DailyLife:現地で住む場所に、何に代えても一人部屋を確保する。
「現地の人々と積極的に交流し、現地の知識や文化を学ぶ・理解を深める」
これは海外留学の一目的として、極めて美しい模範解答です。
ですが、この文章は誰も口に出さない本音をぶちまける場所です。
私が複数の日本人留学生から聞き出した一次情報を、ここで公開しましょう。
「昼間とかに学生と交流するならともかく、本当に一日中一緒に生活するのは疲れるし嫌だ」
これが、私がこれまで相談に乗ってきた留学生たちの偽らざる本音でした。
例えば海外留学の学生寮、その中でも1年目はほぼ確実に複数人部屋になります。
現地で初めて会ったような学生と、一緒の空間で生活を共有することとなります。
「勉強よりも、ある意味これが一番のストレスだった」とこっそり告白してくれた留学生も複数いました。
もちろん、個別で例外を挙げることはいくらでも可能です。
「知らない人と一緒に生活することがむしろ楽しい」という同級生も、実際いました。
朝も昼も夜も英語が話せるということで、英語力向上につなげていた人もいました。
ですが割合で見れば、赤の他人と「一緒の部屋で暮らす・生活を共にする」ことに嫌悪感を示す日本人留学生は決して無視できない人数で存在します。
日本人は、「人に気を遣う」人種だと言われています。
「他人と一緒にいると気を遣ってしまうから、一人の時間も作りたい」という気持ちは私も痛いほどよく分かります。
ですが若年層、特に英米圏の(大学に通うような)若年層にはこの手の「配慮」は一切ありません。
「自分の思ったことは迷わず口に出すし、自分が良いと思ったことは迷わず行動に移す」というのが国民性です。
ここで下手に日本人らしさを出して、面と向かって反論せずに沈黙を貫いたらどうなるでしょうか。
相手は一気につけ上がります。
悲しいくらいに、相手の意志が一方的に通るようになります。
「反論してこないということは賛成ということだな」と、一切の悪気なく考えます。
何の断りも遠慮もなく、部屋の電気をつけたり消したりエアコンをがんがんにかけるようになります。
「日本人が立派で、それに比べて外国人は」という話をしているのではありません。
むしろ逆です。
それを口に出したり行動に移したりするかどうかは別問題ですが、
日本人でさえ、「コイツと同じ空間で寝るのは嫌だな」という人間はゴロゴロいます。
出身国には一切関係なく、
一緒の空間で生活を共にするには、文化や常識があまりにズレ過ぎている
と感じる人が間違いなく一定数存在します。
お互いが別々の文化や常識の中でこれまで生きてきた以上、その差を埋めることは簡単ではありません。
「でも、そこを一歩歩み寄って相互理解することも海外留学だよ」という綺麗事はここでは一切言いません。
そういった学びや体験は日中に集中して行い、夜は一人でゆっくり英気を養うべし
というのが私の考えです。
特に留学生は、夜の自部屋以外で「一人の時間」を作ることは至難の業になります。
本来、昼間溜まった疲労やストレスをすっきり回復させるのが自部屋という場所です。
ここすら「ストレス源」「我慢タイム」になったら、文字通り帰る場所がなくなります。
これは海外留学で一番避けなくてはならないことです。
もちろん、ホームステイや外部のアパートなどに入る場合もこれは同じです。
「自分一人だけの空間」を死んでも確保することが、海外留学を成功に導く必要条件です。
…筆者、透佳(スミカ)