Writing:途中でペンが止まるのは、初期段階で計画を立てないから。
「まだ書いている途中なんですけど、何を書けばいいのか分からなくなってしまって…」
「何を書いているのか、自分でも分からなくなってきて...」
こうやって添削の相談に来る留学生もいます。
彼・彼女らの共通点は一つです。
最初に計画を立てず、「とりあえず」「書けるものから」という調子で来てしまった結果である
ということです。
確かに、日本の学校教育ならある程度それでも通用します。
「文字数が書けていればはい努力点・頑張ったで賞」という世界です。
頭に思い浮かんだ順番から書き連ねてしまえば、それで一定の評価がもらえます。
ですがここは海外留学、しかも相手は大学です。
「話の意味が全く分からない」というものは容赦無く0点にされます。
「頑張ったから○点」という文化は英米圏には一切ありません。
パフォーマンス・結果が全てです。
それは学生であろうと何も変わりません。
そんな世界で生き残るために、やるべきことは一つです。
一文字目を書く前に、「どこで何を書くか」という全ての計画表を作ることです。
これをアウトライン(outline)と呼びます。
冒頭部分は、出だし→背景や状況の説明→Thesis Statement(その文で一番伝えたいこと)という順番で展開するのが模範解答です。
中核(Body)の部分は、「結論(Thesis Statementの理由)→理由(それが正しい理由)→具体例(実例や実験結果など、現実的な根拠となるもの)→結論」という流れがあります。
「Thesis Statementが一つドンとあって、それを証明する理由を『理由①』『理由②』『理由③』…というBodyに分けていく」と考えれば分かりやすいでしょう。
そして締めの部分(Conclusion)では、「Thesis Statement→考察→最後の提言(今後の展望を書くのが一般的)」という流れが存在します。
まず、この流れを厳守することです。
この流れから大きく外れた文章は「out-of-topic」「unrelated」「vague」として大幅減点の対象になります。
文章同士が繋がって、一つの作品になっているのがライティングです。
「この一文、本当に要るかな」と感じた文章は全てカットします。
そしてもう一つ、このアウトラインを頭の中で全て計画・記憶するのは無理です。
だからこそ、事前にアウトラインを全て書き出します。
「一文目から最後まで、何を書くかは大体全部決まっている」という状態にしてから一文字目を書き始めます。
こうすれば途中で迷子になることは絶対にありません。
こう考えると、アウトラインを作るのは中々の重労働です。
ペーパーを書いている時間よりも、アウトラインを作る時間の方が長くなることもあります。
ですがアウトラインを万全にしておくと、ペーパーはごく短時間でしかも論理的に書くことができます。
事前に書くことが全て決まっているので当たり前です。
「何を書けば…」と迷いそうな人こそ、真っ先に実践しましょう。
…筆者、透佳(スミカ)