お金のこと / 見てきたような嘘?
「講釈師、見た来たような嘘を言い」
専門学校のクラスの中で、お金の始まりを、こんな風に想像してみる時間を持っていました。
その昔、原始時代と言われる頃、私も、誰も見たことがない、行ったことがない昔のことは、考古学者の人たちは、それを過去の遺跡や化石から、推理したりしているのですが、そんなに大層なものではなく「講釈師、見て来たような嘘を言い」的な、想像を皆さんもご一緒に。
「原始時代、人はどうやって食べ物を得ていたと思いますか?」
狩りをしていたと思います、魚を海や川で獲っていた。木の実を集めて...
「はい、そうですね。狩猟採取生活、とか言います。きっと、そんなふうにしていたんだと思いますね。魚を獲るのが上手な人が沢山、魚を獲って食べ切れないとどうしたんでしょう?」
気前よくみんなにふるまった、売ったんじゃないかな? えー、それより昔の話だよ、あ、あれだ物々交換!!
「そう、きっと魚を差し出して、おまえの持っているその木の実と交換してくれ、とかやっていたんでしょうね。では、魚がいつにも増して獲れすぎてしまった時に、いつも交換してくれた人は、ちっとも木の実がなくて、交換が成立しなかったとしたら?」
気前よくあげる。またそれかいw 魚の分だけ労働させる、木の実を持ってくるまで待つ、そんな事してたら魚が腐る、取りあえず魚をあげて後から木の実が取れたらその分もらう約束をする
「なるほど、どの程度の言葉が存在したか、もちろん、私もわかりませんが、そんな約束ができるくらい発達していたとして、守られたのでしょうかね、そんな口約束がw」
約束、信頼、そしてその証がお金の始まり?
「今なら、魚を先にもらったから、次に木の実を集めたら一番にあなたに渡します、と言う契約書を書くのでしょうね、その当時には文字すらなかったかもしれないので、あり得ないですがw 」
食べ物の恨みは怖いから、覚えていたんじゃないのかなw 仲間を信頼することも大切だよ、でもたくさんの人に魚を渡していたら覚えていられないんじゃないの? 忘れられるのも怖いなぁ、お前には五匹やったって強行に言われたけれどオレは二匹なのに; とか、やはり契約書が無いとw
「まぁ、そんな社会でも約束や信頼があったと信じたいですが、意見のあったように、記憶が曖昧だったり、勘違いはケンカのもとになったのでしょう。そんな時に....あ、これも勝手な想像ですが....じゃあ、魚を今日はもらうね、その代わりに木の実は今は無いけれど、大切にしているこのとても綺麗な貝殻を預けるよ。次に木の実を渡したら、この貝殻、返してね。とかって想像はどうだろう?」
先生、うまいこと誘導するなぁw お金の始まり? 宝石だったかもしれないよね。そう言えば、お金に関わる漢字には「貝」の字が入っているから、やっぱり貝だよ。でもお金って字は「金」だから! かもね、それもありそうだね
「今も昔も、人の記憶はワザとではなくても忘れるし、勘違いするから、何かやり取りの証は、必要だったのだろうと思います。それに、魚は、さっき誰かが言っていたけれど、腐るでしょ。まぁ、木の実もモノによっては、あまり日持ちしない。でも、日によって、魚は獲れない日も、木の実が見つからない日もある。さっきの貝殻を持って、今日のご飯となる木の実と取り替えて、というシーンも思い浮かびますよね。お金はこんな風に登場したのかもしれないですね。」
参考 : 最古の古銭は金属ではなかった (バイセルより)
お金の三つの機能
「お金の機能は、1. 価値の保存機能、2. 交換機能(決済機能)、3. 価値の尺度機能と言われています。先ほどの例で言えば、魚の代わりに預かった貝殻は腐らないから、持ち続けることが出来ますよね。また次に交換相手が木の実を持ってきたら、貝殻と交換に木の実を受け取ったり、魚二匹分で預かった貝殻だから木の実を二つかみとか、尺度の目安になる、と考えると分かりやすいよね。」
でも、オレは貝殻はいらないなぁw そうなんだよ、女子はキラキラ光るモノは好きだろうけれど、腹の足しにはならないからやっぱり、貝殻じゃあね。 いゃあ、でも魚を大量に抱えて独り占めしていても、しばらく経ったら腐ってしまうから、何の特にもならないのでは?
「そうだねぇ、お金の話をしているけれど、今回は少し「社会」の始まりの頃のことも想像して終わりましょう。」
人はパンのみにて生くるものにあらず
「このクラスで、原始時代にいたら狩りが得意そうな人は誰かな?」
あいつが足が速い、いや力はきっとこいつの方が強い、オレが一番かなw
「ははは、そうかもね。では、狩りが得意な人は食べ物を手に入れられるのですが、下手な人は食べ物が手に入らない、そんな人たちはどうなってしまうのだろう?」
餓死ですね、腹減って死ぬ、みんなのエサになるw その前にこっそり盗む
「ちょっと考えてみてください。さっき名前が上がった人たちの祖先が、その通り、狩が得意であって食料を手にして生き延び、そうでない人が餓死してしまったなら、何故、このクラスにもあまり狩が得意そうではない人の子孫かな? と、いう人がたくさん、居るのでしょう?」
なんか、つまり食べ物をエサにして君臨して、威張っていた人がいて、そこに下僕みたいに使えた人が生き延びたんじゃないの、ありそうだね、王様のように? そんな威張っていたら、きっと眠っている間に殺されちゃうよw
「なるほど、確かにエジプトの王様みたいな時代になると、君臨しているよね。そのもっともっと昔って、どうだったのかと想像すると、案外、人間は動物の中では弱い生き物の部類だったようだから、もっとみんなで協力して狩をしていたのではないかな。それぞれの得意を活かして、例えば、走るのは遅いけれど、獣の足跡を見つけるのが上手だったり、やっと道具を使い出した頃にヤジリとなる石を削るのが得意だったり、捕らえた獲物をさばくのがうまかったり、今で言えば分業、手分け、協力して仲間で得手・不得手をお互いにカバーしていた、のでは無いかと思います。」
「人間が、様々な個性を持ち、同じじゃないことは、人間が生きる残るためには必要なことだったのかもしれないです。とある発掘調査で、一族の墓に、かなり年老いて歯がほとんどない人骨が出土して、そのことから、その一族では、弱くなった年老いた人も共同生活をしていたことが分かったと、いう話も聞いたことがあります。自然界では弱肉強食、と言いますが、人間社会では、弱ければ即、死ではなく、きっと年老いた人の経験や知恵も活かした共同生活によって適者生存を続けてきた、のではないかなぁと思います。人はパンのみにて生くるものにあらず、この言葉で今回は締め括りたいです。」
そうそう、お米も肉も必要ですw 適者生存って良いな、私も生きていられるカモ、私の先祖は頭で生き残ったんだね、そんなに頭がいいかぁw、きっと、あ、つまり多様性だよね、LGBTとかね、みんなバラバラだからいいんだよね、よかったまとまりのないクラスでw
(お金の機能と言われる3つの機能より大切なことを、今度こそ次回に。)
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