Jobhunting:「Reference」は自分から頼むものではなく、声をかけてもらうもの。
先程も少し触れたが、アメリカの履歴書(レジュメ)には「Reference」という項目がある。
日本語に直すと「推薦人」であり、
要は「あなたのことをよく知っている人を教えてください」という意味だ。
その応募者がどういう人なのかをその人との面接・自己紹介だけで判断するのではなく
他人に「○○さんはこういう人だよ」と教えてもらうことによって
より正確性・客観性の高い採用活動をするのが狙いだ。
(もっとも、応募者がReferenceに誰かを載せる際には
「自分について悪いことを言いそうな人は載せない」
「良いことを言ってくれる人だけを載せる」という鉄則があるので
正確性・客観性というものは半ば形骸化しているのだが)
第一印象やその人本人からのみの情報では判断しない実に合理的な発想である。
ちなみに「Reference」の項目が空欄だと
「この人は大学生活で何もしてこなかったんだな」
と思われるのが(少なくとも)アメリカだから、
特に留学生はこの「Reference」探しに悪戦苦闘することになる。
自分の国(例えば日本)にこういう発想はないからだ。
推薦人が必要なのは社内の人間のコネや誰かの紹介で転職するときぐらいである。
この「Reference」探しだが、一つコツがある。
それは血眼になって探さないことだ。
血眼になると、推薦人になってくれそうな人もそれに気付く。
「無理矢理にでも良いことを言わないといけないな」
と必要以上のプレッシャーを感じてしまう。
ましてやアメリカは日本以上の電話社会だ。
授業中の教授のスマホに営業電話がかかってくるようなことがザラにある。
「Reference」には電話番号を載せることが原則である以上
国際通話になるならともかく、国内通話なら実際にかかってくる可能性がある。
その上電話は事前準備ができないから、その場で取り繕うのも大変だ。
という訳で、推薦人側の心情としてはどうしても
必死に「良いところ」を捻り出さないといけないような人よりも
自然と「良いところ」が沢山話せるような人の推薦人になりたい。
アメリカの履歴書に「Reference」があることぐらい、アメリカの人は全員知っている。
生徒が常に「Reference」を埋められる人を求めていることも知っている。
そこで、「この人良いな」と思ったら推薦人の方から声をかけるのだ。
これが紹介をもらう正しい方法である。
これは留学生の立場から考えても、この方が良いのだ。
現地の人に自分から頼み込んで
「それはちょっと…」と面と向かって断られたら、心が折れる。
それに対して、向こうから
「なってあげようか」と声をかけられたら成約率100%である。
これを目指すべきだ。
つまり、声をかけられるぐらい一生懸命勉強し、一生懸命活動するべきなのだ。
海外留学はこれに尽きる。
大学の授業を一生懸命頑張っていれば、教授がいい。
課外活動を一生懸命頑張っていれば、そのグループのリーダーの人がいい。
大学構内でバイトができる人なら、そのバイト先の上長がいい。
こうやって「Reference」を自然に埋められるようになれば強い。
その推薦人は自分から名乗り出てくれただけあって本物だし、
あなたもその過程で学力・スキル・経験が身に付いているからだ。
…筆者、透佳(スミカ)