広告動画のシナリオ作成法⑧~シナリオを推敲する~
【企業VPのプロが教える、広告動画・PV映像のシナリオ制作法】目的に合わせた構成・ナレーション原稿・台本の書き方を解説
さて、構成が終わってすぐにシナリオ作業に取り掛かりたいところですが、ここで急いでは後でトラブルの元となります。構成段階で必ず、よく推敲しておくことをお勧めします。構成段階の見直しは単に品質向上が目的だけでなく、シナリオ担当者以外の企画推進者、その上長、映像制作関係者、各部署の責任者など、関係者全員からフィードバックを受け、シナリオが目指す方向性に合っているかどうかを確認する作業です。全員の意見を統一しておくことで、シナリオ執筆後の修正や完成後の食い違いを減らすことができます。
この時、何よりも大切なのは構成要素の順番です。動画は情報の並べ方ひとつで、視聴者に与える印象や理解度が大きく変わります。特に、長編動画や内容が複雑なコンテンツでは、シナリオの順番が視聴者の共感度や理解度にかなり影響します。
例えば、会社の歴史を紹介する社史動画の場合、歴史を順にたどるのではなく、よりドラマチックな出来事からスタートし、回想として創立時に戻る方がインパクトが強くなる場合があります。また、複雑なソリューションを説明する商品紹介動画でも伝えるべき内容が多いため、情報の順序を誤ると視聴者の興味を引きづらく、理解しにくくなってしまいます。結果、視聴者の感動が薄れたり、コンバージョン率(CV率)にも大きく影響してしまうことでしょう。
構成を推敲する際の便利な方法
構成は俯瞰して大まかなストーリーを組み立てることが目的のため、なるべく簡潔な文章で組み換えのしやすいツールを使うのがお薦めです。一人で行うのであれば、紙とペンで十分ですし、複数人の場合はホワイトボードを使うことも昔ながらの有効な方法でしょう。3-4人で机に向かって作業するのであれば、ポストイットを使うやり方もあります。
その他にも今回は、以下のようなデジタルツールを使い、構成を推敲する方法をご紹介します。
①Google Keepを使う
デジタルな環境で作業する場合、Google Keepを使うのも便利です。まず、シナリオの各セクションを個別のメモとして入力します。それぞれにチェックボックスを付けるとさらに便利。チェックを入れると簡単に削除(下方へと移動)できますし、クリック一つで復元することも可能です。また、チェックボックスの左側の6つの丸印を選択すれば簡単にドラッグ&ドロップして並べ替えることができます。これにより、異なるパターンをいろいろ試してみると、最適な順番を見つけやすくなります。
②PowerPointのスライド一覧表示を使う
商品紹介動画の場合、すでに何らかのPowerPoint資料がある場合も多いことでしょう。その場合、まず必要と思われる要素だけを残し、説明がうまく流れているか確認しましょう。その際、左側にあるスライドの一覧表示機能を活用すると、シナリオを視覚的に閲覧できる他、選択することで簡単に移動が可能なので、より適した順番を推敲しやすくなります。
いろいろ試してみて、自分や職場に合った方法を見つけて下さい。
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