Goal Setting: 同じ学力なら、ベンチマークが身近にいた方が伸びる。
仕事柄、学生の進路指導をすることがよくあります。
そこでの経験を踏まえて話すと、
今は「○○と一緒の学校に行きたい」という意見は虐げられる傾向があります。
「本当に同じ学校に行けるわけじゃないぞ」
「もし違う学校になってしまったら付き合いはどうするんだ」
「その学校に行くのは○○君じゃなくてお前なんだぞ」
生徒本人よりも、とりわけ親御さんがこのように考えることが多いです。
ですがここではあえて、「○○と一緒」の良い面だけを考えてみようと思います。
目標・ベンチマークとなる身近な存在を見つけてそれを目指すというのは、まさに切磋琢磨です。
このコロナ禍の影響もあって、対面での切磋琢磨は昔に比べて機会が少なくなりました。
だからこそ相対的に効果が高まるのです。
ガンガン周りの人と比べて、ガンガン競争して、ガンガン勝ち負けをつけるべきです。
テストの偏差値でガンガン一喜一憂して、ガンガン落ち込んで、ガンガン喜ぶべきです。
そうやって作り上げられる
「次はアイツには負けない」
「今度も勝って、まぐれではないことを証明してやる」
というモチベーションは勉強において大変心強い要素です。
こう書くとまるで体育会の部活のようですが、勉強でもそれは全く同じなのです。
勉強はガンガン人と比べられるべきです。
どれだけ「自分のペースで」「最大の敵は自分自身」とカッコつけていても、
いざ本番の入試ではテストの得点の順番で厳格にボーダーラインが引かれます。
入試というのは基本的に、点数が低いから落ちるのではありません。
あなたより点数が高い人が一定割合以上いたから、あなたが落とされるのです。
入試のシステムが今から根本的に変わらない限り、この事実は普遍です。
そうである以上、普段から競争に慣れておくことが大事なのです。
その一歩目として使えるのが、
「○○と同じ高校に行きたい」ということです。
「○○と同じ高校に行きたい」という二人は、
たいていどちらか一人がもう一人に学力で負けています。
そのままでは入れませんから、必死に努力します。
そして現時点では学力で勝っている方の人も、
現在の位置に満足して怠けていると抜かれる可能性があります。
抜かれると、合格のボーダーラインを下回ってしまう可能性があります。
そして何より、学力が低かった人が下から逆転するのは最高の快感ですが
その逆、高かった人が下から逆転されるのは最悪の気分になります。
それを味わうことがないように、現時点で優れている方も必死で勉強するようになります。
文字通りシナジー・相乗効果で勉強するようになるのです。
これは個別指導の塾にはない、集団塾の特権です。
手前味噌ですが、これを理由にして集団塾を選ぶのも一つの手です。
同じ学力であれば、刺激となるライバル・戦友がいた方が引っ張られて学力が伸びます。
または、周りの子を引っ張り上げながら自分の学力も伸びます。
どちらにしても良いことずくめなのです。
…筆者、透佳(スミカ)