School Exams: 特に公立中学校は、一回のテストだけで成績は決まらない。
Chapter5では、この連載の中でも一際手厳しいことを書いてきたつもりです。
だからと言ってはなんですが、最後は明るい話題で締めてみようと思います。
それは一回失敗したからといって、それで終わりではないということです。
次があるのです。
塾に勤めていると、学校のテストや公開模試といった大きなテストが終わるたびに
あたかもこの世の終わりのような顔をして
「先生...もう何がダメなのかも分かりません...どうすればいいですか...」
と駆け込んでくる生徒が登場します。
ひとまず落ち着いてもらった上で、私がこの手の生徒に毎回伝えていることは
「全部ダメ」ということは絶対にない。だけど「ここがダメ」にならないと次には進めない
ということです。
「全部ダメ」というのは、文字通り0点です。
今日の定期テストでは、最初に名前だけを書いて残り時間は全て寝ていたといった場合を除き
狙って0点を取るのは至難の業(?)です。
「全部ダメだった」といっても、必ずどこかしらできていた場所があります。
単語はとりあえず書けた。
この文章だけはとりあえず書けた。
この4択だけはとりあえず外さなかった。
まずはそういった明るい面に話を向けることです。
「現時点でこういう問題は解く力はあるんだね」と声をかけます。
その上で、「ここがダメ」に目を向ける順番です。
より詳しく、「ここがこうだからダメだった」と分析してもらうのです。
これが辛い気持ちはよく分かります。
ただでさえショックなのに、こんな作業をすることはまるで二度殺されているようで苦痛です。
ですが、これをしない限り前に進めません。
また同じような問題が出てきたときに、また同じように間違えてしまうからです。
そしてまた同じようにこの世の終わりのような顔をする羽目になります。
これではまるでバカみたいです。
もしこれで人生でテストが終わりなら反省なんてしなくてもいいのですが、学校のテストには次があります。
前期テストでコケたら、期末テストで挽回すればいいのです。
期末テストでコケたら、次期の中間テストで挽回すればいいのです。
学年末テストでコケたら、新学年一発目のテストで挽回すればいいのです。
学校の定期テストが複数回あるのは、生徒たちをいじめるためではありません。
できるだけ分散させて、挽回できるチャンスをより多く作るためです。
定期テストが嫌いな生徒は多いですが、
では「もし学校の定期テストが年に1回しかなかったら」と想像してみてください。
入試のように、その一発で1年間の成績が全て決まってしまいます。
それではあまりにも酷だからということでテストを複数回用意しているのです。
今回ダメだったら、しっかり失敗を分析して、その上で次に進みましょう。
もし自力での分析が苦手だったら、その時は先生や講師をいくらでも頼ればいいのです。
…筆者、透佳(スミカ)