Friend:海外留学は友達を作りにいくための場所ではない。
ここで一つ、特に海外留学をこれから志す人には衝撃の事実をお伝えしなければならない。
それは海外留学は友達を作りに行く場所ではないということだ。
よく英語を話せるようになることのメリットとして
「世界中に友達が作れるよ」と真顔で教えている英語講師がいるが、
私にはこれが信じられない。
せっかくこれまで何百・何千時間もかけて英語を習得し、
(留学先に行ってからも変わらず勉強は続けることになる)
しかも何百・何千万円もかけて海外に渡って生活するのに
唯一成し遂げたことが「友達作り」ではいくらなんでも悲しすぎる。
そこまでしないと友達が作れないのかという話である。
単に外国人の友達が欲しいだけならわざわざ日本から出なくてもいい。
日本国内にもいくらでも外国人はいるからだ。
もっと言ってしまえば、英語なんて話せなくてもどうってことない。
日本語を話せる外国人と仲良くなればいいだけの話である。
その上特にカードゲームやオンラインゲームなどをやっている人は分かると思うが
究極、コミュニケーションに言葉はいらない。
お互いに何かしらの共通項があれば、言語が違えども
それらをとおして通じ合うことができるからだ。
何か趣味や特技・専門分野を持った上で
その気になってちょっと積極的になれば趣味仲間・専門分野仲間なんていくらでも作れる。
「いいえ!私は海外に住んでいる外国人と友達になりたいんです」
という人が登場するかもしれないが、
それにしたって今はオンラインでいくらでも交流できるし
そのためだけにわざわざ日本を出る理由が分からない。
これまでどれだけ国内で虐げられてきたのか。
「友達を作る」という目的なら、留学はいくらなんでもコスパが悪すぎるのだ。
留学に行けるだけのお金と時間があれば、国内でいくらでも友達は作れる。
ここまで言っても
「私はなんとしてでも現地の外国人と直接コミュニケーションが取りたいんです」
という人は一定数いるから、そういう人には以下の質問を送ろう。
そこまでして現地の人と交流したい理由は何だろうか。
そこまでして友達になって、あなたは何をしたいのだろうか。
「英語を学びたいんです」
それならわざわざ海外に行かなくても今時十分だ。
「現地の文化を知りたいんです」
それなら今時ネットでかなり深いところまで調べられる。
「いえ、別に友達になりたいというだけで…」
それならもはや部屋から出なくても可能である。
これらではまだ「弱い」のだ。
海外留学は、「日本では絶対にできない」経験でなければ目指す意味がない。
例えば
「現地の人と一緒になって働く」
というのは確かに現地に行かなければできない。
リモートワークだけでは分からないことも確実にあるからだ。
「日本にはない最先端の設備で研究する」
というのも確かに現地に行かなければできない。
日本にない以上は現地に赴くしかないからだ。
このように、海外留学においては
海外留学「ならでは」のことを追求するべきである。
友達作りは副産物の一つであることは間違いないが、「ならでは」ではない。
海外に行かなくてもできることに本腰を入れて、
肝心の海外でしかできないことを疎かにしてはならない。
…筆者、透佳(スミカ)