PostStudyAbroad:「貸与型奨学金とは自己責任の借金である」という事実は、絶対に揺るがない。
基本的に全ての留学生が、なんらかの形で奨学金制度を利用します。
全員が「給付型奨学金」を受け取れるわけではありません。
(そもそも元の意味から言えば奨学金=給付されるものなので、「給付型」「貸与型」というのもおかしいのですが…)
受け取れたとしても、留学費用を全額賄えるレベルで受け取れるのはごく一部の選ばれたエリート・例外だけです。
たとえばかの有名な『トビタテ!留学JAPAN』には、大きく分けてこれらの応募コースがあります。
- 理系、複合・融合系人材コース
- 新興国コース
- 世界トップレベル大学等コース
- 多様性人材コース
2つ目は東南アジアや中東地域等々、場所の希少性が求められるので一旦置いておきます。
それ以外の3つについて、綺麗事ゼロで事実をストレートに述べましょう。
この奨学金を受け取るための審査には、才能、そして確固たる未来像、その両方が求められます。
「特にこれといった才能はないし、将来の夢なんて分からない」という過半数以上の留学志望生は箸にも棒にもかからずに落とされます。
この審査を通過するレベルの方であれば、いわば国から「ぜひ留学してくださいお願いします」と請われている状態です。
何も迷うことはありません。
国を代表するエリートとして、胸を張って留学に挑んでいただければ何よりです。
さて、そうではない「普通の人」です。
海外留学であれば、200万円が半年〜もって1年で全額吹っ飛びます。
都会の名門大学などであれば、生活費込みで数ヶ月もたないでしょう。
留学を始める段階で、数百万円の「頭金」は絶対に必要です。
ですが、手元のお金ですぐ数百万円用意はできない家庭の方が、遥かに多いでしょう。
その結果、「奨学金」という名の教育ローン(要は借金)を利用します。
人により額はよりけりですが、百万円単位で借金を背負うことになります。
全て計算すれば合わせて一千万を超える留学生もザラにいます。
この額の借金を、社会人として働き始めたタイミングで背負うことになります。
この文章は建前を並べて慰めるものではないので、本音を書きます。
誰がなんと言おうと、いかなる経緯があろうと、これはあなた自身の借金です。
給付型を受け取れるだけの力や才能がなかったからこそ、あなたは借金をするのです。
こんなことを書くのは、自分の名義で借りた奨学金について
「しょうがなく借りただけだから自分は悪くない」「返すのは親の責任だ」
「なんで給付型が受け取れなかったんだ」
と愚痴を並べる留学生が想像以上に多いことが理由です。
私の周囲にも、「家が貧乏だから苦労した」「奨学金を借りるしかなかった」と告白してくれた留学生が複数いました。
「これは親名義だから」と言うのも簡単です。
「こんな貧乏なのは国が悪い」「〇〇が悪い」と言うのも簡単です。
ですがあらゆる言い訳を乗り越えて、借りたお金は返す必要があります。
「海外留学をする」という決断をしたのは、他ならぬあなただからです。
その上で給付型を受け取れなかったのは、あなたの力不足・魅力不足です。
かなり厳しいことを書きました。
要は、「借金しなければいけない状況を人のせいにしてはいけない」ということです。
人のせいにしてしまうと、もうそこで「自分は悪くない」と行動しなくなってしまうのです。
多くの人がそうしているように、人のせいにして文句を言うのは簡単です。
ですが文句を言い続けると、文句を言うだけで一生が終わってしまいます。
そこで、この現実を受け止めた上で一歩前に進んでみましょう。
お金を借りるという行為は、簡単なことではありません。
借りたお金は、いずれ必ず責任を持って返す必要があります。
このことを胸に秘めながら、元留学生として生き抜いてください。
心配しなくても、「人のせいにしない人」は奨学金の借金程度の額はすぐに稼ぎ切ることができるようになります。
…筆者、透佳(スミカ)