Stance: 苦手科目はせめて「2」にすればいい。その分得意科目に注ぎ込む。
受験において合格するために大切なことが2つあります。
一つは絶対的な得意科目を作ること。
もう一つは「致命的な」苦手科目を作らないことです。
なぜ受験において失敗してしまうのかと言えば、この逆に陥ってしまったからです。
得点源となる科目を作れず、また致命的に失点する科目を作ってしまったからです。
これ以上でもこれ以下でもありません。
例えば、5科目・各100点満点・合格点が計300点のテストがあったとしましょう。
理論上は、国数英理社それぞれ60点×5=300となるのが一番綺麗です。
ですが実際には、それぞれ狙って60点を取りに行くのは現実的ではありません。
得意科目がありますし、苦手科目もあります。
その年度ごとの難易度の違いもあります。
そこでまず一つ、「この科目なら90点を取れる」という科目を作ってしまうことです。
できれば国語・数学・英語の中から一つです。
そうすると、300-90=210、210÷4=52.5ですから
残りの4科目は50点+αで乗り切ることができれば合格ラインに乗ります。
「そんなの机上の空論じゃないか」
と言いたくなる気持ちはよく分かります。
ですが、本番では何が起こるか分からない受験だからこそ
「この科目はとりあえず大丈夫」という科目があるのとないのとでは訳が違います。
全科目血眼になって解く子は心理的な緊張感が大きくなりますが、
ある程度ゆとりを持てる科目とより集中するべき科目とがある子は心理的な安心感・メリハリを持ってテストに臨むことができます。
これは勉強のみならず人生の全てにおいて言えることですが、
「ここで頑張れ」というのはまだどうにかなります。
ですが「全部頑張れ」というのは大変です。
特に5科目ある受験の場合、全科目の全問題に全神経を集中するのは相当厳しいです。
絶対に無理とまでは言いませんが、
大半の子は数学の図形か証明、ないし英語の長文あたりで力尽きてしまって
残りの科目は燃料切れの状態で臨むことになってしまいます。
そうして悲惨な点数の科目を作ってしまうと合格は遠のきます。
仮に、理科がすごく苦手で20点を取ってしまったとしましょう。
300-20=280、280÷4=70です。
特に難関どころの入試において、70点取るというのは結構大変です。
受験者全体の平均点が40点台〜50点台という世界です。
そこで70点も取れるのは立派な得意科目です。
それを4科目分要求されると考えると、
いかに「穴」を作らないかかが大切であるかという話です。
これは通知書(普段の成績)においても全く同じです。
全教科オール5にできるならこんなにラクなことはありません。
そんな人はこんな連載なんか読んでいないで勉強していた方が良いです。
ですが、日本の入試の素晴らしいところとして
通知書の成績で足切りされづらいという点があります。
一部私立の推薦入試などでは流石に「1」は不可となることがありますが
一つぐらい「2」があっても多くは許容されます。
あとは本番のテストで点数が取れるか取れないかです。
「テスト一発勝負」というのは批判もありますが、これは極めて公平です。
一つくらい苦手科目があっても、他で挽回することができるのです。
「1」だと流石にカバーしきれないので、「2」にしておきましょう。
そしてその分をあなたの得意科目で勝負すればいいのです。
それを可能にするレベルの得意科目を一つ作っておくことは、
最高の結果を出すためには欠かせない要素になります。
…筆者、透佳(スミカ)