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日本は発達障害に厳しい?日本での発達障害児育児が辛かった理由を考えてみた

息子は小学2年生時に自閉症スペクトラム・ADHD傾向という診断を受けました。
診断を受けた理由はいくつかありますが、育てにくさは自覚していても個性だろうと自分に言い聞かせていたものが、小学校入学と同時に個性ではなく問題であると学校から指摘されたためです。

幼稚園では許容されていた特性が小学校生活で炙り出され、本人も強いストレスを感じたことで悪化・二次障害(鬱や自傷行為など)まで進んでしまいました。

その後、カウンセリングや投薬も行い、あれこれと悩みました。
最終的に、「発達障害は一生の付き合い・普通であることが難しい彼にとって日本での人生が適しているのだろうか?」と思い、マレーシア留学を決めたというのが我が家が留学を決めた経緯です。(その他にも色々理由はありますよ)

マレーシアに来て大正解?日本の発達障害児に海外留学をお勧めする?そんなこと言うつもりはありません。
発達障害児の海外留学についての考えは、こちらの記事にまとめています。

今回は、日本での発達障害児育児が、なんであんなに辛かったのかな・・というポイントにフォーカスして話を進めたいと思います。

ただし、私は日本の教育に関する問題を訴えたいわけでもありません。
深刻な教員不足かつ日本特有の文化の中で、発達障害児は適応しにくい存在なんだなと考えています。


1.「人に迷惑をかけない」ことを重要視する文化

日本人なら「人様に迷惑をかけてはいけません」「人に迷惑をかけることだけはよくありません」というセリフを聞いたことがありますよね?
昔ながらの日本の文化です。多くの人は「人に迷惑をかけてはいけません」と躾けられたのではないでしょうか?

日本の良い部分である「公共交通機関で騒ぐ人が少ない」「公共の設備をきれいに使う」などのポイントは、「人に迷惑をかけてはいけない」という教育から来ているのだと思います。

しかし、赤ちゃんや子供は大人のように対応できません。うるさいことが迷惑だと言うならば、人に迷惑をかける存在に該当します。
だからこそ、日本は子育てしにくい国だと言われるでしょうね。

そして、発達障害児も同様に人に迷惑をかける存在と認識される機会が多いです。聴覚過敏や感覚過敏、パニックになりやすいなどの特性により、静かにできない・落ち着けないことがあります。

私も特にこだわりが強かった幼稚園入園までの子育てでは、常に肩身が狭い思いをしなければいけなかったと感じています。

2.無意識に普通や常識を求める

最近では国内に外国の方も増えているようですが、日本は単一民族国家だと言われることもあるほど(定義はともかく)日本人がメインでできている島国です。
同じ国の人間が同じような教育を受けて育つと、無意識に「常識」というものを相手に求めます。

例えば日本人に見える外見で手で食事をする大人がいれば、宗教や国籍を考えず「はしたない」と思ってしまうことはありませんか?
例がおかしいかもしれませんが、日本人として教育を受けた人間なら分かること・選ぶであろう選択肢を他人にも常識として当てはめてしまう気がします。

中には、常識を理解することが困難である赤ちゃんにまで常識を求める大人もいるほどです。日本って常識に従うことがとっても重要視されている気がします。

発達障害児は空気がよめない子供が多いです。よめるようになるとしても、他の子供よりも常識を身につけるまで時間がかかります。
パニックになってしまえば、周囲のことなんて見えていません。

3.全ては親の躾の問題であると考える風潮がある

これは日本特有なのかな・・どうなのかな・・正直分かりませんが、発達障害という言葉が一般的になっても、いざ自分が発達障害児と接点ができると「躾の問題なんじゃない?」と捉える人が一定数存在します。

「普通は〜」とか言われたって、普通の育て方をしても普通に育たないから発達障害児なんですよ・・と言いたかった経験は何度もありました。

4.深刻な教員不足

日本の教員は本当に過酷なお仕事のようですね。だから、責めたくはありません。
でも、息子が日本の小学校の先生からされたこと・言われたことは一生忘れませんし、彼と彼女に幸あれとは思わないです。

きっと深刻な教員不足が原因だったのだろうと考え、恨まないようにはしています。その経験があっての今だしね。
思い出したくもないので詳細の説明は避けますが、私が息子が日本の教師から受けた対応は放置・問題を大きくしてからの報告・子供の劣等感を強くする・差別に近い無理解のようなものでした。

日本で教員免許をとった方々なので、発達障害について知らないわけではなかったと思います。多分特別な対応をする時間がなかったのか面倒だったんでしょう。

ただ、私は留学準備の期間もその学校に子供を預けることが耐えられず、2年生の途中で小規模特任校への転校を決めました。

新しい学校では、発達障害児に理解がある先生方に囲まれて留学を悩むほど幸せな学校生活を送りました。
これを書いてしまうと、この記事の意味は無くなるけれど、結局のところ発達障害児の学校生活がうまくいくかどうかは日本というか学校次第ってところもありますよね。

小規模特任校については、こちらの記事で説明しています。

全員個性的で当たり前という多民族国家の心地良さ

何度も言いますが、発達障害児にマレーシア留学を積極的に勧める気はありません。

ただし、マレーシアは「個性を認める」とか「個性を大切に」というレベルじゃないんです。さすが多民族国家。
そんなこと言う必要ないぐらい、生徒個人の個性が認められています。それが当たり前の状態です。

発達障害や個性などの問題ではなく、各家庭は宗教・教育・習慣・・・着るものから食べるものまで違います。
常識ってもんがない(悪い意味ではないです)
「普通じゃない」が当てはまらないんです。だって、「普通」って一定の標準レベルがないと成立しませんよね。

これは、自分がマレーシア人ではなく外国人という立場でマレーシアに暮らしているから、さらにそう感じるんでしょう。

とは言え、マレーシアでも日本人ママコミュニティは存在するので、気になる方はこちらの記事も参考にしてください。

まとめ:楽ではないけど日本より海外の方が楽なんです

何言ってるの?↑って締めくくりです。
結局、日本の方が安全面や家族のサポートの面では楽。けれど、海外の方が気持ちは楽。私は後者の方を優先した生き方がしたいかなと思っています。

そして、子供も今の学校が大好きで今の生活をずっと続けたいと言ってくれているのが嬉しいですね。

自分の決断が正しかったのかという答えは、きっと一生出てこないでしょう。ただし、現段階では発達障害児連れの海外留学という選択をして良かったと思います。

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スミレ🇲🇾発達障害児支援士
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