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繰り返し同じ行動をする特性への対応

発達障害児の中には、意味不明の行動を繰り返し繰り返し行う子どもがいます。
その行動の中には、好ましくないものがあるのも事実・・・しかも簡単には止められません。

例えば、体を前後にゆする・飛び跳ねる・壁に体をぶつけるなどが代表的な繰り返しの行動で、「常同行動」と呼ばれます。

息子の場合の常同行動は次のようなもので、そのうち半分くらいは今も残っている感じです。

  • 手を広げてぐるぐる回る

  • ひたすらオモチャのタイヤを回し見つめる

  • テーブルなどの周りを歩き回る

  • 体を前後に動かす

  • テーブルをこついてリズムを取る

  • エアドラムをする

  • 定規など平たく手のひらサイズの形状のものを回し続ける

  • 壁に体を押し付ける動作を繰り返す

  • 頭を壁にぶつける

  • 貧乏ゆすり

息子が自分で意識して行っていることは、定規回しとテーブルの周りをぐるぐる歩くことで、両方とも「心が落ち着くためにやる」と言っています。
学校では、可能な限り上の行動を我慢できているようですが、100%とは言えません。

今回の記事では、常同行動の理由や対策について説明します。


発達障害児が常同行動をする理由

発達障害児が常同行動をする理由には、次のようなものがあります。意味不明な行動にも意味があることを知ってあげてください。

安心感を得たい

いろんなことに不安や不快を感じやすい発達障害児。
無意識のうちにいつも通りの行動をすることで、安心感を得ようとしている可能性があります。
そのため、特に不安な状況の時には、常同行動が増える・悪化することも珍しくないんです。
これは常同行動に含まれるのか微妙なところかもですが、息子は緊張でトイレが異常に近くなります。
ひどい時とか10分おき!(笑)

刺激を得たい

発達障害児の中には刺激を求めて常同行動をする子供もいます。
わざと音を出して聴覚を刺激したり、自分をつねって痛みを感じたりなど、独特の感覚があるんです。
息子は音を出すことで心が落ち着く傾向があるようです。

時間の使い方が分からない

発達障害児の特性として、時間の使い方が分からない子供は多いです。
ふとした手持ち無沙汰の時間に何をしたら良いのか分からないから、いつも通りの行動を繰り返してしまうんです。
授業中とかね。暇な時間ではないはずだけど、集中力が切れると常同行動が始まってしまうことがあるようです。

常同行動にこだわりを持っている

これまた発達障害児あるあるですが、発達障害児は何らかのこだわりを持っている子が多いです。
だから、「常同行動=いつも通りの行動」として、こだわりの一つとして心と体に定着していると、常同行動を少なくしたり止めたりすることがさらに難しくなるんですね。

常同行動を無理矢理止めさせてはいけない

常同行動は無理に止めるのはいけません。
無理矢理常同行動を止めさせたり禁止したりすると、ストレスのせいで症状が悪化する可能性があります。

常同行動の多くは成長とともに少しずつ緩和していくため、学校と相談しながら見守ってあげられると良いでしょう。

無理解は登校拒否や二次障害につながる

「なんでそんなことするの」「変なことばかりする」のような常同行動に関する無理解は、登校拒否や鬱などの二次障害につながる可能性があります。
自分が無意識にやっている行動で周囲から反感を買ったり否定されるので、その場に行きたくなくなるのも仕方がないことです。

しかし、クラスメイトの反応を保護者が変えることは非常に難しく、場合によっては転校を含めて環境を変える必要性も考えるべきです。

うちの場合、学校への理解は求めていますが海外ということもあり、一部の先生には理解されていないです。(説明しても認めてもらえない状態)
ただし、日本と比較して落ち着きがない子供が多く、クラスでそこまで目立っているようでなない(らしい)です。

ゆっくり見守れない常同行動には改善策が有効かも

常同行動全てが長い目で見守れるものとは限りません。
自傷行為や社会的に許容できない行動が、常同行動になる可能性もあるんです。
そんな時には、次のような取り組みで常同行動の頻度を減らせると良いですね。

常同行動時に別の行動に促す

常同行動は本人が意識せずに行っている場合が多いです。例えばぐるぐるテーブルの周りを回っている時とかに「〇〇を手伝ってくれる?」「これ、見てみてよ」などと話しかけ、常同行動の頻度を意図的に減らしていくと良いでしょう。

手持ち無沙汰の時間を減らす

学校では休み時間にやるべき行動を明確にするなどの方法で、手持ち無沙汰の時間を減らせます。
やることがない状態に不安を感じる子供には有効ですが、学校と強い協力体制を整える必要があります。

代行行為を提案する

好ましくない常同行動を別の行動に置き換えることが可能なら、その手を使っても良いでしょう。

例えば、ADHDが好きな常同行動を思う存分楽しめるルービックキューブ(回す感覚が心地良いらしい)・ポップイットや粘土(指先の刺激を楽しめる)などが効果的と言われています。

息子はルービックキューブが大好きなので、学校が「持ち込み許可」を提案してくれたのです。
しかし、なんせ思春期ですから・・他の子と違うものを持ち込む行為を本人が嫌がって実現できていません。

実現できたら効果的だと思うんですけどね。こればっかりは仕方ない。

まとめ:やっぱり簡単には改善しないから根気良く

発達障害児の育児ってこんなのばっかり。年単位でじっくり向き合っていくと、いつの間にか改善していた・・とかね。

冒頭でもお伝えしたように、息子は13歳でも常同行動をしています。
でも、他人に迷惑がかからず自分の心を落ち着かせるための行為を自分で知っているって、悪いことじゃないんじゃないかな。

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スミレ🇲🇾発達障害児支援士
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