子供を発達障害児にしたいのか?私が発達障害の検査をすすめる理由
発達障害は病気ではないので、薬で簡単に治ったり誰にでも効果的な治療法が存在するわけではありません。
「治療もできないのに自分の子供に障害名をつけてどうするのか?」これは、自分自身が息子の発達に違和感を覚えながら考えていたことです。
私は、この昔の自分の考えを全否定したいと思います。
もしかしたら、世の中に同じような考えを持つ保護者さんもいるんじゃないかな・・だから、私は発達障害の検査を一人でも多くの人に勧めたいと決めました。
だって、もしも我が家が検査を受けていなかったら、とても良い方向に進んでいたとは思えないんです。
今回の記事は、ちょっと真面目なお話です。(いつもふざけているわけではないですよ・・)
発達障害の検査とは?
まず、発達障害の検査について簡単に説明します。検査は特定の医療機関で実施され、知能検査・人格検査・発達検査を含むさまざまな種類があります。
ほとんどの場合は、診察を受けた病院で検査内容が決定し、それに従うことになるでしょう。
我が家の場合は、日本でWISC・マレーシアでは簡易心理テストを受けました。
日本での診断は、発達障害の外来を受け付けている小児科・児童精神科・小児神経科などで実施しています。
ただし、需要と供給のバランスが崩れている状態かな・・大半の場合は診察予約を取るのも大変だし、診断まで何ヶ月も待たされるようです。
私が保護者に発達障害の検査を勧めたい理由
本題はこちら。
私は「発達障害は治療方法がないのに、名前をつけても意味なくない?」と思っていた時期がありました。
そんな私が心を入れ替えた理由は、次のようなものです。
1.困り事への対応方法のヒントが得られる
発達障害児は、思いがけないところにつまずきます。
他の子が着々と成長するのに、逆走してない!?と思うようなこともあるくらいです。そして本人も親も困るんです。それはもう、どうやって学校生活を続けたら良いのか悩みに悩みます。
例えば、息子は勝ち負けへのこだわりが強く、負けると癇癪を起こしてしまうため、我が家ではゲームの機会自体を少なくする対処法しか取れませんでした。
私は「負けても我慢しよう」のような効果的とは言えない言い聞かせしかできず、問題の解決を遅らせたと感じています。
勝ちへのこだわりは発達障害児の特性の一つであり、診断を受けていれば適切な対応をいち早く学べたと言えます。
もちろん、即効性がある夢のような対応がないことは知っています。しかし、何が正しいのか分からない真っ暗なトンネルを進むよりは、ずっと良かったんじゃないかなと思うんです。
2.親が子供のことを理解してあげられるようになる
自分の子供だろうと・・いや、自分の子供だからこそ、発達障害児の特性って簡単に理解できない・・
発達障害児と定型児の両方を育てて思うのですが、やっぱり発達障害児の気持ちを理解するのは本当に難しい!
うちの息子は衝動性が強いので「なんで我慢してくれないの!」と何万回思ったことか!
さらに、発達障害ならではの特性を知ると「わがままに育ててしまった」と落ち込む回数も減らせます。もちろん0回にはできませんけどね。
3.先生や学校に配慮を求められる
発達障害児育児・・人の理解やサポートなしでは成功しません。だって、子供を家に閉じ込めておくわけにはいかないからね。
困り事の内容によって異なりますが、多くの発達障害児には適切な配慮が必要だと思います。
無理に子供を環境に合わせるだけでなく、少しだけ環境を整えて子供のストレスや問題を軽くしてあげるんです。
発達障害児の成長には時間がかかるため、可能な限り多くの人に子供の特性を理解してもらうことが大切です。
4.本人の自尊心が下がりにくい対応ができる
発達障害児はやっぱり学校などで上手くいかないことが多いです。失敗が多く、自尊心が下がりやすいと考えてください。
発達障害の検査を受けることで自尊心が下がりにくくなるとは言えません。
ただ、「なんで自分は上手くいかないんだ」と落ち込んだ時に、明確な理由があるだけで、心が救われると思うんです。
もちろん「発達障害だから仕方ない」なんて心を楽にできるほど簡単なもんじゃないですね。
でも、原因が分からないことほど辛いと・・私は考えます。
もし我が家が発達障害の検査を受けてなかったらどうなっていたか・・・
我が家が発達障害の検査を受けていなかったら・・私は息子の衝動性や多動をただの短気・私の育て方の間違いだと思っていたんじゃないかな。
息子が可愛らしい見た目のうちは、大らかに見守れたと思います。
でも、こちらの心を抉るような悪態をつく思春期まで、寛大な心でいられたかは分かりません。
そして、彼を責めたり追い詰めたりしていたんだと思います。
その結果、彼を這い上がれないほど辛い二次障害に追いやったのかもしれません。
困り事がない・生まれなそうという人は検査を受けなくても良いかも
こんな理由で私は、子供の発達に違和感を感じている方に発達障害の検査をお勧めします。
ただ、同じく発達障害でも困り事が少なそうな特性・環境にいる場合は、発達障害の検査が必要ないかもしれません。
でも・・それって物凄いラッキーな環境で、その環境が大人になっても続く可能性は低いと思うんです。
長い目で見ると、やっぱり自分の特性への理解を深めるために、検査が必要なんじゃないかなと考えるのが私の意見です。
まとめ:発達障害の検査は自分と子供のためにあります
「息子は発達障害ではない」「個性的なだけだ」と思っていた私は、少しでも早く発達障害の検査を受けるべきだったと思っています。
もう1年でも早く。数ヶ月でも早く。
息子への対応をより良いものに変えるために、私には発達障害の検査が必要でした。
もし現段階で検査を受けようか迷っている・検査に意味はないと考えている方は、ぜひ積極的に検査を受けてください。