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【11月号】花澤香菜 前編(2008年~19年)

序文

私が声優さんを好きになって25年間。今年1月からいろんな声優さんとの思い出を書いてきましたが、今回の花澤香菜編が最終章になります。

追憶と指先、恥の多いメールをたくさんを送ってきました。本当に。

きっと未来の私が今の私を振り返っても、あーやだやだ思い出したくないと思うこと、いっぱいあります。でも、ラジオにお便りを送っていると、投稿メールという形で、その時々の私の感情や想いや空気がそのまま残っています。触れてみたら、想像していたよりも面白くて、なんだ結構頑張ってたじゃんなんて勇気づけられたりして、そんな風に私の人生はその日を何とかドタバタと乗り越えてきた戦友とも呼べる過去の私の上になりたっているのでしょう。

今もはじめてのお便りが採用されて喜びに震えた私が、生電話で緊張して何も喋れなかった私が、フリートークで名前を出してもらって誇らしい私が、私を支えてくれています。

ずっと先の未来のことは分からないけれど、今日も私は明日の自分の背中をお便りでぐっと押してあげようと思います。振り返ると楽しくて、素敵な、悲しくて切ない、そんないくつもの思い出。そして遥か遠すぎない指先で触れられそうな未来。

そんな花澤香菜さんが書いた詩をパロディにしてしまうほど、好きで好きで恋い焦がれた花澤さんとの思い出を振り返っています。

2008年~19年3月までの前編。19年~24年までを後編として二部構成。
有料で公開するのは、『はじめに』でも書いた通り、自分の心のうちにあるものを赤裸々に書くからです。

『花澤香菜のひとりでできるかな?』は3年周期で干しいも不思議ちゃん期 (2008~) 百合期 (2011~) パン期 (2014~) ラジオ期(2017~)ノロケ期 (2020~)に分類できるとご本人に進言したことがあります。

これを発表したのは2022年で、ノロケの期の次を付け加えるなら、テレビ出演が増えたぽかぱか期(2023~)と言ったところでしょうか。

この概念はNoteでたびたび登場するので、この分類を念頭に入れながら読んで頂けると幸いです。


干しいも不思議ちゃん期 (2008~) 

初期のキャッチフレーズは『水際のエンジェル』森ガールを目指して、ふわふわしてました。

2008

2008年1月『花澤香菜のひとりでできるかな?』がスタートしました。

3月号で記載した通り、私は前年に開局した超!A&G+にどっぷりハマって、とくに超ラジを担当していた喜多村英梨さんにラジオ投稿の魅力を教えて貰って、超!A&G+の番組はほぼすべてチェックしていたので、初回から番組をリアルタイムで聞いています。

この頃、超!A&G+で自分の世界が広がったことにより、喜多村さんともう一つの柱を探して、好きになる声優さんを探していていました。

候補に上がったのが、豊崎愛生さんと花澤香菜さんです。

2008年1月、ラジオどっとあいを担当したのが豊崎愛生さんで『豊崎愛生の冬のあきまつり』と『花澤香菜のひとりでできるかな?』を聴き比べて、二人ともほんわかした雰囲気が似てますよね。結局、顔が好みということで、私は花澤香菜さんを選びました。

超!A&G+では、木曜日の22時から豊崎愛生のおかえりラジオ、23時からリピート分で花澤香菜のひとりでできるかな?が放送ているので、今でも二人が並びでラジオをやっていることが不思議ですね。

はじめて番組を聴いた感想はmixiの日記と、手帳の日記に残していました。2つとも原本を載せますが大変読みにくいので、原本は流し飛ばしてください。

mixiの日記は、昔のインターネットのノリ+当時の私は国語力が非常に乏しく、それに加え金曜日の深夜3時30分に更新しているので、お酒を飲んでいた可能性も高い。今の私が読んで、現代語訳を書きました。

mixiの日記 原本

現代語訳

私は基本ダメ人間ですが、今週はもっとダメ。あっという間に2月の一週目になってしまった。時の流れの速さが恐ろしい。

今週はずっとスマブラXをプレイして、隠しキャラとステージを出し終えました。本当に堕落した生活。ラジオ、アイドル声優、スマブラ、ネット、酒、迷走※1

そんな中。いま、花澤香菜が来ている。ビッグウェーブ、NINTENDO64のゲーム、ウェーブレース64でもこんな波は来ない。

彼女のラジオをはじめて聞いた時、能登麻美子さんのひとり喋りを聞いた時と同じインスピレーションを感じた。

この子は何かを起こす。基本はリラックスできるトークなのに、時折危険な部分がある。

公式にすると、能登麻美子+小林ゆう=花澤香菜。
花・ザ・ワールド。スケッチブックを持ったまま、ほにー!!

今年は4月に『ToLOVEる』のアニメが放送して、とんでもないバブルが起きるから、主要キャストの戸松遥と花澤香菜は今のうちに注目しておけば、後々「俺、注目してたんだよね」って言える。

『ToLOVEる』なんて、2007年版、三大オタク病※2でしょ?
ハヤテのごとく、ToLOVEる、平野綾。今年は花澤香菜のブーム来るって!

※1 当時はヨガの瞑想をやったことがないので、迷走か酩酊の誤字。
※2 自分で作った造語。ハヤテのごとくが好きな友人を揶揄ために作った。

2008年2月2日

花澤香菜のひとりでできるかな?の第3回放送が2008年2月6日なので、1回目と2回目を聞いて、この感想です。先見の明、ちょっと凄くないですか?

これが2008年2月2日のネットの日記。紙の日記には第3回で採用されたことを受けて、同年の2月9日に花澤香菜さんについて書いていました。

公開する前提で書いたネット日記がここまで読みにくいということは、誰にも見せることのない紙の日記は私にしか解読できません。当時の生活も書いているので、原本は有料パートに載せます。

2008年2月9日(土)雪と香菜と。
1ページ目 表 当時の一日。
2ページ目 裏
今、花澤香菜(18)が気になってしかたない。
今まで、年下の声優を好きになるには抵抗があったが、後輩と接するようになって、抵抗が薄れたのかも知れない。平成生まれにまったく抵抗がない。
清水愛を好きになって5年。今度、愛ちゃんは舞台(乙女企画クロジ☆第六回公演『桜屋敷の三姫』)をやるらしい観に行ったら、新人声優への想いを断ち切れるだろうか。今は分からない。

花澤香菜のラジオはここまで私を虜にするのだから、すごい。ふぁーふぁっさーなど感性の宝石箱。それに聴いていると、いろんなラジオバングに投稿しているハガキ職人がいない。メールに温かみがある。いいファンを持った声優は伸びる。昔、小林ゆうの一人喋りを聴いた時、同じことを感じたのだ。この子は伸びる。私は本気でメールを出すことにする

2008年2月9日

清水愛を好きになって5年! この言い方、今も好きです。

元ネタは『ど根性ガエル』で永井一郎さんが演じた町田先生の「教師生活25年!」ですね。当時は若かったですし、5年も応援すれば、永遠に応援しているように感じたんでしょうね。

2月号に書きましたが、2008年の私はまだ清水愛さんに夢中でしたが、どこかで新しい可能性を模索している所に、喜多村英梨さんと花澤香菜さんに出会いました。

当時はそんな言葉はなかった思いますが、推し変することへの葛藤が観られますね。

初採用が第3回放送分と書きましたが、ラジオネームは今と違います。
当時は複数ラジオネームを持っていて、違う名前で採用されていました。
スミノリ名義での採用は第4回からです。

第3回はテーマに沿った曲を募集する『香菜に聴いてほしいかな?』
このコーナーで初期のキャッチコピー水際のエンジェルが誕生したわけですが、初回のテーマ・いちご大福を食べた時の喜びを表現する曲で、私は James Blunt 『You're Beautiful』を投稿しました。

16年前に書いた初メールが「あなたは美しい!」で、今年も「僕は花澤香菜さんが大好きです」って書いたお便りが採用されているので、変わらぬ愛を貫いている自分を褒めてあげたいですね。

第4回、スミノリ名義の初採用は悩み相談になります。2つとも当時採用されたメールを引用したいのですが、番組初期に投稿したメールは、サービスが停止したフリーメールで送信していたので、原本が残っていません。

第4回の紹介と採用された感想はは2015年の公開録音に、番組を振り返る企画で、初期の思い出として送っていました。

香菜たん もふもふ~

ひとかなの思い出ですが初期コーナーの『お悩み相談のれるかな?』が印象に残っています。僕は勉強が長続きしないという相談を送ったのですが、
「ご褒美があったら勉強も頑張れると思うから、頭にチョコレートをぶら下げて勉強すればいいと思うよ」という、冗談なのか本気なのか分からないお答えを戴いたのを覚えています。

今でもふつおたで悩み相談に載っていますが、その回答を聴く度、
花澤香菜はしっかりしたなぁと時の流れを感じています。

『花澤香菜のひとりでできるかな?』2015年8月26日放送分 
(収録は8月2日)

そもそもリスナーの分母が少なったこともあり、一年目もまあまあ、読まれています。初期に採用されていて、今でも、リスナーとしてラジオ番組で名前を聞くリスナーは2,3人。

ひとかなに投稿しているリスナーは私だけになりました。番組から離れることはよくあることですが、結果的に、私ひとりになったので、命ある限りひとかなへの投稿は続けるつもりです

余談ですが、このメール2015年のメールは私が花澤さんのことを最後に香菜たんと書いたメールです。

第6回2008年3月19日放送分で花澤さんと書かれていたメールを読んで、花澤さんはサザエさんだから、香菜ちゃんか香菜たんで呼んで欲しいと言っていたので、私はずっと香菜たんを使っていましたが、上記の通り、初期からのリスナーも居なくなり、2015年の段階では香菜たんとメールに書くリスナーは私だけになっていました。

それも、この採用メールで香菜ちゃんと訂正されたので、以降は香菜ちゃんでメールを送っています。


2008年11月、映画『桜の園』が公開されました。唐突に映画の話になったので、花澤香菜さんが出演しているような書き方になりますが、花澤さんは全く関係ありません。

本作は芸能事務所のオスカープロモーションが制作した福田沙紀さん主演の実写映画。

カトリック系お嬢様高校の演劇部を舞台に、キスシーンを演じるかで学内に議論が起きるストーリーで、1990年に公開された映画のリメイクになります。

『マリア様がみてる』と『ストロベリーパニック』の影響で、女の子同士の淡い恋心が大好物になっていた私は、劇場に観に行きました。

予告ではキャスト同士のキスシーンがあるような演出で、女子高生のキスシーンを大画面で観たくてと言っても過言ではありません。

だがしかし、スクリーンを出て、私は怒りに震えていました。

キャストは棒読み、内容はクソつまらない。オスカーの女優が特別出演している演出もプロモーション映像としか思えなかったし、キスシーンは予告と同じ寸止めで終わり!? 駄作中の駄作でした。

ちなみに本作は150館規模で公開されたにも関わらず観客動員30,431人、興行収入ワースト1として邦画の歴史に不名誉な形で名を残しています。

話を戻します。でも、私はまだ諦めてはいませんでした。上映から1ヶ月後、名作と呼ばれる1990年版の『桜の園』がサンテレビで放送されたのです。

1990年版には、事前にキスシーンがあること分かっていたので、私はそれを観て怒りを抑えることにしたのですが……

テレビ放送用に、キスシーンがカットされていました

劇場でも、テレビでも、私はキスシーンが見れなかったことに憤りを感じていました。その1990年版のテレビ放送が土曜日の深夜。ちょうど、花澤さんと戸松遥さんが出演しているアニメ『かんなぎ』の関西での放送が土曜日の深夜で、桜の園を観終わった直後に『かんなぎ』を観ることになりました。

『かんなぎ』を観ながら私は思いました。
キスシーンが見れないなら自分で書けばいいのだ!

戸松さんの話をする花澤さんに無限の可能性を感じていた私は一通のメールを胸キュンシチュエーションを紹介する香菜に胸キュンに送信しました。

ひとかなネーム スミノリさんから頂いた胸キュンシチュエーション。

かなたんと戸松さんが二人で食事をしている時に、戸松さんのほっぺたに付いているご飯粒を発見した、かなたんは
「こんなプロポーションして、まだまだ子供みたいなところあるじゃない」っと思いながら、そっとほっぺに口付けをして、ご飯粒をとります。

それに驚いた戸松さんは顔を赤らめながら「ちょっとやめてよ ビックリするって」その反応にかなたんも照れて、二人の仲は進展していくのでした・・・


花澤「おーうん、どうしたのこれ? 大体ね。こんなプロポーションしてなんて言わないよ、私は。うん、付いてるもん。戸松、常にここに。むしろ付けて食べるもん。彼女は、あえて何も言わないね。ふふふ、あえて何も言わないで、他の人に指摘されて、恥ずかしかがってる戸松をみて楽しむね。私は。
いいね。でね、戸松も「顔を赤らめながらびっくりする」ってなんて言わないからね。「むしろ、え!?そんな美味しいことになってるの? 私! もう一個つけちゃお」みたいにね。そんぐらいよ彼女は。まだまだだね。こうゆうのもたまにはいいけどね。やるかっつーんだよ、ねー。照れちゃうじゃないか。そんな、はい。何キュン、これはね妄想が激しかったから3キュン。どうしよう、次から戸松に会う時、ドキドキしちゃうかも知れないね。ないない、ないない」

『花澤香菜のひとりでできるかな?』2009年1月7日
ぽっぺにお米がついたリアクション『花澤香菜のひとりでできるかな?』2009年1月7日

嬉しいことにお正月の動画回で採用されて、晴れ着でメールを読む姿が残っています。

当時、花澤香菜さんは翌月に20歳の誕生日を控えた19歳。今は10代の声優さんにはあたまのおかしいメールは送らないように自主規制をしていますが、このルールは、諸星すみれちゃんや木戸衣吹ちゃんが10代で台頭してきた頃に作ったので、2008年の段階では何も考えずに送っていました。

次から戸松に会う時、ドキドキしちゃうかも知れないね

思春期の少年の妄想を煮詰めたメールでしたが、のちに数々の女性声優にラブコールを送っていた百合期の兆候が分かるメールだったと思います。

『桜の園』はひとかな公式読本2が出版されたとしても、絶対に掲載されませんが、私のひとかなの歴史には登場します。

ここまで読んで、何言ってるのこの人?と思ったとあなたは正しいです。

このテンションで『花澤香菜のひとりでできるかな?』を中心に、自分と花澤さんの思い出を年代別に振り返っていきます。

前半だけであと10年分。有料パートでは、さらに好き勝手にもっと濃い話が出てきます。読めば花澤さんについて、詳しくなれる!と断言することは出来ませんが、ヤバいオタクの解像度は確実に上がります。

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