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”ブータン潜入前夜” ~世界一周旅日記~ ブータン編 【第六章:第11話】雲と地平線の間
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7/13
インドの東、ここにブータン王国という国がある。
人口約60万人くらいの小さな国。
この国はほぼ鎖国状態であり、
もし外国人がこの国を旅行しようと思うと、
滞在のための公定料金が1日200US$と決められていて、
あらかじめアレンジされたツアーでしか旅行ができない。
チベットが中国に併合され、
シッキムがインドに併合された。
それを隣で見ていた小国ならではの知恵というところか。
この国は、今も独特の文化、伝統を保ちつづけている。
入るのが困難。
そういう言葉を聞くと入りたくなるのが旅人。
でも1日に200US$も消費するわけには行かない。
[ブータン]
僕は、
この国に潜入を試みることにした。
7/14
昼1時。
インド北部の町、シリグリという町に着いた。
ここからブータンとの国境の町、
ジャイガオンまではバスで3時間。
まず、ジャイガオンまで行き、
国境の様子を確かめてから、
徒歩で国境を越えてブータンに入ることにする。
国境を越える方法としては2つ。
ブータン人と日本人は顔が似ている。
1、そこで、ブータン人のふりをしてなにくわぬ顔で、正規の国境のゲートを通過する。
しかし、もちろん正規のゲートは入国管理官が監視している。
ごまかせるかどうかは微妙。
そこで、2つ目の方法。
2、正規のゲートを通過しなくてもブータンに入国できるような抜け道を探し、そこからブータンに入る。
2つの方法の内、
どちらの方法を使うかはまだ決めていない。
とりあえずバス停まで行き、
ジャイガオン行きのバスチケットの購入を試みる。
これは問題なく大丈夫なはずだ。
いや、はずだった。
問題が発生した。
シリグリとジャイガオン間の町で、
ストライキがおこなわれているため、
現在ジャイガオン行きのバスは運行していないという。
困った、どうしよう。
(ブータン潜入をあきらめコルカタに行こうかな。
コルカタか‥‥。
シャワーも浴びれるし、日本人もいるだろう。
それに、ジャイガオンまで行ったところで、
無事ブータンに入れる保証だってないし。)
実は、もう5日間シャワーを浴びていない。
別に浴びるのが面倒くさかったわけではなく、
浴びれなかったのだ。
それに、最近日本人と会っていないので、
もう半月ほど日本語を話していない。
結構、母国語というのは重要なもので、
長い間、母国語を話していないと辛くなってくる。
別に全員がそうというわけではなく、
僕だけなのかもしれないが。
気持ちはブータンではなく、コルカタ行きに傾いていく。
その時、
「Do you want to go to ジャイガオン?(ジャイガオンに行きたいんですか?)」背後から声がした。
振り返ると日本人のような顔の若者が立っている。
(ブータン人だ!!)
「いや、ジャイガオンに行けないようなので、
コルカタに行こうかな、と思ってるのですが。」
「僕はこれからブータンに戻るところです。
そのためジャイガオンまで行かなければいけないのですが、
現在、ストライキのために行けません。
でも、どうにかしてジャイガオンに行こうと思っています。
あなたは1人ですか?」
「ええ、1人です。」
「なら心細いでしょう。友達が必要でしょう。一緒に行きませんか?」
「う~ん。」
僕は考え込んだ。
正直、コルカタ行きに心が決まりかけていて、
やっとコルカタで一息つける。
と、心がウキウキしていたところだ。
(断ろうかな。)
と思ったとき、
僕の心に、1つの声が話しかけた。
(今の機会を逃がすと、
一生、ブータンに行く機会なんてないんじゃない?)
僕は戸惑いながらも、
「じゃあ、ジャイガオンに行こうかな。」
と少し、あいまいな感じで返事をした。
3時間後、僕は、
ストライキがおこなわれている町を回避しながら、
回り道をしてジャイガオンに行くという、
特別に用意されたバスに乗っていた。
このバスは、
ジャイガオンに住んているインド人、
ブータンに戻るブータン人のためのバスらしい。
ブータン人の若者はソナム・テンジンという名前で、
現在ブータンを離れ、インドのシリグリのIT関係の会社で働いている。
ソナム・テンジン
今回、久しぶりのブータンへの帰郷ということだ。
ちなみにブータン人は、
自由にインドとブータンの間の国境のゲートを通過できるらしい。
たまに身分証の提示を要求されるらしいが。
午後、6時。
無事ジャイガオンに着いた。
手ごろなゲストハウスを探し、
そこに宿泊することにした。
ゲストハウスから50Mくらい歩いたところに、
インドとブータンを隔てる国境の門が見える。
ブータンとインドを隔てる国境の門
明日、ブータン入国にトライしてみる。
<次号の旅日記は2月3日です!>
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