高3の4月、病名確定
鈍痛に悩まされて数ヶ月。
今日も私は病院にいる。
慣れというのは怖いもので、痛みのほかに診察までの待ち時間も慣れた。
朝8時に採血して、結果が出るのが3時間後。それを知ったときの軽めの絶望感。
4月になる頃には、待合室の椅子に座れない体になった。ソファに横たわり、仲良くなった看護師さんが枕とブランケットをくれるようになった。
(あたし、ただの体調不良じゃないよな)
なんとなく、分かってたことが4月になってからはほぼ確信めいていた。
11時ごろ、ようやく私の受付番号がアナウンスされた。
「失礼します、こんにちは。」
「こんにちは、スミさん。今日も体調悪そうやなあ」
「はい」(この頃、あたしは会話するのも億劫になっていた)
「さっそくなんやけど、ようやく病名がわかったから伝えさせてもらうな」
「強直性脊椎炎です」
「はぁ、あ、はい。」
「どんな病気かって言うとな、スミさん前に腰に激痛が走ったって言ってたやろ。そういった症状が出たり、鈍痛があったり。
あとはな、背骨が曲がって硬直することがあります。」
「それは嫌ですね、なりたくありません。」
「そうやんな。だからそのために体を柔らかくしておく必要があんねん。
幸い、スミさんはめっちゃ体が柔らかいからそれを維持してもらうことやな。」
「そうですか。ほかにやれることはありますか?」
「これからは、この病気の薬を今日から処方するからそれを服用してください。」
「あと今日はレントゲンを撮って帰ってください。背骨から仙骨の状態を1週間後に2人で確認しましょう。」
「分かりました。」
「今日はありがとうございました。失礼します。」
キョウチョクセイセキツイエン
きょうちょくせいせきついえん
強直性脊椎炎
だめだ、ピンとこないな。実感もないな〜〜
病気って後から実感くるもの?
こんな体調でもこれから学校だし、、、
今日ようやく病名が確定した。
そして私は、これから「困難」と一言では片付けられない日々が訪れるとは知らずに。