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”瞑想修行の感想” ~世界一周旅日記~ ネパール編 【第五章:第7話】雲と地平線の間

これまでの旅日記はこちらをご覧ください↓


瞑想修行を終えて


[僕の感想]
(何かがあるのではないか?)

そういう期待とともに瞑想修行に挑戦したわけだったが、
ブッダの言葉、その教義を学ぶにつれて、
だんだんと熱意が覚めていく感覚を感じたのを覚えている。


ブッダは、

「欲を持ってはならない。
欲があるから人間は苦しむ。
この世は苦しみの世界である。」

と説く。

しかし僕にとって
そういうブッダの教えは、

(なんか綺麗すぎじゃないだろうか?)
(そんな優しい考えでは、日本ではやっていけないのではないだろうか?)

そんな印象を受けてしまった。


そのため、
実際、
瞑想中でも心は落ち着かず、
気が付くと、
瞑想以外のことばかり考えてた気がする。


しかし、6月7日。

(受け入れられない部分は受け入れず、
受け入れたい部分だけ受け入れよう。)

そう考え方を変え、
本気で修行に取り組むことにした。
それからは一生懸命修行した。
結果は「解脱」に至る事はできなかった。


話は変わって、
宗教というのは宗教哲学という言葉もあるように、人生の哲学だと思う。

以前、哲学者、竹田青嗣さんの著書で、

「哲学とは、物事を多方面からとらえる考え方を学び、
人生をより良く生きるための学問である。」

というような文章を読んだ。


2500年前といえば、
物理も数学も生物学も、
ほとんどの学問が哲学の一分野であった時代。

哲学という学問が、絶大な力を持っていた時代の哲学。


その哲学を、
実際に体験によって会得しようとする経験ができたのは、
とても良い学びになったと思う。

瞑想は、
最初、自分を観察するにつれ、
物事が生まれては消えていくことを感じた。

かゆい、という感覚が生まれては消えていく。
こそばゆい、という感覚が生まれては消えていく。

精神が集中すればするほど、
体の微細な変化を感じ取れるようになる。

もうかゆいとかこそばゆいとかそういう感覚ではなく。
プチプチとした何万という泡のような感覚が、
体にあらわれては消えていくという感覚を味わいだした。


『無常観』
つまり、物事は常に変化しているという現実が、
自分の体にもおこっていることを実感した。
自分の中にも宇宙が存在していることを認識した。


その後、世界に目を向けてみた。
(あぁ、物事は常に生まれ消えていく。
今も、たくさんの生命が生まれ、そしてたくさんの生命が
消えていっている。
そういうものなのだ。
この宇宙はそういう構造なのだ。
僕もその生まれ消え行く一つの存在にすぎないのだ。
なんて僕はちっぽけな存在なのだろう。)

そして思った。
(こんなちっぽけな僕は生きている価値はあるのだろうか?
生きていてもしようがないのではないだろうか?
それならばいっそこの世から消えてもいいんじゃないだろうか?)

その後、別の感情がわいてきた。
(ちっぽけな僕の命。
ちっぽけな自分のために使ってもしょうがない。
どうせちっぽけな命だ。
この命、人のために使おう。)


その後、仏陀が生前に話した言葉を学んだ。
「お金は少ないと苦しい。
しかし、お金は多くても苦しくなる。
だから、余ったお金は人々のために使いなさい。
人々のために使ったお金はまた別の形で自分のもとに戻ってきます。」


そして僕は思った。
(そうか。そういう生き方があるのか。
余ったお金は人のために使う。
そうすることにより、
仕事はもはや自分のためにする仕事ではなくなる。
その仕事は人のために人の役に立つためにしている仕事なのだ。
そこには大義がある。
それならば、
大義があれば、
仕事、
今まで以上に本気で頑張ることができる。)


今回、この修行に参加し、
人に対する見方、
考え方が、
やさしくなれた気がする。


これからも自分で瞑想を行い、
今後の人生に生かしていければ、
と思う。


瞑想をした他の日本人にインタビュー

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[M.Iさんの感想]男性(28)東京出身

学生のころに一人旅をしたことがある。
その後、メーカーでプログラマーの仕事につき、
今回、仕事をやめて旅にでた。

日本から上海へ船で渡り、
中国、ベトナム、カンボジア、タイ、ラオス中国、チベットを抜けて現在ネパール。
今後はアジアを横断し、ヨーロッパへ行く。
その後は、
シベリア鉄道でロシアを横断し日本に近づくか?
それともアフリカへ行くか?
それはまだ未決定。
現在までの旅の期間は5ヶ月。


「静かな暮らし、っていいよね。
瞑想の感想とは関係ないけど。

瞑想中は心が落ち着かないってのが良く分かった。
でも、それも日が経つうちに落ち着いてくるよ。

でも、ヴィパッサナになったとたんに、
体の痛みとの闘いだったような気がする。

スッゲー座るのつらくって。
痛みを消せる時ってたまにあるけど、
油断するとすぐ出てくる。

油断・・・、なのかな?

流れる感じを感じた時は気持ち良かった。

あと2,3回変な感覚におそわれて、
1回、顔の左半分が無くなった感覚があって、
ドロッとくずれた感じで、
気がついたら新しい顔があった。

トリプってんのかな?

自分の心臓の部分あたりにくずれた腐った顔があるんだよね。
でも気がついたら新しい顔があるんだよね。

あと、左から右への流れがおきて、
右へどんどん流されていくっていうか、
上手く言えないんだけど、
自分の本体はあるんだけど、
変なものが右へ流れていくっていうか。

難しいね。言葉っていうのは。

今は終わってなんかすっきりしている。」

『日常では瞑想を続ける?』

「トライしてみるけど、
続ける自信はちょっとないな。
三日坊主で終わりそうな気がする。

本当、ここの静かな暮らしはいいな。
すごい落ち着く。
こんな生活がたまにはあってもいいかな。

ぜひ興味のある人はやってみてください。
いいんじゃないかな。
こういう経験。
こういうのは試さないと分かんないよ。」

『話変わるけどさ、なんで旅に出たの?』

「はじめてバックパックしょって旅に出たときに、
学生の頃だけど、
その時に、
アジア横断をした人に出会って羨ましかった。
いつかやろうと思ってた。」

『今までの旅で得たものってある?』

「生きる。ってのは楽しいことっていっぱいあるな、って。

働いてた時ってすごいつまんなかった。
すごく落ちてた。

でも、働いてる時でも、
旅のことを考えてる時は落ちてる気分が無くなって。

あと、旅に出てから、
見るべきものとか体験するものがたくさんあるな、って思って。
本当楽しい。

だから、今思うと自殺する人ってすごくもったいないな。
って思う。」

『最後に言い残したことはある?』

「今日、瞑想中に、
ジーパンのおしりのところに金具がついてるんだけど、
あぁ、これが今まで痛い原因だったんだ。
って気付いて。
最終日になってこんなことにやっと気付いて、
なんか、普段の生活にもいろいろ見落としてるものあるんだな。
って思った。」

「ありがとうございました。」

(瞑想中は、
気持ちを制御することにより、
足や背中の痛みを消すことはできる。
これは、僕も体験し、驚いた体験の一つだった。
正確には、痛みを消すというより、
例えば足であれば、
自分の足が自分の足じゃないような感覚。
そういう感覚だと思う。

彼は、路地裏のようなところにある、
安い地元の料理店などを発見することが得意な人だ。
一人でいろんなところを歩いてるんだな。
と、よく感心させられた。
カレーも現地の人と同じようにスプーンを使わずに素手で食べていた。)



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[M.Hさんの感想]男性(21)山形出身

今回がはじめての一人旅。
日本ではアルバイトをしていた。

日本から上海へ船で渡り、
中国、チベットを抜けて現在ネパール。
今後はアジアを横断し、ヨーロッパ、アフリカへ行く予定。
現在までの旅の期間は2ヶ月半。

「やっぱ思ったのは、
心っていうのは純粋さだけでは駄目だと思うんですよね。
それだけでは人を救えないと思う。

ブッダは純粋な人だけが人間を救える聖者になれるというけど、
聖者って本当に完全に解脱できたのかな?って思う。
(※完全なる解脱:日常生活を捨てて、一生瞑想修行の人生を送ること)

僕だって完全に解脱しようとしたら家族とかとめると思うし。

瞑想というのは心を安定させてリラックスさせる面においては凄くいいけど、
のめりこむのはどうかな?と思う。
だから僕は完全に解脱なんてことはできないし、
人間として生きていきたい、と思った。」

『何のために旅に出たの?』

「実は冒険するのにあこがれて旅に出た。
例えば、南極に行ったしらせの隊員のように。

新しいものを見つけて価値観を変えたいと思った。

日本では、友達にも、
危ないんじゃない?
とか、
親にも、
どうせ途中で帰ってくるだろう。
って言われたし、
・・・・・・・・・・・
今でもそう思ってるって思うけど。

あっ、あと、絶対っていうものは存在しないと思う。」

『えっ?絶対?どういうこと?』

「人って固定観念に縛られる。
普通の人と違う生き方、
ライフスタイルをしたいな、と思う。
あと、挑戦というものにあこがれる。

まあ結婚してたらこんなこと言えないっすけどね。

修行中、
○○くん(←途中で修行を辞めて去った日本人のこと)がいなくなった時は、
先を追い越されたな。
という悔しい気持ちと、
でも何かがここで発見できるかな?
という、不安と期待が入り混じった。」

『こういうヴィパッサナの瞑想修行を缶詰形式で修行する機会がまたあったら、やる?』

「もし自分の心が弱くなったらやるかもしれない。
でも、日本だったら瞑想じゃなく陶芸をやってるかな。」

『日常では瞑想を続ける?』

「多分。たまにやると思う。
瞑想すると体がポカポカする。
お風呂につかった後のように。
だから健康法として続ける。

多分【気】だな。

でも、ブッダの教えのように瞑想で世界を救えるとは思えないけど。

ここに来たときは、
小津安次郎のようになれるかな?

と期待はあったんですけどね。」

『旅に出てから得たものってある?』

「やっぱオープンなスタイルになりましたね。
でも、たまに消極的にもなるしな。
やっぱ、まだ得てないっすね。
やっぱ、日本に帰ってから気づくのかな、と。」

『なんか言い残したことはある?』

「遺言ですか?」

『違うよ!このインタビューでだよ。』(笑)

「遺言になるとめちゃくちゃ長くなってしまいますよ。(笑)

とりあえず明日を頑張ろう。
頑張っていきまっしょい。」

「ありがとうございました。」

(彼は、普通の人とは全く違う感性を持っている。
ある人は彼に対してこう言った。
「M.Hくんてさ、
M.Hくんの才能に気付いて能力を開花させてくれる人があらわれると、
天才になれると思うよ。
馬鹿と天才は紙一重って言うけど、
そこが馬鹿になるか天才になるかの分かれ目だと思うよ。」
僕は試しに、紙と鉛筆をM.Hさんに渡し、絵を描いてもらった。
M.Hさんは2時間ほど絵を描きつづけた。
そして、彼は言った。
「いやー、絵を描きだすと、とまらなくなっちゃうんですよね。」)
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今回、
バックパッカー達からいろんな話しを聞いてみて、
面白いな。
いろんな考え方があるものだな。
と思った。

これからも、
旅で出会うバックパッカー達にインタビューし、
それらの考えもここで伝えていこうと思う。


<次号の旅日記は12月13日です!>

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