柏 澄子/Sumiko KASHIWA
『山と溪谷』2024年4月号から連載中の「凪の人--山野井妙子」の取材日記と掲載記事の紹介です(過去にさかのぼってnoteに投稿します)。
隔月で毎日新聞に連載している「わくわく山歩き」のアナザーストーリーをお伝えします。 本編はコチラ(有料) https://x.gd/hqMPm https://x.gd/d9NQI
拙著『彼女たちの山~平成の時代、女性たちはどう山を登ったか』ができるまでのこと。本書登場人物にスポットをあてながら、書籍の内容や取材時のストーリーをご紹介します。
十数年ぶりに再再訪。 稲刈りと脱穀が終わり、ひと息ついた頃。 温かく迎えていただいた。67年前の春、しとしとと雨が降る日に生まれたのだという。 どんな偉業を成し遂げた人であっても、その毎日にドラマがあるわけではない。 静かな日常を、垣間見た。
2023/9/4 妙子さんの幼馴染だという女性のところへ。 世間がもつ登山家への印象と、私のそれには隔たりがあることに悩んでいたのだけれど、幼馴染の女性がもつそれは私のものと合致し、少しホッとした。 しかしそれがまた、執筆への悩みとなる。 インタビュー後、彼女の後ろ姿を見送る。どっしりとしていて、勇ましく闊歩していくその姿が、登山家に通じるものがあり、残像となった。 50を過ぎてからいまの仕事に出会い、それがかえがたいものとなったと話していた。 初めてお会いした方と、ひとりの
2023/9/1 甲斐駒ヶ岳山麓・横手にある駒ヶ岳神社の月次祭を終えたあと、甲斐駒ヶ岳に強く惹かれ登り続けた登山家・故池學さんのお宅へ。 途次、そば畑の向こうに黄蓮谷がくっきり見え、行く手には槍穂高連峰。槍からは北鎌尾根がギザギザと長く延びていた。この地を訪ね、彼の最期が初冬の北鎌だったことに、どこか納得した。 享年51。もっと歳を重ねた方だと思っていたけれど、お若くして亡くなったのだなあ。 お宅にある膨大な蔵書のなかから、関係する書物や雑誌バックナンバーを探しだすと、「お
2023/07/08 入り江にある小さな港で魚釣り。 この日が、次の執筆の旅の始まりとなった。 編集者に恵まれたと、あらためて思った。 一足早く帰京する編集者を駅まで送った帰り道、夫である山野井泰史さんが私に助言してくれた内容を胸にしまい、片時も忘れずに編集者と新たな二人三脚の旅に出ます。
毎日新聞朝刊に隔月連載している「わくわく山歩き」(2019年1月~)は、日本の山のなかから毎回1座選び、紹介するエッセイです。その山にまつわる私個人の思い出や、登ったときの印象も織り込んであります。 noteでは、各回の編集後記のようなもの、本編の紹介を記していきます。 2019年9月2日に紹介したのは、徳本峠(とくごうとうげ)です。 数えきれないほど通った上高地に、もし今から初めて入ることができるのならば、徳本峠を越えたい。もし、初めて上高地へ行く友人がいたら、徳本峠に誘
毎日新聞朝刊に隔月連載している「わくわく山歩き」(2019年1月~)は、日本の山のなかから毎回1座選び、紹介するエッセイです。その山にまつわる私個人の思い出や、登ったときの印象も織り込んであります。 noteでは、各回の編集後記のようなもの、本編の紹介を記していきます。 2019年8月5日に紹介したのは、長野県にある霧ヶ峰です。 夏に家族で出かけるのにピッタリと思い、紹介をしました。 乾いたそよ風、清々しい緑、高山植物……どれも「夏休み」そのものです。 秋や冬、春の季節も
【Today is 彼女たちの山/本日発売】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 『彼女たちの山』は、山野井妙子さんのストーリーから始まります。ヤマケイ連載のときもトップでした(連載時より大幅加筆)。 インタビューは、彼らが伊豆に引っ越す直前、奥多摩の家で。1泊2日をかけて、10時間
【1day to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 山ガールの項に登場いただいた方は大勢ですが、なかからもうお一人。 モデルでありフィールドナビゲーターの仲川希良さんです。 希良さんとの出会いは、ランドネ登山学校(あ、他社さんの企画ですね笑)。雪山登山の始め方、ステ
【2days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 平成には、山ガールブームがありました。 当時、女性向けのガイドやイベントが増え、女性誌への執筆もありました。けれど、私が一緒に山に行った彼女たちは、果たして山ガールだったのか?ブームに乗っていたのか。山ガールは、私
【3days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 第一章では、5人の登山家、クライマーに登場いただきました。 そのなかのひとり、故谷口けいさんを紹介します。 けいさんの親友でありクライミングパートナーでもある大石明弘さんの『太陽のかけら』は、ずっと手元にありなが
【4days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 スポーツクライミングの項に、小林由佳さんに登場いただきました。スポーツクライミングという言葉ではくくれないクライマーでいらっしゃいますね。 由佳さんをインタビューすると決めたのは、中根穂高さん=ジャックのアドバイス
【5days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します。 今回ご紹介するのは、1章に登場いただいた田部井淳子さんです。 冒頭にある彼女に向けた問い、「その後の生き方は難しくありませんでしたか」は、長年ずっと気になりながら、言いだせずにいたものです。「その後」とは、1975
【6days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します アルパインクライミングの項に、銀嶺会という山岳会の皆さんに登場いただきました。平成になってからできた女性が会員の山岳会。 銀嶺会は自分たちの足場、拠り所、帰って来る巣のような場所でした。 代表の宮田実穂子さん、宮田さ
【7days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します 山小屋の項には、本当に大勢の方々にご登場いただきました。数行の方もいれば、たった一行の方もいます。けれどどうしても、「平成」というタイミグで一行でも書き留めておきたく、一行に愛を込めました💕 一方的な愛ですが🤣 そし
【8days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します 今回は、南アルプス両俣小屋の管理人である星美知子さんです。 両俣小屋は昔から通りかかったり、キャンプしたことはあったけれど、泊まったのは2021年が初めて。星さんとしっかりと向き合って話をする機会を得たのはコロナ真
【9days to 彼女たちの山】 2023年3月14日に出版した『彼女たちの山 平成の時代、女性はどう山を登ったか』(柏澄子著、山と溪谷社刊)を紹介するシリーズです。 出版前に20日間かけてSNSなどで拙著に登場する女性たちを紹介したものを、ここに再録します 残念ながら山小屋の写真、彼女の写真が手元になく、山小屋近くからの眺めを。 どこの山小屋かピンとくるでしょうか……? 私は、この角度から見る槍・穂高連峰、好きです。 今回ご紹介するのは、薬師岳山荘の堀井よし子さんです