Goal Setting: 高い目標を設定すれば、低い目標はスルッと通過する。
高校受験生が持っておくと得をする資格に、英検準2級があります。
ほとんどの高校では、受験をする段階で英検準2級を持っていると
当日のテスト結果に一定点数を加点してくれます。
特に倍率が高い高校のボーダーライン上では、
最終的に1点・2点の勝負になることが珍しくありません。
受かるか落ちるかという瀬戸際の際に、最後の一押しになる可能性がある…
そう考えて英検準2級を取りたがるのはごく自然な話です。
この英検準2級ですが、私の周囲の生徒で
「この子は確実に取るな」と確信させ、かつ実際に取得した生徒には
ある一つの共通点が見られました。
それは英検2級レベル相当の勉強をしていたということです。
誤読してはいけません。
「準」はついていません。
難関高校の英語入試問題は英検準2級レベルどころか、下手したら2級レベルにも到達すると私は考えています。
開成高校や筑駒高校は毎年高校範囲の英文法や表現・構文が登場しますし、
慶應女子高校は
「え?こんな長さでかつ自然な日本語を中学生に本当に全訳させるの?」
という和文英訳が英語入試の名物になっています。
そして共通するのが、
「え?この単語注釈つけずに読ませるの?」
という必要英単語のレベルの高さです。
「中学英語に毛が生えた」程度では到底対応できないのです。
それも当然です。
例えば開成高校に入学したら、
その3年前に開成中学の入試を突破して
中学3年間を大学受験の基礎作り期間として積み上げてきた超・秀才たちと
机を並べて一緒に勉強する必要があります。
開成高校の中学2年生に公立高校入試を解かせたら、普通にできます。
その上で高校範囲に触るどころかどっぷり浸かっているのが、こういった高校の中3〜高1生です。
(学校の勉強についていくことに加えてほとんどの子は外部塾に通うので尚更です)
難関高校を目指すということはそういうことなのです。
常日頃、目の前に見えているような山とは全く別次元の山と戦うことになります。
だからこそ目標は高い方がいいのです。
受験本番においては、自分で本心から掲げられる目標がその人の限界です。
「開成以外は高校ではない」と口に出すかどうかは別として
そのレベルの強い心を持っている生徒が開成高校に合格します。
「開成に行けたらいいな、でも早慶までなら妥協できるな」
という子は最終的に早慶相当に落ち着きます。
「早慶に行けたらいいな、でもMARCHまでなら妥協できるな」
という子は最終的にMARCH相当に落ち着きます。
「MARCHに行けたらいいな、でも私立中堅どころまでなら妥協できるな」
という子は最終的に私立中堅どころ相当に落ち着きます。
「私立中堅どころに行けたらいいな、でも最悪その辺の公立でもいいや」
という子は最終的にその辺の公立相当に落ち着きます。
その人が掲げられる目標が、その人の限界を決めます。
もちろん単純に高ければ高いほどいいというものではありません。
日本の全中学生が開成高校を目指すのは無理があります。
「本当は開成レベルなんて無理に決まっているよなあ」と本心では思っている子が
「開成に行きます!」と口に出せば受かるというものではありません。
そこまで安直ではありません。
あくまでもそれぞれの子にとって、
「これはちょっとだいぶ厳しいぞ」
と覚えるレベルの目標設定をするということです。
そうすれば、その前段階はスルッと通過します。
…筆者、透佳(スミカ)