香りと逃避行 vol.1 ライム
新型ウイルスに脅かされた憂鬱な春の週末。
追い討ちをかけるような季節外れの雪。
すっかりしぼんでしまっていた私の心にスイッチを入れたのは、青々と輝くエネルギーに満ち溢れたライムの香り。
急かすように軽快なリズムを刻む陽気な香りは
なにウジウジしてんだよ!お前がやらなくてどーするんだ!
と全てを笑い飛ばしているかのようだった。
そうだ、私にできることは必ずある。
今の状況だからこそできることだってある。
あぁ、やっぱりじっとしていてはいけないんだ。
ライムの高らかな声に背