに触れることで自分の「明日」への考え方も変わってくることでしょう。

本キャンプの概要

このキャンプでは10泊11日という期間を通して、福島県の内陸部である会津地方から沿岸部の浜通り地方までを横断します。
会津地方では、
磐梯朝日国立公園エリアでもあり、会津地方の自然を象徴する磐梯山と猪苗代湖を讃える会津磐梯エリア。

会津磐梯エリア


そして、総面積のうち約90%が森林であり、自然と調和した暮らしが深く根付く南会津エリア。

南会津エリア


この2つのエリアで8日間をかけて、自然環境についての知識を学び、その知識を実践活用するキャンププログラムを行います。
その後、舞台は浜通りエリアへ移り最後の3日間を過ごします。
浜通りでは、南相馬市をキャンプの締めくくりの場とし、津波や原発事故の爪痕が残るエリアやさまざまな新技術施設の見学・体験を行い、最後に自分たちの未来について言葉にします。

バリケードが残るまちの様子
水素カー運転体験

福島県を横断する11日間の中にはこの地だからこそ体験できる自然について学ぶプログラム・その学びを活かしてアクティビティに挑戦するプログラム・自然と技術の影と光を体感し影を乗り越え光を拡大しようとするプログラム・そしてこれらの学びと実践がどのように自分たちのみらいへ繋がるか考えるプログラムが詰まっています。
全力でここで出会う仲間たちと共に大自然とみらいに対峙する体験は、決して忘れることのない記憶として子どもたちの中に刻まれることでしょう。

共催:一般社団法人あすびと福島、Minamiaizu Outdoor Life Project、
   一般社団法人dialogue
対象:全国の小学4年生から中学3年生までの男女(定員10名)
参加費:150,000円
活動場所:福島県会津磐梯エリア、南会津エリア、南相馬エリア
開催日時:2022年8月2日(火)〜8月12日(金)
オンラインキャンプ説明会:7月18日(月)19:00 〜20:30(予定)
問い合わせ先:はじまりのキャンプーゼロー事務局 
       キャンプディレクター 芳賀有貴哉
       hajimarinocamp.zero@gmail.com

▼はじまりのキャンプーゼローの参加申込はこちら▼
https://forms.gle/oXHDuScEgaaQ9GK97

【締切】2022年7月15日(金)先着10名


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?