発達障害と遺伝:理解と受容への一歩
親としての旅は予測不可能で、時には想定外の挑戦に直面することもあります。
私たちは「ぶっつけ本番」(TEDxSapporo 植松社長より)の人生を生きているので、その全てのうまく対処できるわけではありません。むしろ大多数が初体験の連続です。
特にお子さんが発達障害を持っていると分かった場合、多くの親御さんが自己責任を感じることがあります。
遺伝が原因ではないかという思い込みから、子どもを産んだことを後悔することもあるでしょう。
しかし、このような感情に対処するためにも、遺伝と発達障害の関係についての正しい理解が必要です。
遺伝は一要因に過ぎない
以前の研究から、発達障害が遺伝する可能性は確かに指摘されていますが、それは症状を引き起こす多くの要因の一つに過ぎません。
たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動性障害(ADHD)の遺伝率は比較的高いとされていますが、これは完全な決定因ではありません。
例えば一卵性双生児ではASDの発症率は70%程度と言われており、遺伝だけではないその他の要因があるのではないかと言われており、環境要因もまた、子どもの発達に大きな影響を与えます。
つまり「遺伝」と「発症」は別と考えてください。
環境の役割
子どもの発達には、家庭環境、学校での経験、友人関係など、多くの環境要因が影響します。
遺伝的要素があったとしても、適切な愛情のある家庭環境、適切な教育支援、専門家からの介入により、子どもはその潜在能力を最大限に発揮することが可能です。
自己責任からの解放
もしも「遺伝だから」と感じているなら、それはあなたのせいではありません。遺伝的要素はコントロールできないものであり、重要なのは今、この瞬間からどのように対応するかです。自分自身を責めるのではなく、サポートする方法に焦点を当てることが大切です。
「ただいま成長中!」(TEDxSapporo 植松社長より)って言えばいいのよ〜
実際、年齢が上がると出来ることが増えていくこともあります。4歳でできなくても5歳でできたり、20歳で出来なくても30歳ではできたり。
少なくとも脳は20代頃までは成長中!なのです。
「がん」も遺伝する
あなたの周囲に、親族のがんを知りながら結婚をしたカップルはいませんか?
うちはがん家系だって言ってる方はいませんか?
がんの生涯有病率は男女とも50%を超えると言われています。
中には遺伝するがんもあります。
結婚前から、がんの遺伝リスクがあると知っていた方は少なくなかったと思います。
生活習慣で予防できるとも言われていますが、それが出来ない方もいます。いまのところ、がんを予防できない方に対して社会はそれほど厳しくはないですよね。
この50%にどれだけの医療費が使われているのでしょう。
これはあくまでも例えですが、認識を変えてみてもいいのではないかなと思います。
サポートシステムの活用
こころの支援が必要な時、カウンセリングやサポートグループの活用も考えてみてください。他の親御さんとの交流を通じて、経験を共有し、お互いを励まし合うことができます。
少子化の現在、数%と言われる発達障害の子の親は、地域によっては仲間(ピア)が少なく孤立しているとも言われています。
ピアサポートやオンラインの親の会もありますので、探してみてください。
また、専門家や先輩の当事者からのアドバイスが、子どもの成長における課題を乗り越える助けとなるでしょう。
まとめ
発達障害の遺伝に関する理解は深まりつつありますが、それは決して運命を定めるものではありません。
親としての役割は、困ったときに援助要求ができる力を育むことです。遺伝かどうかにかかわらず、お子さん一人ひとりが持つ独自の美しさと可能性を大切にしてみませんか?
<参考サイト>
<画像>
DALLE-3による