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”瞑想修行終了!” ~世界一周旅日記~ ネパール編 【第五章:第6話】雲と地平線の間

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6/4(瞑想修行その4)

去った日本人が書き置きを残してたのを今日発見した。

僕がてこずったチベットの道。
彼も僕と同じく、
チベットの道を闇ルートでヒッチハイクで通過してきた人だった。


強い精神と高いプライドの持ち主だった。
そのプライドのせいで、
たまにネパール人と口喧嘩をしたりもしていた。

彼とは、カトマンドゥの町で1週間、
食事をしたり町を見学したりして行動を共にしていた。


手紙の内容を簡単に書くとこうだ。

「俺には瞑想は少し早かった気がします。
本当はもう少し頑張りたかったけど、
去るのならすぐに出て行くように。
という向こうの都合もあるのでしょうがないです。
もう少し大人になったらまたやりたいです。
カトマンドゥで一緒になれて楽しかったです。
俺は一足早くインドへ行きます。
スミさんとは南米までの道のりでまた会うかもしれません。
では残りの日数がんばって修行して身につけてください。
ではまたどこかで!」


手紙を見て思った。

悔しかっただろうな。
話すことも禁じられている。
誰にも
「さよなら。」
も言えずに去るというのはどういう気持ちだったのだろう。


明日からアーナ・パーナの瞑想修行からヴィパッサナの瞑想修行になる。

2500年前の話。
インドには、
ブッダが、
1万人強の人々にヴィパッサナを教える
広大な瞑想センターがあったらしい。

ヴィパッサナはこれまでより大変らしい。
いったい何をするんだろう。


6/5(瞑想修行その5)

辛い。
瞑想中、
体を動かしてはならない。
目は閉じていなければならない。
背筋は伸ばさなければならない。


頭がガンガンする。


そんな瞑想を1.5時間から2時間続けて、
5分休憩したらまら瞑想がはじまる。


休憩中。
皆、暗い表情で、下を向いている。
人と目をあわせたらいけないので、
必然的にどうしても下を向くようになる。

(坂本九の「上を向いて歩こう」が不似合いな場所だな。)
と思った。


何にもすることがないので、
僕も暗い顔をして
地面とにらめっこしながら
ため息をついた。


6/6(瞑想修行その6)

杖をついているおじいさんも修行している。
頑張ろう。


1000人の人を殺す。
とう誓いのもとに、
多くの善良な人たちを殺して、
その人たちの指をつないで首輪にしていたという
「アングリ・マーラ」


彼でさえもブッダのもとでヴィパッサナを修行することにより
聖者になった。


聖者になった後、
人々を救うため様々な村をおとずれるが、
中にはアングリ・マーラを見て石を投げつける人もいたらしい。
それでも彼は怒ることなく、
体から血を流しながら、
慈しみの心で人々に奉仕をしたらしい。


休憩時間。
僕は建物の屋根にいる鳥を見ている。
近くのネパール人が、
道の真ん中をのろのろ進んでいる
かたつむりを持ち上げ、
人に踏まれないように近くの花のところまで持っていく。
そして、その動きをジッと見ている。

そんな静かな時間が流れている。


6/7(瞑想修行その7)

決めた。
これから本気で修行に集中する。
そのため日記をここで終了する。


6/11(瞑想修行その8)

今日は修行の最終日。
まだ修行中だけど、
聖なる沈黙も解かれた。

日常に戻った時、
ギャップでショックがおきないようにするために、
とのことだった。


あぁ、これからは何でも話すことが出来る。
僕の声が返ってきた。
おかえり、僕の声。
これから僕は自由だ。


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修行最終日を示す看板


「明日ワールドカップだよ。
うまい飯を食って、
ウィスキーを飲んで、
いやぁー、明日から幸せな毎日だな。」

そんな僕の話を聞いていた日本人は、
うなずきながら笑って言った。

「あぁー、肉が無性に食べたい。」

次号の旅日記は、修行の感想、12月8日です!


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