PostStudyAbroad:留学経験を自分からひけらかすと、小粒に見える。
「長期留学」といっても、たったの4年〜6年ほどの話です。
人生全体でみれば、現役の留学生でいる期間よりも「元・留学生」である期間の方がはるかに長いです。
この文章の読者の方の多くは、「これから留学することを考えている」という方でしょう。
留学前から「留学後」の姿を想像しておくことは、極めて大切なことです。
否、厳密に言えば必須条件です。
「留学後の自分」というのは、いわば留学体験を通じてのゴール・目標です。
ゴールを想像することなくスタートを切る・切ろうとするというのは、かなり健全とは言い難い行為です。
「どこに向かって走っているのかは分からないけどとりあえず走っています」という状態は海外留学においてはなるべく避けるべきです。
それをやるには、かかるお金と時間のコストが大きすぎます。
また、すでに留学を終えた上で読んでいただいている方もいることでしょう。
留学後・元留学生として、大切なことは一つです。
それは求められてもいないのに自分から留学経験を語らないことです。
これさえしなければ、元留学生の心構えとしては合格点です。
友人や会社の同僚などと深い話になったときに、自然と「実はアメリカに少し留学してて…」という話をするくらいでしたら大丈夫です。
ですが、初めましての人に向かっていきなり「アメリカ留学してました!」とやらかすのはかなり痛い行為です。
留学経験に限らず、「相手から求められて話す」のと「自分から押し付けて話す」のとでは意味が全く違います。
同じ話なのに前者は価値が上がり、後者は価値がガクン!と落ちます。
聞き手からすると、その話の「ありがたみ」が全く違うからです。
「売ってください」と請われて初めて売るか、「買ってください」と無理矢理押し売りするかの違いは天と地の差です。
この文章の読者には、せっかく海外留学を経験する以上その価値を自分から下げることだけは避けてもらいたいです。
そのためには、自分から大きな声で「留学してました!」とアピールさえしなければ大丈夫です。
そしてこれは大きな声では言えませんが、半年か一年・下手したらたった1ヶ月だけ行ったという人に限って「オレは海外留学をしていたんだ」とやらかしてしまう人の比率が高まります。
これに対して、4年以上も行くような人はわざわざ「〇〇に留学していました」という話を自分からしない傾向があります。
今までその類の話は散々してきたので、わざわざ自分からするのは疲れるからです。
留学期間と「話したがり度」は見事に反比例するといっても過言ではありません。
「でも、透佳さんはプロフィールに留学経験をガッツリ載せてますよね?」という声が聞こえてきそうです。
それにお答えすると、私の人生の目標の一つはプロフィールから「留学」という言葉を外すことです。
少なくとも今は留学についての文章を書いている以上外すわけにはいきませんが、いずれ外します。
例えば孫正義さんや大前研一さんが「オレはアメリカ留学していたんだぞ」とプロフィールに書いたり自己紹介したりするとはとても考えにくいです。
万が一そんなことをやろうものなら、「うわ…この人、それしか誇れるものがないの?」という話になってしまいます。
究極、「留学経験」というのは全て過去の栄光です。
留学経験を踏まえた上で、それを大きく超える成果や実績を挙げることを目指すのが社会人の元留学生としてのあるべき姿です。
…筆者、透佳(スミカ)