PERとPBR
株式投資を行うにあたりPERとPBRは一生付き合っていかなければならない指標でしょう。自分のなかでの整理のためにPERとPBRについてまとめます。
PER(Price Earnings Ratio) 株価収益率
PERは、株価が1株当たりの利益(EPS: Earnings Per Share)の何倍であるかを示す指標です。計算式は以下です。
PER = 株価 / 1株あたりの利益(EPS)
業種によって基準となるPERが異なるので、同業種内での比較に最適です。低ければ割安、高ければ割高になります。もしくは不安視されていれば低くなり、期待(過剰の場合も)されている場合は高くなります。
赤字企業だとEPSがマイナスなので算出できません。
noteを書いていて思い出しましたが、今年の2月にスノーピークが卑怯な手を使っていましたね。
2023年12月期の決算で売上高257億2,800万円(前年比-16.4%)、純利益100万円(前年比-99.9%)でPERは24,980倍でした。これはわざと100万円だけ利益を残してPERを異様に高くし、割安にしてからTOBする目的だったと言われています。(この決算後にMBOのリリースがあります)
ちゃんと見ている投資家であれば売ったりしない、自業自得、みたいな投稿がちらほらありましたが、わざと100万円残しているあたり投資家のことを考えなければ完全にやり得ですよね。スノーピークを擁護はできないはずです。
少し話がそれてしまいましたが、まあPERが全てではないってことですね。
PBR(Price Book-Value Ratio) 株価純資産倍率
PBRは、株価が1株当たりの純資産(BPS: Book-value Per Share)の何倍であるかを示す指標です。計算式は以下です。
PBR =株価 / 1株当たりの純資産(BPS)
普通に考えたらPBR=1が当たり前ですよね。極論いうとPBRが0.5というのは封筒に1万円が入っているのに5,000円で売っているようなものだからです。なのでPBRが低い(1未満)と純資産分も評価されておらず割安、逆に高いと今後の成長に期待されているといった具合です。IT系などの無形資産を所有している企業はPBRが高くなりがちです。
PBRが低く割安になっている企業が多く東証がお達しをしたのも記憶に新しいです。PBRを上げろと言っているかつ、1倍を割っている企業を東証自ら公表したので対応しはじめた企業も多いのではないでしょうか。
この前noteを出した京成電鉄とオリエンタルランドについて考えてみます。具体的な数字については記載しませんが、オリエンタルランド株の売却後、京成電鉄は未だ20.17%の株を保有しています。保有割合が肝で15%より多いと会計上の扱いが関連会社とみなされ薄価(取得時の価格なので2,000億円程)で評価されます。15%以下だと有価証券とみなされ時価(現在の株価が5,550円で1兆3,000億円)で評価されます。現在の京成電鉄の時価総額が7,869億円なので倍近い株式を保有していますね。といいながら薄価で評価されているので現時点のPBRは1.64倍です。驚きですね。
(ちゃんと調べられてないですが、オリエンタルランドからの配当収入が京成電鉄の利益の6割くらいを去年の3月期は占めてたみたい。。)
ということでPERとPBRの両方とも数字のまま受け取らない方がいいですね。これらを評価軸で判断する場合は数字のトリックがないか必ず調べるようにしましょう。