Jubhunting:海外留学だから「学歴フィルター」がないと思ったら、大間違い。
少し前、「学歴フィルター」という言葉が話題になりました。
とある会社の新卒向け就職説明会をオンラインで予約する際に、
一流大学の名前を入れると「空きあり」と表示されるのに
それ以外の大学の名前を入れると「満席」と表示されるようになっていました。
あれだけ学歴フィルターが騒がれ、そして叩かれてしまった理由は簡単です。
本当のことを言ってしまったからです。
一切の綺麗事を抜きにして話しましょう。「学歴フィルター」は確かに存在します。
学歴というのは、その人の仕事力を測るのに一番手っ取り早い指標だからです。
もちろん、実際に仕事ができるかどうかは蓋を開けてみなければ(実際に雇って働かせてみなければ)分かりません。
全員を雇って全員を「とりあえず」働かせてみるのが理想ですが、現実にはそんな時間も人手も会社にはありません。
そこで、学歴フィルターの登場です。
学歴が高いからといって仕事ができるとは限りませんが、仕事ができる人は学歴が高い可能性が高いのです。
もちろん個人レベルで見ればいくらでも例外はいますが、あくまでも「全体的に見れば」という話です。
勉強ができるということは、より物覚えが良いということです。
物覚えが良いということは、仕事の内容をより早く覚えられるということです。
これを真っ向から全否定できる人はいないでしょう。
だからこそ「学歴フィルター」は便利なツールとして存在し続けているわけです。
特に毎年何百〜何千人も新卒で取るような大企業は、応募者全員とご丁寧に直接会って面接しているような時間もなければ面接官もいません。
そこで、書類選考(実際にはほぼ学歴選考)で会う人を極限まで絞って仕事量を圧縮しているのです。
「学歴フィルター」と聞いて熱くなるのではなく、「学歴フィルターは当然そこにあるもの」というスタンスで臨むことが就活の前提です。
この「学歴フィルター」ですが、留学生にも大いに関係があります。
なぜなら留学生が就活する際も「学歴フィルター」は存在するからです。
「日本から脱出したから、学歴社会からも脱出できる」というのは甘いです。
結局日本に戻って就活する場合は、学歴フィルターは健在です。
そして真実をお伝えすると、海外の方が学歴フィルターは強力です。
出身大学によって、新卒の初任給が何倍も違うことが当たり前の社会です。
ハーバードMBAの卒業生と地方州立大の学士の卒業生の初任給が天と地ほどの差であることぐらい、全員知っています。
露骨にやらない分、日本の方が格段にマシなくらいです。
私がボスキャリで会社をまわっていた際も、こんなことがありました。
その会社は、知名度は決して最高ではなくともブランド・毛並みに長けたいわゆる「大手一流企業」の一つでした。
ボスキャリに行ったことのある方はご存知かもしれませんが、会社によってはブースの受付に「当日予約の人はここに履歴書を入れてください」というWalk-In用の履歴書Drop-Offケースが設置されています。
私がそのケースに履歴書を入れる際、偶然その会社の担当面接官の一人が受付にいました。
彼は私の履歴書を一瞥して、こうつぶやいたのです。
「あぁ、オールミスじゃなくてね…」
オールミス(Ole Miss)、というのはミシシッピ州で一番の大学であるミシシッピ大学のことです。
上の一言から分かることは2つです。
1. 南ミシシッピ大学とミシシッピ大学の見分けがついている
2. 序列で言えば完全に「ミシシッピ>南ミシシッピ」であることを知っている
少なくともアメリカでは、「University of 州名」という3単語の大学が「その州でトップクラス」という評価を受けています。
そして、州名の後ろに「Northern」「Southern」などとついている大学は「それらに比べれば少し劣る」という評価を受けています。
概して、それらの評価は正しいです。
大学ランキングもほぼその通りになっています。
ここで大事なことは、由緒正しき企業はたとえ日本生まれ日本育ちの「純・国産」企業であろうとこの事実をちゃんと知っているということです。
さすがプロです。
この会社は、以後一切連絡されることなく選考に落ちました。
こういったことが、ボスキャリでも普通に起こります。
「学歴フィルター」はあることを前提として、その上で自分なりに報われやすい業界・業種で就活を成功させましょう。
世の中の全員がプロ野球選手になる必要はないのです。
…筆者、透佳(スミカ)