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シナリオを書く際に必要な構成表には何を書けばいいのか?

企業系映像シナリオライターの須未亘です。
前回、シナリオを書く前にその内容をおおまかに表した構成を作ることが大切だと説明しました。今回はその具体的な作成方法を紹介していきましょう。

映像制作における構成の作り方


動画構成を作る際には、ターゲットオーディエンスの興味やニーズを理解することが重要です。また、物語の流れやキーメッセージを明確にし、各セクションの目的と内容を定義することも不可欠。

さらに、動画の目的によってもその構成の順番は変わります。視聴者の興味を引くことが第一の目的であれば、前半に最も知りたい内容を持ってきたり、あえて〇〇、××などの隠し言葉を使って関心を持たせる手法もあります。

商品の特徴をしっかりと伝えたいのであればあえて長めの映像尺にして視聴者に説得力を持って映像を見てもらえるよう構成していくやり方が有効です。最初に商品の「特徴やメリット」を伝え、それを使えば「顧客に具体的などんな利益があるのか」、そして、「その証拠(客観的データやお客様の声など)を示す」といった順番で構成することもよくあります。

これらも事前にターゲットとなる見込み客の問題や課題、ニーズをしっかりと把握して作業できるシナリオライターに任せると構成の質がぐっと高まるでしょう。

構成案を作成する際に必ず書く要素


構成案を作る際には、次の要素を含めることが一般的です。

冒頭部:アバン

視聴者の注意を引き、動画の引き付けとなる映像です。映像業界では「アバン」「アバンVTR」と呼ばれることも多くあります。視聴者へのメッセージや、呼びかけ、知られざる驚愕事実の通知など、目を引くインパクトのある内容を短く盛り込むことが手法としてよく用いられます。

タイトル:表紙

今回の動画が何を紹介するものなのか、分かりやすくまとめた20文字~30文字程度のタイトルです。紹介内容をまとめた文章の他、会社のロゴをアニメーションで作成したり、イメージしやすい商品映像を加工したり、CG演出などを加えた映像にすることも多いようです。

本文: 詳細な情報提供や物語の展開

その映像のメインテーマとなるストーリを展開します。商品紹介であれば、その特徴や使用することで得られるメリット、使用者の声などを詳しく紹介します。会社紹介であれば会社の歴史や企業理念、経営者のメッセージなどがこれに含まれます。

メッセージ: 重要なメッセージの強調やアクションへの呼びかけ。

映像を締めくくる前にもう一度、視聴者へメッセージを出し、行動(アクション)を起こしてもらえるよう訴えかけます。冒頭で紹介した商品特徴を「まとめ」として繰り返して紹介する場合もよくあります。人材募集が目的の場合は「この人と一緒に働きたい」と思える社員や役員のメッセージを残せば効果的でしょう。

締めくくり:エンド:

映像の最後に付け加え、終了を伝えるためのパートです。商品のカットや会社ロゴ、空撮のイメージ画像などパターンはいろいろです。

台本(シナリオ)と構成の違いと注意点


台本、シナリオにはこまかなテロップの指示や音声、ナレーション文言が書かれています。
対する構成はそこまでの詳細情報は組み込まず、パッと全体を見て流れを理解できるように作るのが基本です。こまかな情報や一言一句まで詳細なナレーションを書いてしまうと、逆に全体を把握しづらくなってしまいます。

その他 構成に書いておくと良いもの


以下、構成に書いておくと良いものを挙げてみました。が、決まりはありません。あくまでも見やすく、全員が内容を共有できることを第一目的として必要事項だけ記入するようにしましょう。

出演者名、もしくは出演者のイメージ像

出演者が決まっている場合に書くのは当たり前ですが、企業側がイメージしやすいよう誰もが知っている著名人を例として記入しておくと全員がイメージをつかむことができます。また、ナレーションを使う場合は「落ち着いた男性ナレーション」「華やかな感じの女性ナレーション」といったようにイメージできる声質を書いておくと良いでしょう。

撮影の要・不要

構成で並べた際に、その内容を紹介するために撮影が必要なのか、不要なのか分かりやすく示しておくと企業側に喜ばれます。また、この段階で写真素材などの有無も確認しておくと後で楽になります。

パート別の目安時間

そのパートがどれくらいの時間をかけて紹介するのか、だいたいでいいので書いておくと全員が映像のイメージをつかむことができ、重要部分がどこなのか理解することができます。

具体例

構成表は全体を把握するためのものなので、詳しく書き過ぎる必要はありません。しかし、各パートを説明する文章だけでは企業側に伝わらないなと思った場合は「展開例」や「ナレーション例」として一部を記載しておくと良いでしょう。ただし、あまり詳細に書き込み過ぎて、何を説明しているパートなのか読んでいて分からなくなってしまうことは避けましょう。

こうした内容を盛り込み、構成を書くことが映像作成の第一歩です。大変な作業に見えますが、逆にここをしっかりと初めに時間をかけて作り込んでおくことで全作業者の仕事がスムーズになり、作品の質も高まります。けっして疎かにせず、構成だけで映像のおおよそのイメージがつかめるようにしておいてください。

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